カサブランカ
第2次世界大戦中のフランス領モロッコの都市カサブランカを舞台にした映画。複雑な国際情勢を背景にしたラブロマンス。
ハンフリー・ボガートのダンディズムは今となってはたいへん貴重。イングリッド・バーグマンの輝くような美しさがモノクロのスクリーンを彩る。
大戦中に製作され、公開も戦時下でなされた歴史的な重みを持つ映画。
第2次世界大戦中のフランス領モロッコの都市カサブランカを舞台にした映画。複雑な国際情勢を背景にしたラブロマンス。
ハンフリー・ボガートのダンディズムは今となってはたいへん貴重。イングリッド・バーグマンの輝くような美しさがモノクロのスクリーンを彩る。
大戦中に製作され、公開も戦時下でなされた歴史的な重みを持つ映画。
生物とは何か。その根源的な問いに、生物学者福岡伸一が、DNA発見の経緯や自らの研究の過程を踏まえて向き合った書。
魅力的な語り口で、生命の謎をときあかすドラマが綴られていく。科学的で精緻な文章でありながら、時折深い抒情をたたえて記されていく。それは、文学的香気をたたえた上質の推理小説を読んでいるかのようである。しかも、その内容は生命の神秘を伝えとめどもない深みをたたえている。
「1950年、彼女が三十歳になった秋のことだった。幸運と、その不運のすべてが、続く二十数ヶ月のうちにフランクリンの上に照射され、それはあらゆる方向に拡散した。」
DNAの構造発見に大きく寄与したX線解析を専門とする科学者、ロザリンド・フランクリンに関する本書の文である。X線を物体にあて、その構造解析を行うことに彼女の運命を象徴させた比喩に感銘を受けた。
彼女の研究はワトソン、クリック、ウィルキンズの3名がノーベル賞をとったDNA二重らせん構造の発見に大きく関わっているが、フランクリン自身の名はノーベル賞受賞者に刻まれることはなかった。
このような、巧みな表現とドラマチックな展開により、読む者を強く惹き付ける魅力に満ちている。
生命現象とその解明に挑んだ人々を描き、根源的な感銘を与えてくれる名著。
ウォルト・ディズニー・プロダクションによる名作アニメ「101匹わんちゃん」。子どもが小さい頃、一緒に何度も見たが、練られた脚本と演出により何度見ても素晴らしい。
ダルメシアンの黒いブチを一匹一匹描き分けているとのことだが、その労力にも職人魂を感じる。敵役クルエラは伝説のアニメーター、マーク・デイビスが手がけており強く印象に残るキャラクターになっている。
1961年公開映画だが、今なおその魅力は色あせない。
「天国までの百マイル」は、浅田次郎の小説。事業に失敗し妻子とも別れたダメ中年が、重い心臓病を患った母親を直すためにポンコツ車で百マイルの道をひた走る。
構成はシンプルであるが、病身の老母をめぐって交わされる会話が人のありようを浮き彫りにする。感涙必至、浅田文学の真骨頂。
天国までの百マイル (講談社文庫)
浅田次郎
平原綾香が、クラシックの名曲をオリジナル歌詞で自在に歌うアルバム。どの曲も雰囲気が異なり、多彩な演出でメロディの魅力を伝える。
「くるみ割り人形」を基にした「ケロパック」には驚いたが、いかんなく本領が発揮されている。
クラシックのメロディを華やかなアレンジで楽しませてくれる心地良いアルバム。
my Classics2
平原綾香
「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」は、押井守が監督・脚本を手がけた1983年のアニメ映画。
高校生あたると異星人ラムを中心としたギャグを描くテレビアニメの劇場版第2作であるが、押井監督の世界観を反映し、テレビとは異なるスケールの大きさと深遠さをもった作品となっている。
特に、星勝の音楽は秀逸で、作品世界を見事に表現し映像と一体化している。何度聴いても素晴らしい。
押井映画の源流ともいえる名作。
アガサ・クリスティのミステリィの中でも、独特の位置を占める作品。その着想の豊かさに感服。クリスティは本当にすごい人だと感じた。
葬儀を終えて (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティー 加島 祥造
Aで始まる人物が、Aで始まる地名の町で殺され、続いてBで物がBの地で殺害される。この着想も素晴らしいが、構成も実によくできている。推理小説を読み始めて間もない中学生の頃に読み、圧倒的な感銘を受けた作品。
ABC殺人事件 (創元推理文庫)
アガサ クリスティ Agatha Christie
中原中也の詩を風間杜夫が朗読したCDを聴く。独特のリズムがある中也の詩は、音声を伴うと時を越えて言葉が広がる。
風間杜夫のやわらぎのある声でかろやかに語られると、それは生気にあふれたうたとなって伝わる。「骨」では特にそれが感じられた。
中原中也詩集 [新潮CD]
中原 中也
「親っていうのは、子どものためなら何だってできるのよ。」
劇場版クレヨンしんちゃんの第6作「電撃! ブタのヒヅメ大作戦」。鬼才、原恵一の手腕が遺憾なく発揮されている。007ばりのリアルなアクションシーン、壮大なSF、家族愛など、これでもかというほど豊富な要素が盛り込まれたエンターテイメントになっている。
クレヨンしんちゃんならではの親しみやすい絵柄や、少々下品なジョーク、ボケた会話があるが、それを凌駕する緻密な設定、背景や武器など作画へのこだわり、ストーリーの見事さがある。シリアスで重い内容がギャグと融和することにより、絶妙の味を作り出している。
お色気役の三石琴乃、エージェント筋肉の玄田哲章など、声優陣も豪華で会話で楽しませてくれる。何より、ぶりぶりざえもん役の塩沢兼人の声が、ラストの哲学的なエピソードと共に印象に残る。
創造力に溢れた、何度見ても素晴らしい映画。
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