高崎高校 第67回 翠巒祭

 群馬県立高崎高等学校の第67回翠巒祭が、2019年6月1日、2日に行われた。
 校門に据え付けられたアーチは、カンボジアのアンコールワットをモチーフとしている。

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 校舎入口の装飾は、美術班が手がけている。昨年度、次男が携わっていたが、今年も大学の休みの日に手伝いに行き、シャツやズボンを絵の具まみれにして帰ってきていた。

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 内部の装飾も、例年以上に完成度が高くなっている。

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 校舎出口の装飾は、飛翔感があり楽しい。

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 出口内部の壁画風装飾は昨年度を踏襲していて嬉しいと次男が言っていた。

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 校舎一面をおおう壁画は、ドイツの「ベルリン大聖堂」をモチーフとしている。
 生徒全員が関わって作り上げたモザイク作品。

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 中庭では最初に和太鼓部の演奏が行われた。
 観音山を背景に、若き漢たちが乱舞し熱気があふれていた。

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 数学部では、割り箸などを組み合わせた道をビー玉がころがる長大なルートが作られていた。
 吹奏楽部の木管四重奏によって栗コーダーカルテットよろしく、ピタゴラスイッチの音楽が奏でられ、楽しい雰囲気を醸していた。

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 鉄道研究部では、2017年に開館した高崎アリーナも作成され、凝った展示となっていた。

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SSHの展示会場の黒板。

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 喫茶店の窓にあしらわれた切り絵。

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 マンドリン部は、今年も群馬大会で優勝し、全国大会に出場する。
 力強さのみでなく、繊細な表情がより豊になったようだ。

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 フォトモザイクは、ゴッホの自画像。写真5000枚で構成されている。

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 校舎入口前の情景。巨大壁画を背景に、模擬店や音楽演奏など、まさしくフェスティバルの趣き。

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 「バラの香におう 学舎にて友よ」
 草野心平作詞、芥川也寸志作曲の校歌の一節。今年も変わらずバラが咲き誇っていた。

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 創立122周年を迎える伝統校の文化祭は活気に溢れ、将来への希望を感じさせてくれる。

高崎高校 第67回 翠巒祭

職業は武装解除

 世界各地の紛争地域をめぐり、兵士の武装解除に携わってきた瀬谷ルミ子氏の体験記「職業は武装解除」。
 高校3年生の時にルワンダ難民の写真を見た著者は、その状況を変えようと紛争解決の道に進むことを決意する。手段として英語を勉強し、アルバイトをして紛争解決学の課程をもつイギリスの大学に留学する。
 その後、シエラレオネ、アフガニスタン、コートジボワール、ソマリアなど紛争地域を渡り歩き、体験を積んでいく。
 自らの上位目標に向けて突き進んでいく前向きな姿勢にはいたく感銘を受けた。紛争地の現実や、なかなか思う通りにいかないことへの葛藤も綴られている。それでも、ぶれずにスキルを高めていく姿に、読んでいてたいへん鼓舞された。
 危険が伴う任務についても書かれているが、著者の温かみと独特なユーモアが読み手の心を潤してくれる。
  キャリアを高めたい全ての人に読んでほしい、鮮烈な半生の書。

職業は武装解除 (朝日文庫) [ 瀬谷ルミ子 ]

プラグマティズム (まんが学術文庫)

 アメリカを支える思想のひとつ、プラグマティズムを、開拓時代の西部を舞台としたストーリーで描く漫画。主人公の行動や、周囲に語る言葉から、実践に基づく行動哲学を実に分かりやすく伝えている。
 ガンマンたちの乱舞する西部劇として、一級のエンターテイメントに仕上げた教養コミック。

プラグマティズム (まんが学術文庫)

ユダヤ人と経済生活 (まんが学術文庫)

 ゾンバルトの「ユダヤ人と経済生活」を基にした漫画。
 ユダヤの商人を主人公としたストーリーで、その思想が経済に与えた影響を描いている。経済と国家との関わりが、歴史的な背景をとおして分かりやすく語られる。

ユダヤ人と経済生活 (まんが学術文庫)

理科系の作文技術

 ロングセラーである「理科系の作文技術」(木下是雄著)を元にした漫画。IT系の企業に入社した女性が、上司に文章を鍛えられていくという設定でストーリーが進んでいく。
 「理科系の」とあるが、文章に関わる一般的なセオリーが書かれているため、文化系であっても十分役に立つ。
 各章ごとにポイントがまとめられ、たいへん分かりやすい。明快で簡潔な表現で、伝わりやすい文章を書くよき手引きになっている。
 スラスラ読めて、エッセンスが得られる有益なコミック。

まんがでわかる 理科系の作文技術 (単行本) [ 木下 是雄 ]

かがみの孤城

 学校に行けなくなった中学生こころは、自室にこもる毎日が続いていた。ある日、鏡が光り中に引き込まれると、そこには似た境遇をもつ七人の中学生たちがいた。
 辻村深月の「かがみの孤城」は、学校にうまく向き合えない子どもたちの心情を丁寧に描いた小説。ファンタジーの体裁をとっているが、その設定が惹き付ける力をもち、最後まで一気に読ませる。様々なことがらが最後に収束していく様は圧巻で、良質のミステリーに接した読後感があった。

かがみの孤城

幕が上がる

「答えはすべて稽古場にある」

 高校演劇部の生徒たちを描く平田オリザの小説「幕が上がる」を原作とする映画。ももいろクローバーZのメンバーが主だった役を演じる。
 演劇にかける女子高生の姿にどんどん引き込まれる。役を演じる彼女たちの前向きさが、ひしひしと伝わってくる。原作者の平田オリザも演技指導に関わっており、実際に彼女たちが成長するドキュメンタリーの趣きもある。
 高校時代は、迷いも悩みも、すべて将来の糧となっていく。そのことを衒わずに表現する脚本が素晴らしい。高校の豊かさと実りがリアルで知的に映像化されている。
 高校生のひたむきさが爽やかな感動を与えてくれる真っ直ぐな青春映画。

幕が上がる [ ももいろクローバーZ ]

幕が上がる (講談社文庫) [ 平田 オリザ ]

群衆心理 (まんが学術文庫)

 ル・ボンの「群集心理」に関する論考を、フランス革命時に恐怖政治を行ったマクシミリアン・ロベスピエールを主人公として表現したコミック。
 群集心理と同時にロベスピエールの半生が描かれ、フランス革命の歴史を概観することもできる。講談社まんが学術文庫の中でもことに中身が濃い出色の作品。歴史の重みを感じさせてくれる渾身の漫画。

群衆心理 (まんが学術文庫)

罪と罰 (まんが学術文庫)

 ドストエフスキー『罪と罰』を原作とする漫画。1865年、帝政ロシアの首都で暮らす学生、ラスコーリニコフは、自らの理論に基づき、老婆を襲い金品を奪うことを決意する。
 岩下博美氏は、原作を咀嚼し、物語のエッセンスを趣のある絵柄で描いている。登場人物の個性も良く表出され、人間関係や心理がスリリングな展開をもって迫ってくる。背景となるサンクトペテルブルクの描写も良く、当時の雰囲気を彷彿とさせる。
 原作の本質に肉薄した力作。

罪と罰 (まんが学術文庫)
岩下博美

幸福について (まんが学術文庫)

 ショーペンハウアーの「幸福について」を基にした漫画。しかし、アフォリズムに満ちた書を単に表現しただけでなく、ショーペンハウアーの生い立ちをもストーリーに盛り込み、極めて興味深く読める。気がついたら、書の中に引き込まれていた。
 単に書に内容を羅列するのではなく、登場人物のホンネをはさみながら描かれているので、説得力がある。背景の絵も素晴らしく、当時のドイツの雰囲気が伝わってくる。漫画というのはすごいメディアだとあらためて感じさせてくれる。
 哲学への扉をひらく、見事な構成の漫画。

幸福について (まんが学術文庫)

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