中村八大作品集

 「上を向いて歩こう」「遠くへ行きたい」「おさななじみ」「こんにちは赤ちゃん」「世界の国からこんにちは」「明日があるさ」など、昭和に名曲を生みだした中村八大作曲作品を集めた2枚組CD。
 歌詞に寄り添うように紡がれる音楽は、自然と胸に沁み、心に残る。その偉大な才能に、敬愛の念すら覚える。
 普遍的な輝きをもつ、心を潤すアルバム。

明日があるさ~中村八大作品集

はじめてのやのあきこ

 矢野顕子のセルフ・カヴァーアルバム「はじめてのやのあきこ」。
 槇原敬之と歌う「自転車でおいで」、小田和正との「中央線」など、トップアーティストとの豪華な共演でひと味違った楽曲になっている。
 井上陽水との「架空の星座」は書き下ろし曲。
 忌野清志郎との「ひとつだけ」は胸に沁みる。
 ジャズピアニスト上原ひろみとの「そこのアイロンに告ぐ」のピアノ・デュオは圧巻。
 世代を超えたアーティストが一堂に会する贅沢なアルバム。
 

はじめてのやのあきこ

石川ひとみ すずらん

 石川ひとみのアルバム「すずらん」。「まちぶせ」「くるみ割り人形」「プリンプリン物語」などのセルフ・カヴァーの他に、「なごり雪」「もしもピアノが弾けたなら」「『いちご白書』をもう一度」「贈る言葉」などが歌われる。
 伸びやかで透明感のある歌声はそのままに、たおやかさが加わり本当に素敵な声だ。ニャンちゅうでなくても甘えたくなってしまう。

THE REBORN SONGS~すずらん~

小倉寛太郎氏

 2005年の5月4日に、群馬県立自然史博物館の特別展「アフリカの風~小倉寛太郎サファリ3000日」を見に行く。小倉寛太郎氏は、山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」のモデルになった人である。氏がアフリカでハンティングをした剥製や、アフリカの動物や自然を写した雄大な写真が多く展示されていた。
 印象的だったのは、小倉氏の自宅に集う人々の写真で、中には渥美清や八千草薫なども写っていた。氏を通してアフリカの魅力にとりつかれた著名人は多いようだ。

1999年駒場祭講演会・小倉寛太郎「私の歩んできた道」
「小倉寛太郎さんお別れの会」についてのご報告 (吉川勇一氏)

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)

FOUJITA

 小栗康平監督が、洋画家の藤田嗣治を描いた映画「FOUJITA」。1920年代のエコール・ド・パリの仲間たちとの交流と、1940年代、日本に帰国してからの様子が、コラージュ風に表現されている。
 どのシーンも絵画のようであり、その美の世界に浸ることができる。視聴後は、充実した美術展を堪能したような感覚をおぼえた。
 美意識が横溢する静謐な映画。

FOUJITA

日日是好日

 映画「日日是好日」は、茶道を描いた作品。黒木華演じる女性が、樹木希林演じる先生にお茶を習うという、ただそれだけの映画。ただそれだけなのに、なぜかじっと見入ってしまう。樹木希林の佇まいがなせる技だろうか。本当にすごい人だ。
 日本文化のよさをしみじみと感じさせてくれる静かな映画。

日日是好日

初音ミクSings“手塚治虫と冨田勲の音楽を生演奏で”

「絵と音に憑かれた彼らの倦むことのない希求は、未知なる世界の開拓であった。」

 「リボンの騎士」「ジャングル大帝」「どろろ」など、手塚治虫のアニメーションのために作曲した冨田勲の音楽を、初音ミクや重音テトが歌うアルバム。
 精魂こめて作った絵と音の世界を、現在のテクノロジーと融合させて新たな世界を紡いでいる。
 テレビの草創期から手塚・冨田両名と密接に関わり、脚本を書いた辻真先が構成を手がけている。辻氏の書いたアルバムの解説にぐっとくる。
 辻氏、手塚治虫の長女るみ子さんのトークが、当時の熱気と作品にかけるこだわりが伝わり、実に興味深い。
 音楽を監修した佐藤允彦のピアノが素晴らしい。「どろろ」のジャズアレンジが心にしみた。
 作品にかける思い入れが詰まった、一期一会のコラボレーション・アルバム。

初音ミク Sings “手塚治虫と冨田勲の音楽を生演奏で" [ 佐藤允彦 meets 初音ミクと歌う仲間たち with 重音テト ]

羽田健太郎 THE BEST -10th memorial-

羽田健太郎が演奏したピアノ曲や、作曲した作品を収めた2枚組のCD。
 演奏家としての技量の高さもさることながら、TV「渡る世間は鬼ばかり」、「西部警察PART-Ⅱ」、映画「さよならジュピター」など、質の高い楽曲を残した作曲家としても功績がある。
 通して聴くと、その多彩さと懐の深さにあらためて感銘を受ける。

羽田健太郎 THE BEST -10th memorial- [ 羽田健太郎 ]

中村八大 作品集

 「上を向いて歩こう」「遠くへ行きたい」「おさななじみ」「こんにちは赤ちゃん」「世界の国からこんにちは」「明日があるさ」など、昭和に名曲を生みだした中村八大作曲作品を集めた2枚組CD。
 歌詞に寄り添うように紡がれる音楽は、自然と胸に沁み、心に残る。その偉大な才能に、敬愛の念すら覚える。
 普遍的な輝きをもつ、心を潤すアルバム。

昭和ヒットメーカーズ::中村八大 作品集 〜明日があるさ〜 [ (オムニバス) ]

宮川泰 テレビテーマ・ワールド

 「シャボン玉ホリデー」は、ザ・ピーナッツがオープニングを歌い夢のように番組に誘われる。「ゲバゲバ90分!」の楽しさと高揚感に溢れるテーマは、聴いただけで心が浮き立つ。最初の2曲だけで宮川音楽の世界に魅了される。
 「ひるのプレゼントテーマ」も、ああお昼休みだと自然とスイッチが切り替わる曲。
 「カリキュラシーン」は、教育番組の形をとったオトナの映像。ひらがなや算数をネタにしながら、切れ間なくぶっとんだコントが続く。出演者も豪華であるが、音楽がどれも素晴らしい。オープニングは、NHKの「チコちゃんに叱られる!」のテーマ曲にも採用された。
 「あいつのあたまは あいうえお」で始まる「行の唄」は、未だに耳から離れない名曲中の名曲。1番は宮川泰自身が歌っている。
 タイルと動物や物と関連づけるシーンが多かったが、「タイルを置こう」の音楽も印象に残る。
 
 アニメでは、「ワンサくん」のショー・ビジネスのような華やかでモダンさ。そして、不朽の名作「宇宙戦艦ヤマト」の音楽群。日本人であれば耳にしない人はいないのではないかという勇壮なオープニング、「真赤なスカーフ」の限りない哀愁。
 「たまりまセブン」など、ドタバタ番組のオープニングにも宮川の音楽はよくあった。
 「ズームイン朝」も、目覚めの一日のスタートへのきっかけを与えてくれる勢いがありつつ、繊細な音楽。

 宮川泰が作曲した一部をあげただけで、いかに日本人の生活に入り込んでいる音楽であるかが分かる。テレビの黄金期に膨大な曲を生みだし、人々に楽しさと希望を与えてくれた稀代の作曲家であった。
 テレビのワクワク感がつまった、時代を超えて心に寄り添うテーマ曲集。

宮川泰 テレビテーマ・ワールド [ 宮川泰 ]

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