惑星ソラリス
昔、東京の小さな映画館でタルコフスキー監督の「惑星ソラリス」を見た。最初はたいへんにスローテンポであったが、徐々に引き込まれていった。スローであることが、スタニスワフ・レムの思弁的な表現に合っていたのかもしれない。自分が異世界にいるような感じを受けた。
黒澤明監督の「夢」のラストが、なぜか自分の中では「惑星ソラリス」と重なるのである。タルコフスキーは哲学的な映像詩をつむぐ作家であり、黒澤は直截的ともいえる強烈なヒューマニズムと批判精神をもった監督で、両者のベクトルは異なる。にもかかわらず。たゆたう水のイメージが共通した印象として残っている。心象に張られた和空間だろうか。
惑星ソラリス
ナタリヤ・ボンダルチュク アンドレイ・タルコフスキー
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