「未来少年コナン」第２５話は「インダストリアの最期」。コナン・ジムシィ・ダイスは、レプカの野望を阻止すべく巨大飛行艇ギガントの墜落に挑む。一方、ラナやモンスリーが戻ったインダストリアでは、異変が起こり始めていた。
前半のギガントでの活劇が凄い。軍用飛行艇の仕組みを駆使した見事なエンターテイメント。
後半、一転してパニック映画のような群像シーンになる。その中でも、ラオ博士と老科学者たちの別れのシーンは胸を打つ。
なんという１話の密度の濃さ。わずか２５分ほどの中にこれだけのドラマを生み出す熱意と技量にただただ感服する。
「未来少年コナン」第２４話は「ギガント」。巨大な飛行艇ギガントが、復活した太陽エネルギーを用いて始動する。コナンやモンスリーは、レプカの野望を阻止すべく小型飛行艇ファルコンでギガントに不時着するが…。
飛行艇を描かせたら右に出る者はいない宮崎駿の真骨頂。巨大なギガントを悠々と飛ばせるシーンにはこの上ない高揚感がある。細部までこだわりぬき、ギガントのテイクオフを描く。このシーンのために宮崎駿はこの作品を引き受けたのではと思うほど、力が入っている。コナンが翼の上を疾駆する姿は印象に残る名シーン。
日本アニメ史上最大の飛空挺を舞台とした最高の活劇。
「未来少年コナン」第２３話は「太陽塔」。地下からの人々は、コア・ブロックから脱出をはかり太陽塔に迫る。レプカはラナを連れてフライング・マシーンで逃げようとする。コナンはそれを追うが…。
コナンが太陽塔の鏡面に達したシーンは忘れがたい。その後のシークェンスも、「荒鷲の要塞」以上の興奮を感じさせてくれる。
そして、太陽塔がいよいよ復活する。第５回から象徴的に屹立する塔が息づく様に感銘を受ける。まさしく、サイエンス・フィクションの醍醐味が凝縮された回。
「未来少年コナン」第２２話は「救出」。レプカは地下に水を流し込み、住民を追い込みラナを得ようとする。一方、コナンはラオ博士の苦境を知り、地下へと向かう。
まさに、ノンストップ冒険アニメの見本。縦横無尽にコナンの跳躍力とインダストリアの状況を駆使して活劇が繰り広げられる。
「未来少年コナン」第２１話は「地下の住民たち」。インダストリアに到着したコナンたちだが、コナンとモンスリーは市街に不時着し、ラナ、ジムシィ、ダイスは地下に追い詰められる。
「機動戦士ガンダム」「伝説巨人イデオン」の、とみの喜幸が絵コンテを手がけている。今回も冒険活劇がテンポ良く展開される。
独裁へと突き進むレプカとコナンによって心変わりをするモンスリーの対峙が印象に残る。
「未来少年コナン」第２０話は「再びインダストリアへ」。ハイハーバーに再び平和が戻ろうとしていた。しかし、コナンは津波がインダストリアに与えた影響とラオ博士の消息を案じる。
空想科学の王道を行くラオ博士の飛行艇と、冒険小説の王道をゆく展開。宮崎駿の手腕が遺憾なく発揮された飛翔感に溢れた回。
「未来少年コナン」第１９話は「大津波」。軍船を失っても、モンスリーは的確に指示を出し村の制圧を続ける。
モンスリーは一仕事終え、庭に出てまどろむ。うとうとし、夢の中で自身にふりかかった悲惨な過去が回想される。ふと目をさますと、眼前にコナンが立っている。思わず口にする。「ラナを助けてくれた？」うなずくコナン。一瞬、モンスリーは優しい表情を浮かべるが、すぐにコナンに銃を向ける。
モンスリーが、自らと同様、苦難を乗り越えてきたコナンに共感をみせる瞬間である。一瞬の表情でそれを表現する、日本のアニメーションの素晴らしさを象徴する名場面であった。
人間描写の巧みさと大スペクタクルが凝縮された、本作屈指の名編。まさしく神回。
「未来少年コナン」第１８話は「ガンボート」。モンスリーはハイハーバーを制圧し、村人たちに指示をする。一方、コナンはインダストリアの軍船に乗り込むが…。
コナンがラナを救出するシーンは、何度見ても感動する。究極の信頼を描くアニメ。
「未来少年コナン」第１７話は「戦闘」。ハイハーバーの人々はインダストリアからの軍と戦う決意をするが…。
容赦ない砲撃が美しい村に襲う。村を制圧する様が多角的に描かれる密度の濃い脚本に感服する。
「未来少年コナン」第１６話は「二人の小屋」。コナンとジムシィは小屋をつくり住み始める。一方、ダイスはオーロたちと手を組み、バラクーダ号の引き上げを画策する。
ラナの夢と現実を重ね、徐々に迫り来る脅威を表現する手法が見事。平和なハイハーバーに訪れる危機を描く、転換点となる回。
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