アンナ・カレーニナ〈下〉
トルストイの「アンナ・カレーニナ」下巻は、社会、芸術、宗教などいくつもの思想を登場人物のやりとりの中で敷衍しつつ、人々の運命をからませていく。
誠実な愛情が激しいゆえに破局に向かっていく。アンナの道すがらの描写は迫力に満ち、読むものを惹き付けて止まない。
幸福と不幸、愛情と憎悪、実直と欺瞞、理想と現実、幾多の対比を透徹したリアリズムの内に描く。その充実した読後感は、他の書物では得られない芳醇な味わいがある。人の営みが凝縮された不朽の名作。
トルストイの「アンナ・カレーニナ」下巻は、社会、芸術、宗教などいくつもの思想を登場人物のやりとりの中で敷衍しつつ、人々の運命をからませていく。
誠実な愛情が激しいゆえに破局に向かっていく。アンナの道すがらの描写は迫力に満ち、読むものを惹き付けて止まない。
幸福と不幸、愛情と憎悪、実直と欺瞞、理想と現実、幾多の対比を透徹したリアリズムの内に描く。その充実した読後感は、他の書物では得られない芳醇な味わいがある。人の営みが凝縮された不朽の名作。
2組の男女の恋愛を軸としながら、多彩な人間模様で展開される、「アンナ・カレーニナ」中巻。
幾多の人物の中には、感情移入できる人もいれば、嫌悪をいだく者もいる。その多様さが、この物語の魅力といえる。
華やかなかに欺瞞と冷徹がうずまく社交界と、農村の素朴な描写を織り交ぜながら、滔々たる大河のように物語りは進んでいく。豊穣な読書体験を与えてくれる文学作品。
「幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである。」
トルストイの代表作「アンナ・カレーニナ」。この長大な作品は、冒頭である家族の不倫の話で興味を惹き付けつつ、悠然とした歩みを見せる。主人公であるアンナは、100ページ読んでも現れない。しかし、この序盤の描写は、すべて後の布石となるのであった。
構成感豊かな、トルストイ渾身の文学。
世界の民族音楽を主題としたパフォーマンス集団「芸能山城組」。このCDには、その広大な世界の一端が凝縮されている。
「恐山~序曲」から始まり、ヨーロッパの民族音楽、アジア・アフリカの文化を探り当てた様々な楽曲、日本の瑞々しい歌謡などが収められている。その学究的なアプローチに裏打ちされた音楽からは、人々の営みの深さが実感される。
変幻自在な表現が展開される、極めて多彩で濃密なアルバム。
芸能山城組入門
芸能山城組
オールスターキャストで描くパニック映画「新幹線大爆破」。新幹線に爆弾を仕掛け、乗客の身代金を要求する犯人と当局とのスリリングな駆け引きを描く。
時速80km以下になると爆発する設定は、「スピード」「エアポート2001」など他の映画で模倣されている。
脚本がよく練られており、次々と予期せぬ事態が勃発し、最後まで惹き付ける。犯人側の事情も日本映画ならではの哀感がある。
高倉健、千葉真一、宇津井健を始め、錚々たる俳優が名を連ねる。北大路欣也、田中邦衛がチョイ役で出るという贅沢ぶり。
日本が世界に誇るパニック映画の超大作。
ホワイトハウスで7代の大統領に仕えた執事を描く映画。リー・ダニエルズ監督、2013年公開作品。
アメリカの公民権運動などの歴史を背景として、執事の生涯がしっとりとしたタッチで綴られる。
「森永ヒ素ミルク中毒事件」「豊田商事事件」「住専処理」など、中坊公平が自ら関わった14の事件を辿った書。
森永のミルクに製造過程でヒ素が混入し、多くの乳幼児が障害をかかえることになる事件の章には、とりわけ熱い思いが語られている。特に、裁判での冒頭陳述には深い感銘を受けた。
数多くの社会事象へ真摯に取り組む姿勢に頭が下がる。
「歎異抄」を金内吉男が朗読したCDを聴く。響きのある深い声により、リズムのある文章が心地良く伝わる。優れた音楽のようである。
名文は、音声を聴くことにより一層その魅力が現れることを如実に示すCD。
親鸞の死後に現れた異説を歎きつつ、親鸞の正意を伝えようとし、その弟子が残した「歎異抄」。
鎌倉時代に作られたこの作品は、仏教文学の名著として幾多の人に読み継がれてきた。
何度も読みつつ、理解を深めいきたいと感じさせる文章。
歎異抄 (岩波文庫)
金子 大栄
パレスチナ問題、民族紛争、朝鮮問題など、第二次世界大戦後の歴史を分かりやすく解説した現代史の入門書。
実際の事件をたどりながら、今に至る問題を俯瞰する。中身が濃く、高校生にもおすすめの書。
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