おもひでぽろぽろ
高畑勲監督のアニメーション映画「おもひでぽろぽろ」。27歳の女性が山形で体験する出来事と、小学校5年生時代の思い出が交互に描かれる。背景描写などに徹底したリアリズムが貫かれる。特に、雨上がりの空気感などは見事に伝わってくる。
女性の思いを繊細な描画のうちに表現した温かみのある映画。
高畑勲監督のアニメーション映画「おもひでぽろぽろ」。27歳の女性が山形で体験する出来事と、小学校5年生時代の思い出が交互に描かれる。背景描写などに徹底したリアリズムが貫かれる。特に、雨上がりの空気感などは見事に伝わってくる。
女性の思いを繊細な描画のうちに表現した温かみのある映画。
角野栄子の児童文学を原作とするスタジオジブリ制作のアニメーション映画「魔女の宅急便」。1989年、平成元年の宮崎駿監督作品。 独り立ちのために故郷から都会へほうきに乗ってやってきた少女の物語。思春期の心のゆれを、魔女による宅配という仕事のうちに描いている。
街の描写の素晴らしさが格別。繰り返し鑑賞に堪えるのは、この美術的なよさに寄るところが大きい。
特に感銘をうけたのは、人物の描写。キキが届け物をした屋敷で出会うおばあさんの顔がアップになった瞬間にその人の人生が感じられて、これほどのキャラクターをつくるとは、真のアニメだとその時思った。
家族で楽しめるジブリアニメの良作。
野坂昭如の小説「火垂るの墓」を、高畑勲監督がアニメ化。
実に丁寧に戦時下の日本を描いている。それゆえに、兄妹の悲惨さが際立つ。
劇場で「となりのトトロ」の後、この作品をみたときのショックは大きかった。
深い抒情と悲哀をたたえたアニメーション。
田舎に引っ越してきたサツキ・メイの姉妹と不思議な生き物との交流を描く「となりのトトロ」。
最初に劇場で観たとき、そうそう、こういう映画を待っていたんだよと快哉を叫びたくなる作品だった。日本を舞台にこれほどファンタジックな世界が展開された例があるだろうか。サツキとメイがトトロの胸にぶら下がって飛ぶシーンは、何度見ても泣いてしまう。
田舎の情景があまりに素晴らしいため、時折見返したくなる。久石譲の音楽もそよ風のように心地良い。温かみに満ちたジブリの名編。
宮崎駿監督の映画「天空の城ラピュタ」。スタジオジブリ制作映画第1作。
ストーリーの見事さ、徹底して描き込まれた背景、壮大な世界観、音楽のすばらしさ、すべてが最上のアニメ。見るたびにすごいと感じさせられる。メッセージもダイレクトに胸に響く。
ことに、雲がはれてラピュタ本体が明らかになっていくシークエンスは圧巻。
全編飛翔感に満ちた、冒険活劇アニメの傑作中の傑作。
コナン・ドイルのシャーロック・ホームズをモチーフにし、キャラクターを犬にして描いた宮崎駿監督のアニメ。「青い紅玉」「海底の財宝」の2作品が映画「風の谷のナウシカ」と1984年に同時上演された。
当時のロンドンの街並などの描写が素晴しい。美術監督山本二三がこだわりを見せ、煉瓦の一つひとつやホームズの部屋の内装などが丁寧に描かれている。
宮崎駿らしい密度が濃く楽しい冒険活劇。
宮崎駿が1982年にアニメージュ誌に連載した漫画を元に、1984年公開された映画「風の谷のナウシカ」。産業文明が崩壊した後の荒れた大地には、独特の生態系が発達していた。農耕生活を送っていたナウシカの住む風の谷に、輸送機が墜落する。それは千年前に世界を焼き尽くした兵器と関わりをもっていた。
丁寧に作り込まれた世界観を背景に、活劇が繰り広げられる。細かい蟲の表現が凄い。人と自然との関係を、変容した生態系のうちに語りかけている。
気鋭のアニメーターが結集した、宮崎アニメの記念碑的作品。
「ルパン三世」のTV第2シリーズ最終回は、「さらば愛しきルパンよ」。舞台となる東京の描写が素晴しい。ロボット兵が突然舞い降りる街と群衆の動き、中野を通る中央線、首都高速、戦車との砲撃戦になる新宿、夜間飛行での東京のイルミネーション、どれも一枚一枚鑑賞に値する絵だ。
島本須美が声を演じる薄幸のヒロイン小山田真希や、ロボット兵ラムダは、後の宮崎監督作品「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」を思わせる設定。
背景と動きの見事さにより、何度見ても味わいのある作品。
「死の翼アルバトロス」は、ルパン三世TV第2シリーズ第145話。宮崎駿が脚本・演出を手がけた作品。
「未来少年コナン」同様、とてつもない密度で展開される。コナンでのギガントのように、巨大な飛行艇アルバトロスが離陸し、ルパンたちは複座機でこれに追いすがる。これを描きたいために担当したのではないかと思われる力の入りようである。
宮崎ワールド全開の、全編フルスロットル活劇。
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