黒井戸殺し
三谷幸喜が、アガサクリスティの「アクロイド殺し」を日本に舞台に移してドラマ化。
原作を読んだときは、メインのトリックの印象があまりに強いため、その他のことはほとんど忘れてしまっていたが、三谷作品では登場人物を個性豊かな面々に演じさせ、細かいエピソードまで楽しめる作りになっている。
登場人物をすべて集めて探偵が謎解きをするシーンはやはりワクワクする。ミステリーの醍醐味を与えてくれる巧緻なドラマ。
黒井戸殺し DVD
三谷幸喜 野村萬斎
三谷幸喜が、アガサクリスティの「アクロイド殺し」を日本に舞台に移してドラマ化。
原作を読んだときは、メインのトリックの印象があまりに強いため、その他のことはほとんど忘れてしまっていたが、三谷作品では登場人物を個性豊かな面々に演じさせ、細かいエピソードまで楽しめる作りになっている。
登場人物をすべて集めて探偵が謎解きをするシーンはやはりワクワクする。ミステリーの醍醐味を与えてくれる巧緻なドラマ。
黒井戸殺し DVD
三谷幸喜 野村萬斎
白坂道子が朗読する「竹取物語」のCD。古文の雅な音律で聞くと、この物語の魅力が一層浮き上がる。
ことに、5人の公達がかぐや姫に求婚し、それぞれ宝を手に入れようとするくだりは、各人の性格が浮き彫りになり、なおかつ落ちもありたいへん興味深い。
繊細な心理描写、変化に富んだ冒険譚、SF的スペクタクルと実に多様な要素を含む物語であり、当時これほどのエンターテイメントが生み出されたことに驚きを禁じ得ない。
長岡輝子が東北弁で朗読する宮沢賢治作品のCD。「永訣の朝」「注文の多い料理店」「どんぐりと山猫」「雨ニモマケズ」を収録。
「永訣の朝」は、素朴な語りであるだけに、かえって胸にしみる。「注文の多い料理店」はおかしみの中からぞぞっとする怖さが立ち上る。「どんぐりと山猫」は自然描写や登場人物の心理が絶妙の息遣いで伝わってくる。
宮沢賢治作品の魅力が凝縮された1枚。
「答えはすべて稽古場にある」
高校演劇部の生徒たちを描く平田オリザの小説「幕が上がる」を原作とする映画。ももいろクローバーZのメンバーが主だった役を演じる。
演劇にかける女子高生の姿にどんどん引き込まれる。役を演じる彼女たちの前向きさが、ひしひしと伝わってくる。原作者の平田オリザも演技指導に関わっており、実際に彼女たちが成長するドキュメンタリーの趣きもある。
高校時代は、迷いも悩みも、すべて将来の糧となっていく。そのことを衒わずに表現する脚本が素晴らしい。高校の豊かさと実りがリアルで知的に映像化されている。
高校生のひたむきさが爽やかな感動を与えてくれる真っ直ぐな青春映画。
なかにし礼が作詞した歌を、ゆかりある女優たちが歌う。女優にとって初めてのレコーディングとなった歌も多いが、どれも味わいがある。それぞれの女優が寸劇を演じているようでもある。
名曲が、女優たちのオーラに包まれて蘇るアルバム。
なかにし礼と12人の女優たち
V.A.
鬼平犯科帳の語り芝居シリーズ「土蜘蛛の金五郎」。火付盗賊改方長官・長谷川平蔵は、料理を格安で提供する定食屋の存在を耳にし、食い詰め牢人の姿に身を変えて探りに出かける。
野間脩平のナレーションが素晴らしい。定食屋の料理の場面も、たいへんおいしそうに聞こえる。江戸情緒が豊かに醸されるオーディオ・ブック。
NHK大河ドラマ「西郷どん」第12回は、「運の強き姫君」。篤姫は、紆余曲折の末に将軍家定に嫁ぐことが決まる。
西郷と篤姫との不自然な関わりがドラマの質をおとしている。遊郭のシーンがお気楽すぎ。一番まともな人物は井伊直弼と感じる。
藤田東湖は紀行で触れられたが、なぜ本編で出てこなかった?難しそうな思想、政治、社会情勢より、安直な恋愛を前面にという姿勢を貫きたいようだ。
「幕が上がる」は、高校演劇部の人間模様と、劇に挑む姿を描いた平田オリザの小説。登場人物の軽妙な会話と、劇に打ち込むリアルな姿により自然と物語の世界に引き込まれる。
ひたむきな部員たちの紡ぐ劇には感動を覚える。リズムと推進力のある爽やかな青春小説。
幕が上がる (講談社文庫)
平田 オリザ
アガサ・クリスティが生みだした名探偵ポワロ最後の事件となる「カーテン」。1943年、クリスティが脂ののっていた時期に執筆され、死後に出版する契約がなされていた。しかし、生前の1975年に出版される。
ポワロが最初に登場した、スタイルズ荘を舞台とし、複雑な人間関係の中で起きる連続殺人。クリスティらしいトリッキーな作品。
イギリスのドラマ「名探偵ポワロ」シリーズの最終話も、「カーテン」であった。デヴィッド・スーシェの鬼気迫る演技が素晴らしい。
カーテン―ポアロ最後の事件 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-69)
アガサ・クリスティー 中村 能三
名探偵ポワロ ニュー・シーズン DVD-BOX 5
TBSラジオで1991年4月から2015年9月まで土曜日の朝に放送された生放送番組「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」。その中から「旅」をテーマにした永六輔のトークを厳選した2枚組のCD。
旅先の出来事が軽妙に語られ、楽しく聴ける。永六輔とアナウンサーの何気ないやりとりなのだが、幅広い知識と経験に基づいた知的なトークには、思わず引き込まれる。
放送初回の所信表明ともいえる語りは圧巻である。その後のトラックはおおらかさと優しさに満ちており心地良い。大橋巨泉の懐の深さを感じる饒舌もいい。
人生の豊かさを感じさせてくれるCD。
土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界 特選ベスト~泣いて笑って旅物語篇~
ラジオ・サントラ 永六輔
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