学校教育再興フォーラム
高崎市文化会館で行われた第1回学校教育再興フォーラムに参加する。
最初の「教師上達論」は、優れた授業実践を行っている杉渕鉄良氏の、教師としての力量向上についての講義。毎日授業記録をつける、学級通信を毎年何百号も出す、教科書の2ページから毎日100問の問題を作るなど、求道的とも言える教師論を語っていた。
量は質に変わるということには、大いにうなずけた。
第2講義「家庭教育・学校教育に望むこと」は、不登校に体当たりで取り組んでいる長田百合子氏の熱気あふれる語り。自らいじめられ、非行に走った経験を持つ講師が、更正しその後多くの不登校やニートの若者と関わった話には、そのエネルギッシュなトークにより否応なく引き込まれた。
野口芳宏氏の「国民に求められる教師像」は、教育の成立条件は「信」「敬」「慕」にあるとし、「源流浄化」-教師は教育の源流であり、それが澄んでいれば川下も澄んでいくと語られた。格調があり、襟を正す講義であった。
陰山英男氏の「これからの日本の教育」は、中央教育審議会の議論の中心は学力であるとして、その方向性が語られた。中教審の議論は、全国の優れた実践をふまえ、現場の先生がしっかりやっているという前提で話をしているとのこと。
脳の高い処理能力を高める教育の在り方、日本は世界で最もビデオやテレビを見る時間が長く、勉強時間が短い国という事実、英語教育の問題など、話題は多岐に渡った。
氏が校長を勤めた土堂小学校の「早寝早起き朝御飯」「読み書き計算の徹底反復」「モジュール授業」など、学習活動のポイントを示したところで時間となってしまった。あまりに多くの背景をもつ講義であった。
最後の教育オーディションでは、6つの教育実践のプレゼンテーションが行われた。発表内容も興味深かったが、野口氏や陰山氏などの講師のコメントもたいへん参考になった。
午前9時から午後5時にわたるフォーラムであったが、時間の長さを全く感じさせない、極めて充実した内容であった。
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