黒部の太陽
「黒部の太陽」は、黒部ダム建設に関わった男たちの苦闘を描いた石原裕次郎、三船敏郎主演の映画。熊井啓監督による、1968年公開作品。
骨太のタッチで、難工事に挑む男たちが活写される。黛敏郎による力強い音楽も、当時の勢いを感じさせる。
「黒部の太陽」は、黒部ダム建設に関わった男たちの苦闘を描いた石原裕次郎、三船敏郎主演の映画。熊井啓監督による、1968年公開作品。
骨太のタッチで、難工事に挑む男たちが活写される。黛敏郎による力強い音楽も、当時の勢いを感じさせる。
敗戦後、全ての資産を失いながらも、石油の商いを復活させ会社の再生を果たす国岡鐵造。しかし、世界の石油は「メジャー」と呼ばれる巨大企業が牛耳っており、戦いは避けられなかった。
国や国際社会を相手に、自らの信念と矜持をもって対峙する男の姿が感動を与える。特に、石油タンカー「日章丸」の実話に基づく物語には、胸を熱くさせられた。
幾多の困難を乗り越えた真のリーダーたちの姿を描き、圧倒的存在感を放つ経済小説。
「ただちに建設にかかれ」
太平洋戦争の敗戦直後、焼け野原のなった東京に辛うじて残った本社屋で、国岡商店の店主は、仕事が全くないにもかかわらず、一人の社員もクビにすることなく、あらゆる手段を尽くして活路を見出す。それは、日本の石油産業を発展させた男の、還暦になってからの第一歩であった。
「海賊とよばれた男」は、出光興産の出光佐三をモデルにした百田尚樹の歴史経済小説。20世紀の産業を発展させると同時に、紛争の火種ともなった巨大エネルギー「石油」を扱う男のドラマである。
油の小売りから身をおこし、国や世界を相手に堂々とわたりあう人々を描いた、入魂の作品。
松本清張と司馬遼太郎の担当編集者を務めた半藤一利による、「清張さんと司馬さん」。
身近に観察した両巨匠のひととなりが実に面白い。また、両者の作品群から、日本史を見つめる視点を語る箇所はたいへん興味深く読めた。特に、「坂の上の雲」「日本の黒い霧」など代表作を取り上げ、実際の対話を交えながら掘り下げていく部分は、編集担当として長く関わったからこそ語れる内容であろう。
飛行機と映画に情熱を傾ける実業家、ハワード・ヒューズの生き様を描く映画「アビエイター」。チャレンジングでかつ神経質な人物を、レオナルド・ディカプリオが演じる。ヒューズと恋に落ちる女優キャサリン・ヘップバーンをケイト・ブランシェットが鮮やかに表現する。
映画にかけるヒューズの情熱にあおられるかのように、この映画も惜しみなく労力が払われている。
アカデミー賞5部門受賞に輝く大作。
臨済宗の僧侶、玄侑宗久が2007年慶應丸の内キャンパス定例講演会で語った記録。最初は、科学的な話かと思たっが、哲学の深みに徐々に導びかれていった。
明晰な口調で論理的に語られる話は、中国哲学をベースにして極めて説得力がある。たいへん面白いと思ったのだが、客席からは笑い声も出ずひたすら深閑とした中に、講師の淡々とした声が響く。聴衆はみな涅槃の境地に入ってしまったのだろうか。
不思議な魅力をもった講演で、繰り返し2回も聴いてしまった。
高倉健主演の映画「海峡」は、青函トンネルの工事に執念を燃やす男たちのドラマ。
調査坑を掘るトンネル屋の親分を森繁久彌が演じ、高倉健と並んだ映像は素晴らしく絵になる。永い期間ひたすら男たちを見守る吉永小百合が、荒々しい龍飛の地に清楚な花を添える。
1982年にされた公開東宝創立50周年記念作品。
松本清張原作の「氷雨」を、1959年、昭和34年にNHKがドラマ化した作品。
淡島千景、西村晃、小沢昭一、久米明、山岡久乃、佐分利信といった錚々たる俳優が出演している。どの役者の演技も個性的で存在感にあふれる。
特に、淡路千景の抑制の効いた演技は素晴らしい。この押さえることによって生み出される緊迫感と美しさは、今のドラマではほとんど見ることができない。
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第23回は、「半兵衛の遺言」。
長らく幽閉されていた官兵衛が息子や妻と再開するのだが、盛り上げようとする演出があまりにストレートで、感情移入ができなかった。後遺症に悩むが、半兵衛の形見で復活する官兵衛という展開も、どこか陰影に乏しく、深みが感じられない。分かりやすさを優先させた脚本というのも善し悪しである。
横山秀夫のサスペンスドラマ「他人の家」を見る。過去を背負った若夫婦の運命を描く。小野武彦、伊東四朗などベテラン俳優の演技に支えられ、比較的静かな作品だが趣があった。
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