なかにし礼と75人の名歌手たち
なかにし礼の作詞家・作家生活50周年を記念しての4枚組CD。作詞家自らが企画したCDで、自身の思い出のアルバムともなっている。
名曲が次々と流れ、聴いて飽きることがない。よい歌詞、曲に名歌手が命を吹き込み、聴き継がれる音楽になっていることがじっくりと伝わる。なかにし礼自らが歌う貴重な音源も収められている。
ヒット曲を満載した充実のアルバム。
なかにし礼の作詞家・作家生活50周年を記念しての4枚組CD。作詞家自らが企画したCDで、自身の思い出のアルバムともなっている。
名曲が次々と流れ、聴いて飽きることがない。よい歌詞、曲に名歌手が命を吹き込み、聴き継がれる音楽になっていることがじっくりと伝わる。なかにし礼自らが歌う貴重な音源も収められている。
ヒット曲を満載した充実のアルバム。
ケン・ラッセル監督の映画「マーラー」。作曲家マーラーの世界を、コラージュ風に描いている。
随所にマーラーの音楽が散りばめられ、その生涯と人物像が独自の映像で表現されている。交響曲第1番第3楽章の葬送行進曲など、忘れ得ぬシーンも多い。
マーラーの音楽のように様々な要素が交錯した映画。
アガサ・クリスティーが生んだ探偵エルキュール・ポアロ、ミス・マープルのみならず、トミーとタペンス、ノンシリーズなどクリスティー全ての作品を評した書。短編、戯曲にまで及ぶ。各作品には星の数でオススメ度を示している。
中学生の頃からクリスティー作品を愛読していた身にとっては、実に楽しい本であった。いろいろ読んできたつもりであったが、これほどたくさん未読の作品があったかと驚かされた。
ネタバレには注意して記してあるが、これから読む楽しみのために、未読作品にはなるべく目を通さないようにした。それでも、既読の作品へのコメントはたいへん興味深かった。
もっとも、個人評であるので、当然自分が読んだ感想と異なる部分もある。例えば「謎のビック・フォア」は、テンポ良いストーリーに惹かれた個人的には最良の読書体験のひとつなのであるが、本書の評価はとても低い。そのように、「これ違うかなあ」という読み方もまた楽しめるのである。
それにしても、クリスティーの膨大な作品を網羅した本書を読むと、いかにアガサ・クリスティーが偉大であったをあらためて感じさせてくれる。未読作品の道しるべとしてたいへんありがたい。
クリスティー作品の素晴らしさを伝える魅力に満ちた書。
「北の宿から」イルカ、「津軽海峡・冬景色」あがた森魚、「白いサンゴ礁」トワ・エ・モワ、「もしもピアノが弾けたなら」渡辺真知子など、阿久悠の曲をフォーク・シンガーがカヴァーしたCD。
各アーティストが独自のアレンジで曲を表現し、個性際立つ音楽になっている。阿久悠へのリスペクトが感じられ、一曲一曲が魅力を放つ味わい深いトリビュート・アルバム。
小沢昭一と立川談志の唯一のコラボレーション作品。
区議会議員選挙の応援演説、自宅での落語論など、素の立川談志の声が録音されている。
また、弟子に「野ざらし」の稽古をつける貴重な音源も収録。
最後の「居残り佐平次」は、圧巻の勢いをもった談志話芸の粋。
桂歌丸の落語は、淡々とした語りであるが聴いていくに従いどんどんその話に引き込まれていく。登場人物も声音を変えて語り分けている風はないのだが、自然と人物が浮かび上がり誰が話しているかがくっきりと伝わる。まさに話芸の粋である。
「塩原多助一代記-あお(青馬)の別れ-」「塩原多助一代記-多助の出世」など、上州にゆかりのある噺も貴重な口演であり、興味深く拝聴した。「左甚五郎-竹の水仙」などの名人芸も忘れがたい。
「小間物屋政談」のCDでは、本編はもとより、あれも演じたい、これも演じたいと意欲をみせる話ぶりに励まされる。
2018年7月2日、息を引き取られた。まさしく、求道の人生であった。ご冥福をお祈りいたします。
昭和11年の二・二六事件をモチーフとした高倉健、吉永小百合が主演の映画「動乱」。
タイトルに反し、比較的静的な映画である。高倉健、吉永小百合のオーラで全編が覆われ、見る者はその役者魂に心を奪われる。
監督は「日本沈没」「八甲田山」の森谷司郎、1980年公開作品。
「漫画の神様」手塚治虫の製作現場を、担当編集者やアシスタントの証言で綴るコミック「ブラック・ジャック創作秘話」。
そこに描かれる手塚治虫の仕事ぶりには心底圧倒される。その熱にあおられるように、吉本浩二の絵にも気迫がこもっている。アメリカから電話だけで現場に指示をして漫画を作っていく場面には驚嘆した。
漫画への熱い想いが込められたノンフィクション・コミック。
「オー!ファーザー」は、伊坂幸太郎の小説を原作とする映画。4人の父親をもつ高校生を主人公とするサスペンス・コメディ。
岡田将生を主役とし、忽那汐里、佐野史郎、柄本明などの俳優により彩られる。
藤井道人監督は、27歳の若さで脚本も手がけ、長編映画デビューを果たした。独特の色調やアングルも楽しめるポップな快作。
石原慎太郎の「天才」は、田中角栄を一人称で描いた著作。
日本全体を高速道路の整備、新幹線の配備で結び、情報通信ネットワークをはりめぐらせて地方を活性化させる「日本列島改造論」。その提唱者であり総理として強力に社会基盤整備を推し進めた政治家の生涯を、本人の独白という形で巧みに描写している。
文章での一人称の効果は抜群で、明瞭簡潔でリズムをもちつつ、さながら前進する蒸気機関車のような力強さを持っている。
日中国交正常化で中国要人と会見した際の含みと深みのある邂逅、多様な政治家との力関係、ロッキード疑惑など、興味深い内容が次々と語られていく。
金、女性、家族と自らの関わりがそれらの事象を綾なすかのように綴られ、人間「田中角栄」を陰影豊かに浮き上がらせていく。
天才
石原 慎太郎
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