風林火山 7
NHK大河ドラマ「風林火山」は、回を重ねるごとに面白くなってきている。武田晴信、北条氏康、真田幸隆など、山本勘助が出会う領主が、それぞれ知性や風格を醸す描き方がよい。密度の濃い脚本がドラマを支えていると感じる。
NHK大河ドラマ「風林火山」は、回を重ねるごとに面白くなってきている。武田晴信、北条氏康、真田幸隆など、山本勘助が出会う領主が、それぞれ知性や風格を醸す描き方がよい。密度の濃い脚本がドラマを支えていると感じる。
外資系ファンドの買収を描く、NHKのドラマ「ハゲタカ」。第1回は、1998年にニューヨークのファンド・マネージャーが銀行の不良債権をまとめて買い叩く「バルクセール」が扱われた。
日本経済が転換を迎えた背景を、大森南朋演じる辣腕ファンド・マネージャーと柴田恭兵演じる銀行員との対立を軸とした人間関係をからめて描く迫真のドラマ。
緊迫感のあるシーンが多く、作り手の意気込みが伝わってくる。次回以降が楽しみだ。
マネジメントの正体―組織マネジメントを成功させる63の「人の活かし方」を読む。採用、モチベーション、リーダーシップ、コミュニケーションなど、マネジメントの基本的な内容が具体例に基づいて平易に語られている。ごく当たり前と思える内容もあるが、目を開かれる記述も多い。あるいは、当たり前と思っていても、現実には意外と見落とされ実行されていないことが多いのかもしれない。
「リーダーの有能さは、欠けている要素を見つけ出し、そのギャップを埋める能力に左右される。」
本書に記されている一見「当たり前」のことを実行できる力がリーダーシップの根源ではないか。
マネジメントの正体―組織マネジメントを成功させる63の「人の活かし方」
スティーブン・P. ロビンズ Stephen P. Robbins 清川 幸美
ベストセラー「「超」整理法」の作者が、続編として時間管理について記した書。様々なエピソードが興味をそそり、最後まで時が経つのを忘れて読めた。
ちなみに、「「超」整理法」と名が付く本は4冊買った。押し出しファイリングを扱った「「超」整理法」は本屋で見て役立ちそうだと思い買って帰ったところ、家に同じ本があった。ずっと以前買って読んだことをすっかり忘れていたのだった。
続「「超」整理法」・時間編も、随分前に買って読んだのだが、家のどこを探しても見つからず、結局2冊目を買った。自分は基本的に整理が超苦手であることを自覚させてくれた本である。
「超」整理法〈3〉タイム・マネジメント
野口 悠紀雄
爆笑問題初のギャグCD「ハッピー・タイム歳時記」。太田光が作曲した冒頭のハリウッド映画風の大げさな曲からして力が入っている。
月毎の情景を言霊にして弄ぶナンセンス&ハイセンスパロディの奔流。太田光の文学志向が生きている。
爆笑問題のハッピータイム歳時記
爆笑問題 キリングセンス GO・JO
ロストロポービッチのチェロ、カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるドヴォルザークのチェロ協奏曲を聴く。ロストロポービッチの深みのあるチェロの響きが、この名曲の良さをじっくりと伝えてくれる。併録されている「ロココの主題による変奏曲」も何度聴いても素晴らしい。
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
カラヤン(ヘルベルト・フォン) ロストロポービッチ(ムスティスラフ) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
NHKの大河ドラマ「風林火山」第6話では、山本勘助が今川義元、北条氏康に仕官を望む。浪人勘助の目を通して、若き日の英傑たちを描く構成が見事だと感じた。特に、北条氏康の傑出した英明さが印象に残る回だった。
高校生の時、人の良い英語の先生に、生徒たちが「先生、発表会をやりましょう。」といって、授業時間に休みの日にあったことを前に出て言うことが何度か行われた。今では考えられない事であるが、当時はのんびりしていたものだ。確かに今ほど進学実績は上がっていなかったが、気骨のある生徒たちが多かったように思う。
その「発表会」で私がなぜか指名され、気の弱い自分は恥ずかしい思いをしながら、その前の日に見た映画「ムーンレイカー」の冒頭が素晴らしかったことを、”Enjoy, your flight!”という台詞と共に演技しながら話した。ついでに、シャーリー・バッシーが熱唱した主題歌を歌った。貴重な授業の時間をとってしまい申し訳ないことをしたと今にして思う。
007シリーズの第11作目「ムーンレイカー」は、007がついに宇宙に出てしまう映画。行くところまで行ってしまった感がある。「ロシアより愛をこめて」の格調や、「ゴールドフィンガー」の緊迫感には欠けるが、次々とたたみかけるアクションの連続とサービス精神の旺盛さがあり、娯楽大作としてはよく出来ている。突き抜けた魅力とでもいうのであろうか。
007 ムーンレイカー
ロジャー・ムーア ルイス・ギルバート マイケル・ロンズデイル
ワンピースの44巻で、ようやくCP9編が決着を見た。34巻の青キジとの遭遇をプロローグとし、水の都ウォーターセブンを舞台にしたミステリアスな展開からエニエス・ロビーでの決戦まで、実に10巻にわたる長大なエピソードであった。
途中、収拾がつかなくなるのではと思われる場面もあった。テレビ放映されているアニメーションも、日曜7時のゴールデン・アワーから、朝の9時半に降格され、回想シーンでお茶を濁すなど、先行きが危ぶまれた。アニメの作り手も不安だったのではないか。原作が一応の決着を見たことで、後を追うアニメの方も勢いを盛り返してきた感がある。
44巻を読み終えて、あらためて尾田栄一郎氏の構成力に感じ入った。34巻で提示された謎やテーマがきちんとまとめられている。戦闘シーンこそ多いが、少年漫画の王道である、友情や思いがストレートに表現されている。そして何より、主人公たちの長い航海を見てきたからこそ抱ける感慨がある。その感動は、下手な大河ドラマをはるかに越える大きさと重さがあった。
One piece (巻44)
尾田 栄一郎
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