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竜馬がゆく

 「私心を去って自分をむなしくしておかなければ人は集まらない。人が集まることによって智恵と力が持ち寄られてくる。」

 司馬遼太郎の「竜馬がゆく」は、明治維新の成立に影響を与えた坂本竜馬の生涯を、鮮やかに描いた小説。

 「筆者は、この人物を通して、幕末の青春群像をかいている。坂本竜馬をえらんだのは、日本史が所有している「青春」のなかで、世界のどの民族の前に出しても十分に共感をよぶに足る青春は、坂本竜馬のそれしかない、という気持ちでかいている。」

 あとがきに書かれたように、著者の思い入れが強く感じられる作品であり、表現も生き生きとしている。混沌に満ちた幕末の世で、心地よく吹く風のように生き、多くの人々に影響を与えた竜馬の姿が実に魅力的である。

 「世界の海援隊でもやる」

 海の彼方に思いを馳せつつ、周りの人々を大切にし、大きな仕事をなす姿は、ひとつの理想のリーダー像である。
 2010年、視野の広さと懐の深さがより必要と感じる今、最初に掲げたい作品。

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)
4167105675

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