軍師官兵衛 33

 NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第33回は、「傷だらけの魂」。坊主として茶道に携わる荒木村重を中心とした回。今回もホームドラマに徹している。このところ毎回が間奏曲のような大河。

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」

軍師官兵衛 後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
4149233667

総員玉砕せよ!

 水木しげるが自らの戦争体験を基に、ラバウルの前線であるバイエンでの日本兵たちを描いた「総員玉砕せよ!」。食い物のことを考えたり歌をうたったりと一見のどかな兵隊の日常が点描されるが、戦が始まると一転、壮絶な描写に変化する。
 米国アイズナー賞を受賞した入魂の漫画。

総員玉砕せよ! (講談社文庫)
水木 しげる
4061859935

軍師官兵衛 32

 NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第32回は、「さらば、父よ!」。最初に秀吉と家康の対決である、小牧長久手の戦いがあるのだが、これがあまりにあっけない形。両陣営への斥候の報告と、ナレーションだけで終わってしまう。戦国大河なのに、なぜか合戦のダイナミズム、駆け引きの妙を薄味にしていまっている。今回は、柴田恭兵演じる官兵衛の父、黒田職隆のさよなら公演がメインということで、ホームドラマに軸足をおいた展開。

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」

軍師官兵衛 後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
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軍師官兵衛 31

 NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第31回は、「天下人への道」。清洲会議を楽しみにしていたのが、オープニングの音楽前に終わってしまった。あまりの短さに唖然。中国大返しの勢いで走り過ぎ去った感じ。はしょれメロスか。
 賤ヶ岳の合戦も、あっけない感じ。なぜか千利休のもとに身を寄せていた荒木村重との場面が濃厚。長政の縁談にまつわるホームドラマが唐突に入る。大河ドラマの重厚さがもっとあると良いのだが。

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」

軍師官兵衛 後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
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一億円は安すぎる

 「一億円は安すぎる」は、夏樹静子の短編小説。京都の織物関連会社の社長たちが考え出した不況の打開策とは。人間の業を感じさせる小品。

一億円は安すぎる【朗読CD文庫】
夏樹静子
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おくのほそ道

 人生を旅とみなした、松尾芭蕉「おくのほそ道」。久米明の明るい響きのある朗読で、風雅で構成感のある紀行文学の傑作が音律を伴って味わえる。

おくのほそ道 新潮CD
松尾 芭蕉
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海賊とよばれた男(下)

 敗戦後、全ての資産を失いながらも、石油の商いを復活させ会社の再生を果たす国岡鐵造。しかし、世界の石油は「メジャー」と呼ばれる巨大企業が牛耳っており、戦いは避けられなかった。
 国や国際社会を相手に、自らの信念と矜持をもって対峙する男の姿が感動を与える。特に、石油タンカー「日章丸」の実話に基づく物語には、胸を熱くさせられた。
 幾多の困難を乗り越えた真のリーダーたちの姿を描き、圧倒的存在感を放つ経済小説。

海賊とよばれた男(下) (講談社文庫) [ 百田 尚樹 ]

海賊とよばれた男(上)

 「ただちに建設にかかれ」

 太平洋戦争の敗戦直後、焼け野原のなった東京に辛うじて残った本社屋で、国岡商店の店主は、仕事が全くないにもかかわらず、一人の社員もクビにすることなく、あらゆる手段を尽くして活路を見出す。それは、日本の石油産業を発展させた男の、還暦になってからの第一歩であった。

 「海賊とよばれた男」は、出光興産の出光佐三をモデルにした百田尚樹の歴史経済小説。20世紀の産業を発展させると同時に、紛争の火種ともなった巨大エネルギー「石油」を扱う男のドラマである。
 油の小売りから身をおこし、国や世界を相手に堂々とわたりあう人々を描いた、入魂の作品。

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫) [ 百田 尚樹 ]

司馬遼太郎の街道2

 司馬遼太郎が取材で訪れた地を、美しい写真と関わった人々の文で浮き上がらせる「司馬遼太郎の街道2」。
 アイルランドの荒々しい自然が圧巻。オホーツク街道の清冽な抒情も静かに胸にしみる。
 同行したスタッフのユーモア溢れる文章がアクセントになっている。また、その土地に関わりのある多彩な人々のコラムがたいへん興味深い。
 大自然の豊かさと大地に生きる人々の営みがみずみずしく描かれた冊子。

司馬遼太郎の街道2 (週刊朝日ムック)
朝日新聞出版
4022770112

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清張さんと司馬さん

 松本清張と司馬遼太郎の担当編集者を務めた半藤一利による、「清張さんと司馬さん」。
 身近に観察した両巨匠のひととなりが実に面白い。また、両者の作品群から、日本史を見つめる視点を語る箇所はたいへん興味深く読めた。特に、「坂の上の雲」「日本の黒い霧」など代表作を取り上げ、実際の対話を交えながら掘り下げていく部分は、編集担当として長く関わったからこそ語れる内容であろう。

清張さんと司馬さん (文春文庫)

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