宮沢賢治
花巻の地に旅したとき、どこまでも続く木々を見て、安心と畏怖が入り交じった不思議な気持ちになった。風にさわぐ木々の薫りにふれ、まさしく人と文学を育む地だと感じた。
宮沢賢治のひたむきさと澄んだ抒情にあふれた作品に接するとき、この花巻の森を思い出す。
息子に、西本鶏介が思いを込めて書いた宮沢賢治の伝記を読ませている。信仰と現実とを一致させるべく苦悩する様を読んでも、小学2年生にはまだ実感を伴って理解できないかもしれない。しかし、自然への慈しみや、前向きに取り組むことの尊さは伝わるはずである。
なにより、子どもの読む「永訣の朝」などの詩に感動できることは、この上ない喜びだ。
宮沢賢治
西本 鶏介
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