みさと芝桜公園

Sibaz_01  みさと芝桜公園に行く。所在地は現在高崎市だが、平成18年1月23日に合併する前は、箕輪城を中心とした箕郷町であった。
 箕輪城は、在原業平の子孫、長野業尚によって築かれたとされる。長野氏は、武田信玄に滅ぼされ、箕輪城は武田氏の上野経営の拠点と位置づけられた。信玄の死と共に、北条氏、井伊直政と城の主は代わっていった。
 関東平野の北西端に位置し、広大な野を一望できる榛名山中腹のこの地は、城主に様々な思いを抱かせたことだろう。Sibaz_02

 芝桜公園に着いて、子どもたちは最初あまり乗り気ではなかったが、売店でたこ焼きを買って食べたら元気が出たようで、ピンク、赤、白と彩られた公園内を走りまわっていた。

みさと芝桜公園

偶数+偶数

 小3の息子がやっている算数ドリルで、「2+5=7」などの式があり、それぞれの数の下にある( )に偶数か奇数を書き入れる問題があった。「偶数+奇数=奇数」などを意識させる問いだ。偶数、奇数は、余りに着目して整数を分類する、「剰余類」という大事な概念にふれる内容だ。
 息子は、この問題をやった後、
「五千の偶数と五千の偶数を足すと何になる?」
ときいてくる。
「…それはやっぱり、偶数になるんじゃない。」
と答えると、息子が言うには、
「…万偶数(マングース)…」
「ムキャー!!(のだめ調)」

柳田邦男氏 講演会

「いのちと響き合う絵本」

 上記の演題で、柳田邦男氏の講演会が11月18日に群馬県総合教育センターで催された。主催は群馬県読み聞かせグループ連絡協議会。約300名の聴衆が会場のホールを埋め尽くした。

 「マッハの恐怖」などで航空機事故に挑み、「ガン回廊の朝」「「死の医学」への序章」などで、癌や末期医療を取り上げた柳田邦男氏である。鋭く問題提起をする著述から、講演の内容はかなり硬派な話であろうと想像していた。しかし、その予想は喜ばしい形で裏切られた。

 「絵本「もこもこもこ」を広げ、『もこ、もこもこ』とおじいちゃんがいっていると、孫が『おじいちゃん、何それ』と寄ってきたりして、いいですよね。」
と柔和な表情で語りかける。
 「書斎の三分の一が絵本で埋まっています。」という氏は、このところ日本人の心の問題を多く扱い、絵本について精力的に取り組んでいる。
 今回の講演は、スライドを用いて絵本の紹介をしながら、その背後にあるものや、育てるべきものを静かに語りかける内容であった。

4033283005  美しい自然と、少女の情感を詩的に歌い上げた「月夜のみみずく」は、工藤直子氏の日本語訳も素晴らしい。
 柳田氏は、朗読をしながらこの本のよさをじっくりと語った。
456968470X  「そらとぶアヒル」などの作者、内田麟太郎氏が絵本「おかあさんになるってどんなこと」に込めた思いが語られた。実母との死別、虐待の経験など、いたく感動的な話であった。
4566002640  幼い弟が病気で死にむかおうとしたとき、それをまだ幼い兄や姉に伝えなければならない場面で、医師は絵本「わすれられないおくりもの」を取り出し、静かに朗読した。
4097261517  柳田邦男氏が翻訳した、「ぼくはだれもいない世界の果てで」は、ひとりでいること、考えることの大切さを自然への愛おしさを込めて表わしている。
4834001121  モンゴルの民話「スーホの白い馬」を元にした劇を、障害者の学級の子どもたちがぜひやりたいと言い、影絵の芝居とした。主役を演じたやっちゃんは、たどたどしい台詞で熱演し、いままでいじめていた健常者の生徒の涙をさそい、「ごめんね」という言葉とともに交流が始まった。
 やっちゃんは、その後、火事によって死んでしまう。担任をした先生は、モンゴルに行きたいというやっちゃんの思いに答えるため、遺灰を持ってモンゴルに渡る。話を聞いた現地の人々は、馬頭琴を実際に奏してくれる。これをきっかけに、やっちゃんのいた福山で、障害児たちのためにモンゴルの人々による馬頭琴のコンサートが行われた。
4062124858  柳田邦男氏が、最後の一文に頭を貫かれ、翻訳して日本に送り出した「エリカ 奇跡のいのち」
 第二次大戦中、ナチスによってダッハウの強制収容所に送られる貨物列車の中で、母は抱いている赤ん坊を小窓から外に投げ出した。奇跡的に生き延びた少女とその思い。

 このように、柳田氏は、絵本に込められた数々の思いやそれにまつわるエピソードを語っていった。その他に、次のような本が紹介された。並べると、あらためてメッセージ性の豊かさを感じる。

きりのなかのはりねずみ
ユーリー ノルシュテイン
4834017052
だくちる だくちる―はじめてのうた
阪田 寛夫 V.ベレストフ
4834012204
あの森へ
クレア・A. ニヴォラ 柳田 邦男  
4566007901
ごんぎつね
新美 南吉 黒井 健
4039632702
だいじょうぶだよ、ゾウさん
ローレンス ブルギニョン
4894234386
でも すきだよ おばあちゃん
S. ローソン C. マガール 柳田 邦男 
4062830035

 「高度経済成長期のツケがまわってきたのか、躾などあたりまえのことが受け容れられない時代になっています。子育ては分析的にはいかないし、教育の問題はすぐに解決するものではないでしょう。ひとつ言えるのは、大人が心を耕さなければならないということです。」

 柳田氏の一言一言は、日本におけるノン・フィクションの分野を確立し、ジャーナリズムの精神を貫いた体験に裏打ちされ、実に説得力があった。
 「失望はしても、絶望はしない」
 氏は絵本を通し、柔和な表情の奥にある鋭い眼差しでメッセージを送り続けている。

Yanagida  講演の後に、ステージ上でサイン会が行われた。ホールの最後尾に達する長い列ができたにもかかわらず、氏はサインを求めるひとり一人の名前とメッセージを見事な筆跡で丁寧に記していた。その愚直なまでの真摯な姿に頭が下がった。

人形劇団ポポロ

Poporo  人形劇団ポポロの公演を見る。マリンバとトロンボーンの生演奏と「三びきのやぎとガラガラドン」の人形劇が中心。こどもたちを惹きつける、楽しい公演だった。

人形劇団ポポロ

アクセスランキング

Ajax Amazon

  • Amazon.co.jpアソシエイト
  • UserLocal
  • Ajax Amazon
    with Ajax Amazon