のだめカンタービレ
音楽学校を主な舞台とした、二ノ宮知子のコミック「のだめカンタービレ」。個性的なキャラクターが多数登場するコメディタッチの漫画であるが、音楽に関する部分では、いいなあと素直に感じるところが多い。
ドラマ化やアニメ化もなされるようであり、これをきっかけにクラシックに親しむ層が厚くなるのはよいことだ。
のだめカンタービレ(1)
二ノ宮 知子
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音楽学校を主な舞台とした、二ノ宮知子のコミック「のだめカンタービレ」。個性的なキャラクターが多数登場するコメディタッチの漫画であるが、音楽に関する部分では、いいなあと素直に感じるところが多い。
ドラマ化やアニメ化もなされるようであり、これをきっかけにクラシックに親しむ層が厚くなるのはよいことだ。
のだめカンタービレ(1)
二ノ宮 知子
「北斗の拳」の作者、原哲夫による社会派漫画「公権力横領捜査官 中坊林太郎」は、不正融資渦巻く巨大銀行を舞台に、その内情を赤裸々かつコテコテに描いた、痛快無比なコミック。
不良債権処理が急がれた1998年から2000年に連載された。超法規的と称して、主人公は暴力から爆破までなんでもやってのける。ムチャクチャな解決ではあるが、銀行の抱える問題をデフォルメしつつも的確に提示している。絵もストーリーも堂にいっており、楽しめた。
公権力横領捜査官・中坊林太郎 1 原 哲夫 |
公権力横領捜査官・中坊林太郎 2 原 哲夫 |
息子が音読をした野口英世の伝記には、どうも釈然としない箇所があった。メリー夫人との出会いが書かれておらず、夫人は結婚した後にも登場する場面がほとんどない。また、野口英世はシカの手紙を見て一時的に日本に帰国することを決意するが、まったく金がないと記してある。この時期、野口はその成果を認められ、ロックフェラー正所員となり高給をもらっていながら、なぜ帰国できないほど困窮していたのか。
野口英世の生涯を描いた渡辺淳一の小説「遠き落日」を読み、その疑問が氷解した。極端な金づかいの荒さ、躁鬱的な性格など、従来の英雄野口英世像を覆すような記述がなされている。
しかし、そのひたむきな生き様には、むしろ共感すら覚える部分も多かった。医学に身を置いた経験のある著者は、膨大な資料と現地取材に基き、ありのままの野口に迫ることにより、人間的な魅力に溢れた人となりを浮き彫りにした。手が不自由であることのコンプレックス、医学界での学歴の低さ、アメリカでの東洋人の蔑視、それらを跳ね返すための努力は、壮絶といえるほどのすさまじさを感じた。
明治の人々の鷹揚さと、エネルギッシュな魅力にあふれた人物像は、現代に不足している要素であるせいだろうか。小説に引き込まれ、むさぼるように読み進んだ。読後も芯のある余韻が残った。
遠き落日〈上〉 渡辺 淳一 |
遠き落日〈下〉 渡辺 淳一 |
バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルによるマーラーの交響曲第6番は、圧倒的な力を感じる演奏。
「悲劇的」という標題がつけられた、マーラーの交響曲の中で、唯一、暗澹と終わる作品。他の曲は、華々しく終わるか、浄化されたように終わるが、この曲は、救いようがないほど暗く終わる。バーンスタインは、この終楽章に33分をかけ、雄大で深遠な音楽を作り上げている。
マーラー:交響曲第6番
バーンスタイン(レナード) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ミッシャ・マイスキーによるチェロ作品集「ロマンス」。サン=サーンスの白鳥、フォーレのエレジーなどの美しい旋律が、情感のこもった豊かな響きで奏でられる。伴奏はビシュコフ指揮、パリ国立管弦楽団。ゆるやかなテンポで奏でられる名曲の数々に心洗われる。
ロマンス
マイスキー(ミッシャ) パリ管弦楽団
ハインツ・レーグナー指揮、ベルリン放送管弦楽団によるブルックナー交響曲第5番を聴く。自然な音楽の流れの中で歌い上げられるブルックナー。
ブルックナー:交響曲第5番
ベルリン放送管弦楽団 ブルックナー レーグナー(ハインツ)
TBSで2006年9月11日に放映された、ドキュメンタリー「NYテロ 5年目の真実」。旅客機に直撃されたフロアからの生還や、エレベータに閉じこめられた人々の脱出など、事件当日のワールドトレードセンター内部を再現ドラマで描き、たいへん興味深かった。
英国BBCとの共同取材による事実の重みに裏打ちされた、迫真のドキュメンタリーであった。
ニューヨークの世界貿易センタービルに2機の航空機が直撃した2001年9月11日、アメリカの同時多発テロでハイジャックされた4機のうち、1機だけが”ターゲット”に到着しなかった。ユナイテッド航空93便である。
ポール・グリーングラス監督の「ユナイテッド93」は、この機をめぐる人々を描いた作品。ドキュメンタリータッチであり、航空管制官など事件当時実際にその職務に携わった人々も参加し、圧倒的なリアリティを持っている。最初から最後までずっとスクリーンに引き込まれた。
特に、ハイジャックされた機内での緊迫感は、どんなパニック映画をも凌駕する。事実を基にした重みをずしりと感じる。
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