楽園のカンヴァス
原田マハによる「楽園のカンヴァス」は、アンリ・ルソーの名画「夢」をめぐる小説。現代と1900年代初頭のパリを交錯させながら、日曜画家と揶揄されたルソーの真の姿に迫っていく。ウッディ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」を思わせる雰囲気もある。
絵画とそれに関わる人々をモチーフに、巧みなストーリーで読み手を魅了する傑作アート・ミステリー。
原田マハによる「楽園のカンヴァス」は、アンリ・ルソーの名画「夢」をめぐる小説。現代と1900年代初頭のパリを交錯させながら、日曜画家と揶揄されたルソーの真の姿に迫っていく。ウッディ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」を思わせる雰囲気もある。
絵画とそれに関わる人々をモチーフに、巧みなストーリーで読み手を魅了する傑作アート・ミステリー。
ニューヨーク近代美術館の女性キュレーターが、ピカソが戦争と向き合った大作ゲルニカの展示に情熱を燃やす。
第二次世界大戦前後のピカソとその愛人ドラ・マールの関わり、ゲルニカ制作の経緯を挟みながら、国際色豊かに描いた小説。
暗幕のゲルニカ
原田 マハ
突然死した課長が、家族に別れを告げるために一週間だけ現世に舞い戻る顛末を描く、浅田次郎の小説「椿山課長の七日間」。
現世に戻るまでのお役所的な手続きが妙にリアル。至るところに笑いを散りばめながら、巧みなストーリーテリングで一気に読ませる。
悲喜こもごもを「死後の世界」を通して凝縮し、心をゆさぶる浅田節の真骨頂。
椿山課長の七日間 (朝日文庫)
浅田 次郎
大友克洋のコミック「童夢」。この漫画に大学生の頃出会ったが、ページをめくるのがもったいないと思えるほど魅力を感じた。
ごく普通のマンションに忍び込む非日常を、大胆な構図を駆使して緻密に描写する。空白すら意味を持つ独特のタッチをもち、読み手の心理に迫る強い力を持つ名作。
童夢 (アクションコミックス)
大友 克洋
村上たかしのコミック「青い鳥~わくらば~」は家族を襲う悲劇と再生の物語。テーマは重いが、あたたかみのある絵柄に救われる。構成が素晴らしく、文学的な香気もただよう。心に深く残る名編。
黒田硫黄の「茄子」を原作としたアニメ映画「スーツケースの渡り鳥」。「茄子 アンダルシアの夏」の続編。
とにかく背景が素晴らしい。キャラクターはジブリ風。ルパン三世の趣きもあり、なんだか嬉しくなる作品。
自転車ロードレースの疾駆感も見事であり、実に楽しい。茄子の漬け物もおいしそう。忌野清志郎、黒田硫黄、山寺宏一と、個性豊かな人々の感性が響き合い、作品の質を高めている。
ドラマ「重版出来!」最終回。新人漫画家中田(永山絢斗)は、人の恐怖をモチーフとした漫画「ピーヴ遷移」で初連載をとげるが、徐々にその精神世界にのめり込んで行く。一方、近代芸術文化賞の漫画部門大賞の受賞作品が編集部に伝えられる。
個性的な面々が縦横に活躍し、漫画を世に送り出すたいへんさと喜びを遺憾なく描く。コミカルさとシリアスさのバランスが絶妙であり、どの回も感動に打ち震えるシーンをもった見事な脚本。ドラマを見ている間は至福の時であった。
世界に誇る日本の漫画界の営みを明るくダイナミックに描いた「重版出来!」、心ゆくまで楽しめる珠玉のヒューマン・ドラマに仕上がっている。
ドラマ「重版出来!」第9話では、流行漫画家の他誌からの引き抜きなどを軸に描かれる。新人漫画家の苦悩、ベテラン漫画家の心の揺れを並行して描写し、編集部の喜怒哀楽がストレートに伝わる。
ドラマ「重版出来!」第8話では、スランプに陥る新人の姿に加え、出版業界が抱える苦悩、電子書籍化の波などが盛り込まれる。
感動のエピソードに彩られた、胸をえぐる回。
ドラマ「重版出来!」第7話では、漫画家のアシスタントに焦点をあてた回。漫画界の重鎮、三蔵山(小日向文世)のもとでチーフアシスタントを務める沼田渡(ムロツヨシ)は、新人アシスタント中田伯(永山絢斗)の才能に心穏やかならぬ気持ちを募らせていった。
胸に迫るドラマが展開される回。
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