未来少年コナン 15
「未来少年コナン」第15話は「荒地」。ジムシィが捕らえたブタの件を解決するために山向こうに向かったコナンとジムシィ。そこで、島のもうひとつの現実を目の当たりにする…。
高速道路の端にあるバスを根城とする子どもたちの集団。生きるすべを模索する人々の諸相を、美しい情景描写の中に自然と描いていく熟達の手法に感服する。
「未来少年コナン」第15話は「荒地」。ジムシィが捕らえたブタの件を解決するために山向こうに向かったコナンとジムシィ。そこで、島のもうひとつの現実を目の当たりにする…。
高速道路の端にあるバスを根城とする子どもたちの集団。生きるすべを模索する人々の諸相を、美しい情景描写の中に自然と描いていく熟達の手法に感服する。
「未来少年コナン」第14話は「島の一日」。ハイハーバーでコナンとジムシィは村の人々が働く姿を目にする。自分たちの出来ることを考え、コナンは漁に、ジムシィは狩にいそしむが…。
自給自足をする牧歌的なハイハーバーの描写が素晴らしい。「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」などに連なる人々の営みがある。コナンのワイシャツ姿は、野性味がうすれ小学生のようでかわいい。理想の村を描きながら、いろいろと新鮮さを味わえる回。
「未来少年コナン」第13話は「ハイハーバー」。
コナンたちはついにラナの故郷ハイハーバーに到着する。インダストリアの暗い場面から一転、明るい世界に誘われる。絵コンテを高畑勲が手がけ、品格のある美しい場面が広がる。
ただただ、背景の明朗さと登場人物の波乱を乗り越えた安堵感が心地良い。牧歌的な喜悦感に満ちた真に美術的に優れた回。
「未来少年コナン」第12話は「コアブロック」。ラオ博士とラナはインダストリアの最下層コアブロックに向かう。
冒頭の太陽塔から下方へのカメラワークの演出から引き込まれる。毎週このクオリティを保つことがどれだけ大変なことであろうか。活劇もさることながら、世界観を自然と表出する力量に感服せざるをえない。
おじいに似た人物が出てきた、ただそれだけに涙を禁じ得ない。見る者をじっくりと感情移入させるその巧まざる巧みにただただ頭を垂れる作品である。
「未来少年コナン」第11話は「脱出」。フライングマシーンの故障を直すため、再びインダストリアに向かうコナンたち。途中、日干しにされようとするダイスに出会う。飛行艇が再び襲ってくるが…。
インダストリアが舞台となり、再び活劇の色合いが濃くなる回。
「未来少年コナン」第10話は「ラオ博士」。大きな地震が起こり、サルベージ船も波にのまれる。海中で作業中のパッチも危機的状況になり、コナンが救出に向かう。
海中に沈む船内のシーンがよく描かれ、感心する。パイプから空気が漏れ、船室の一角に空気がたまりコナンが一息つくシーンなど、細かい演出はさすが。
パニック映画の趣きをもつ回。
「未来少年コナン」第9話は「サルベージ船」。コナンとラナは砂漠で力尽きて倒れる。船のサルベージを取り仕切るパッチは、二人を施設に収容し、酷使をさせる。
新たな場面、新たな登場人物により、物語は単調さを失わず、新たな魅力を放っていく。サルベージ船の造形も存在感がある。
エンディングのクレジットに、演出として宮崎駿の他に高畑勲がクレジットされている。前回までの超高密度の活劇から、一転文学的な落ち着きをもった回になっているのも高畑勲がお手伝いをしてるからだろうか。
「未来少年コナン」第8話は「逃亡」。バラクーダ号はインダストリアからの追跡を逃れようとする。一方、コナンは今にも海に沈もうとしていた…。
ラナの気丈さが際立つ回。海中でのシーンが特に素晴らしい。
宮崎駿が後に手がける様々な映画のエッセンスが凝縮された、実に見事な回。冒険活劇の名編。
「未来少年コナン」第7話は「追跡」。ダイスはバラクーダ号で逃亡を図る。コナンも飛行艇に首尾良く潜り込むが…。
海の藻屑になりかけるコナン。ラナの争奪をめぐり、ビビッドに活劇が繰り広げられる。夜のシーンが多く光と影を巧みに利用した回。
「未来少年コナン」第6話は「ダイスの反乱」。ラナを助け出したコナンは、インダストリアからの脱出を図る。三角塔の中で二人が目にしたのは、巨大な蛾のような飛行艇であった。
コナンの超人的な活躍がめざましい。演出を嬉々としておこなっている様が伝わってくる。
爆撃機「ギガント」が存在感を示す。その巨大な車輪の下で交わされる二人の会話はインダストリアの本質に関わるものであった。
演出が冴え渡る驚異的な密度をもつ回。
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