リヒテル ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番ハ短調、この甘美な旋律に彩られた名曲を、自由闊達に弾くリヒテルの演奏には心底魅了される。1959年の演奏だが、古めかしさはいささかもなく、美しい響きに満ちあふれている。第2楽章などは、鳥肌が立つほど繊細で心ふるわせる叙情がある。
チャイコフスキー&ラフマニノフ:ピアノ協奏曲、他
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
リヒテル(スヴャトスラフ) カラヤン(ヘルベルト・フォン)
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番ハ短調、この甘美な旋律に彩られた名曲を、自由闊達に弾くリヒテルの演奏には心底魅了される。1959年の演奏だが、古めかしさはいささかもなく、美しい響きに満ちあふれている。第2楽章などは、鳥肌が立つほど繊細で心ふるわせる叙情がある。
チャイコフスキー&ラフマニノフ:ピアノ協奏曲、他
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
リヒテル(スヴャトスラフ) カラヤン(ヘルベルト・フォン)
岩手県出身の友人と話していて、懐かしい映画が話題になった。
『子どもの時に映画館で見た、「ポセイドン・アドベンチャー」は、今でも鮮明に印象に残っているね。実家の前が海だったから、巨大な津波が船を襲うシーンは人ごとではなく、ホント身震いがきたよ。』
大津波で真っ逆さまになった船内から脱出する人々を描く1972年の映画「ポセイドン・アドベンチャー」は、その濃密な人間ドラマゆえに、名作の地位を不動のものとしている。パニック映画は、極限状況で人々が見せる赤裸々な姿や彼らがとる行動を描くことに意味がある。それをはき違えて、単なるアクションに終始する作品のいかに多いことか。
余韻の残るこの映画の緊迫感は、一級の人間描写に支えられている。
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ロナルド・ニーム ジーン・ハックマン アーネスト・ボーグナイン
青函連絡船の転覆事故を背景にした強盗殺人犯とそれを追う刑事の姿を通し、戦後日本を描いた内田吐夢監督による映画「飢餓海峡」。16ミリフィルムで撮影され、独特の映像表現は見るものの心理に訴える。
三國連太郎、伴淳三郎、左幸子の味わい深い演技は、重厚なストーリーと共に印象に残る。人間の業を描いた名作。
最も感動した映画、何度思い出しても感動する映画を挙げるとすれば、ためらうことなく原恵一監督の「映画クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」を挙げる。この作品は別格である。
1970年の大阪万博のシーンから始まり、昭和のノスタルジーを漂わせながら、今を生きることをじっくりと考えさせてくれる。お笑いの要素を散りばめつつ、心底感動させる脚本は、奇跡的。こどもの日に家族で見て、その感をいっそう強くした。
全ての世代が楽しめ、見る人の心を暖め、家族や自分の人生を大切にしようと自然に思わせてくれる。日本映画の傑作中の傑作。
太平洋戦争前後の広島・呉を舞台とし、市井の人々の姿を描く「この世界の片隅に」。こうの史代による漫画を原作とし、片渕須直がアニメーション映画化した。
主人公すずは、広島から呉に嫁ぎ、戦時下の困窮する暮らしの中でも工夫を凝らし生活に潤いをうみだす。
一貫して日常的な視点で人々が描かれ、ほのぼのとした絵柄で温かみを感じる。それゆえに戦争の悲惨さが際立つ。
諄々と心に染みる至高のアニメーション。
ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を漫画化した作品。1860年代、農奴解放令が出されて間もないロシアを舞台に、地主フョードルの家族をめぐる物語。純真な心根をもち、神に仕える三男アリョーシャ、冷徹なインテリの次男イワン、奔放で一本気な元軍人の長男ミーチャの三兄弟を軸に、様々な人物がからむ群像劇。その言動の内に、人々の生きる意味や神の存在が問いかけられる。
長大な原作は、大学のときに読みかなりの期間、おそらく2ヶ月以上がかかった。しかし、漫画ではほんのわずかな時間で読めてしまう。しかし、読後感はそれほど変わらないように感じた。エッセンスがうまく詰め込まれているからであろう。
新進気鋭の漫画家、岩下博美が、原作をじっくりと読み込み、物語を焦点化し、見事な画力で絵にしている。怒濤の展開が当時の空気感を伴って劇画化され、極めて密度の濃い作品となっている。
カラマーゾフの世界を圧巻の迫力で活写する力作。
ドストエフスキー『罪と罰』を原作とする漫画。1865年、帝政ロシアの首都で暮らす学生、ラスコーリニコフは、自らの理論に基づき、老婆を襲い金品を奪うことを決意する。
岩下博美氏は、原作を咀嚼し、物語のエッセンスを趣のある絵柄で描いている。登場人物の個性も良く表出され、人間関係や心理がスリリングな展開をもって迫ってくる。背景となるサンクトペテルブルクの描写も良く、当時の雰囲気を彷彿とさせる。
原作の本質に肉薄した力作。
罪と罰 (まんが学術文庫)
岩下博美
ル・ボンの「群集心理」に関する論考を、フランス革命時に恐怖政治を行ったマクシミリアン・ロベスピエールを主人公として表現したコミック。
群集心理と同時にロベスピエールの半生が描かれ、フランス革命の歴史を概観することもできる。講談社まんが学術文庫の中でもことに中身が濃い出色の作品。歴史の重みを感じさせてくれる渾身の漫画。
ショーペンハウアーの「幸福について」を基にした漫画。しかし、アフォリズムに満ちた書を単に表現しただけでなく、ショーペンハウアーの生い立ちをもストーリーに盛り込み、極めて興味深く読める。気がついたら、書の中に引き込まれていた。
単に書に内容を羅列するのではなく、登場人物のホンネをはさみながら描かれているので、説得力がある。背景の絵も素晴らしく、当時のドイツの雰囲気が伝わってくる。漫画というのはすごいメディアだとあらためて感じさせてくれる。
哲学への扉をひらく、見事な構成の漫画。
幸福について (まんが学術文庫)
ショーペンハウアー 伊佐義勇
近未来の日本、ロックバンドのヴォーカリスト、マコトは、バイトをしながらプロのミュージッシャンを夢見て練習に励んでいた。そんなある日、政府は、すべての政策を人工知能に委ねる決定をした。コンピュータ「SORAI」は、「国民の住居は会社・業種ごとにまとめ国が定める」「他県への引っ越しを禁ずる」など、斬新な政策を次々に実行していく。その結果、フリーターであるマコトから彼女やバンド仲間が離れていくことになる。マコトがとった行動は…。
江戸時代の学者、荻生徂徠による意見書「政談」を基にしたコミック。教養漫画というと、文字がやたらと多く絵はおまけ的なものが多かったが、この作品はストーリーで名著の内容を体現しており、自然に読める点が素晴らしい。古典の思想とSF的な設定が見事なまでにかみ合っている。
名著へと誘う画期的なコミック。中高生にも一読を勧めたい。
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