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龍馬伝 25

 NHK大河ドラマ「龍馬伝」第25話は、「寺田屋の母」。龍馬の母役であった草刈民代が、寺田屋の女将、登勢を演じる。船宿の、光を効果的に活かしたセットが情緒を醸す。
 長州と薩摩がぶつかり合う「蛤御門の変」も、短い時間であったが濃密な描写であった。一橋慶喜と勝麟太郎の対決も見応えがあった。結局、海軍操練所は閉鎖に追い込まれるが、歴史のうねりの中で龍馬はいまだ模索の最中である。
 真木ようこ、草刈民代と、女性陣の演技が光る回でもあった。

NHK大河ドラマ「龍馬伝」

パルプ・フィクション

 「パルプ・フィクション」は、クエンティン・タランティーノ監督の出世作。3つのストーリーが交錯するトリッキーな映画。個性的な俳優たちとスピード感溢れる演出により、独特の映像に引き込まれる。第67回 アカデミー脚本賞受賞作品。

パルプ・フィクション [DVD]
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パルコフィクション

 矢口史靖監督の「パルコフィクション」は、パルコを舞台にしたオムニバス短編映画。遊びごころに溢れシュールな味付けがしてある。

パルコフィクション[DVD]
矢口史靖
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梶井基次郎 檸檬

 梶井基次郎の「檸檬」「交尾」「ある崖上の感情」を寺田農が朗読したCDを聴く。魂を観察した清澄な文章が、寺田農の暖かみをたたえた語りで、ほのかな灯のように浮かび上がり、静謐な空間を作る。

檸檬 (新潮CD)
梶井 基次郎
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檸檬 (新潮文庫)
梶井 基次郎
4101096015

授業におけるICT活用基礎研修

 「授業におけるICT活用基礎研修」が、群馬県総合教育センターで6月16日に行われた。250名を越す受講者が参加した。
 最初に、実物投影機や電子黒板を使った6つの模擬授業が示された。最初に、家庭科での包丁の切り方を教える演示。手元が大きく写され、たいへん分りやすい。どのような手の置き方が危険なのか、子ども役とのやりとりをしながら進められた。
 小学校社会科の授業では、チラシを拡大しながら、食品の産地がどこであるかが示された。これも、実物を大きく写すことで初めて、産地が書かれた細かい文字を教室の生徒全員に示すことができる例だ。
 小学校英語活動では、フラッシュ型教材を用いて、ネイティブの発音を示しながら練習をした後、言われた単語をとるゲームがなされた。優秀な指導者によって的確な指示と展開がなされ、アクティブな授業が体現されていた。
 中学校数学では、座標の概念を道案内から捉えさせる事例が示された。これも、座標を大きく写し、双方向で行うことにより分りやすくなっていた。
 中学校の道徳では、クラス目標を決めるために班ごとにKJ法を行った話し合い結果を実物投影機で示し、全体で考える使い方が示された。
 中学校特別活動では、モザイク壁画を作る活動に学級全体で取り組ませるため、共通理解を図る場面での使い方が発表された。
 休憩の後、玉川大学教職大学院教授である堀田龍也先生の講義が行われた。それぞれの事例についてコメントをされた後、ICT活用の在り方が示された。豊富な事例と明確な説明により、極めて分りやすく意義深い講義であった。受講者からも堀田先生の講義はたいへん好評であった。説明の中には小学校の事例が多かったのだが、それでも高等学校から先生方からも絶大な支持を集めたことが、いかに堀田先生の講義が優れたものであったかを示している。
 「授業技術が生きるICT活用」に沿った講義は、多くの先生方のやる気を喚起し、活用への意欲を高めた。

群馬県総合教育センター 授業におけるICT活用基礎研修 
 

すべての子どもがわかる授業づくり

 「ICT活用授業の正否は、ICTの技術レベルではなく、教員の授業技術によって左右されるのです。」

 実物投影機で、教科書をスクリーンに大きく映すだけでも、生徒たちの様子は変わってくる。高橋純、堀田龍也両氏の編著による「すべての子どもがわかる授業づくり」では、普段の授業におけるICT活用の方法と実践事例が豊富に示されている。

 教育でICT機器を使うと言うと、従来、コンピュータ室で生徒に操作させたり、膨大な時間をかけて準備したプレゼン資料や、ソフトウェアを用いた提示というイメージが強かった。しかし、それでは、パソコンが苦手という先生方には活用されないし、また、本来使うべき教材研究の時間もそがれることになる。
 普段の授業の中で、子どもたちに分かったと実感させられる使い方が正しいICT機器の使い方である。難しい操作を必要とせず、従来の授業の流れを生かす機器の活用を考えるべきである。そのことを、本書は多くの写真を用いて様々な事例でビジュアルに示している。
 ICT機器の利用方法を示すと同時に、授業技術の大切さを改めて実感させてくれる書。

すべての子どもがわかる授業づくり―教室でICTを使おう
高橋 純 堀田 龍也
4771109729

はやぶさ地球へ帰還

 小惑星探査機「はやぶさ」が、2010年6月13日に地球へ帰還した。2003年5月の打ち上げから7年間、60億キロメートルの旅をして戻ってきたのだ。
 姿勢制御装置の故障、燃料漏れ、電池切れなど幾多のトラブルに見舞われながら、その都度技術を駆使して乗り切り、奇跡的な帰還をとげた。先の先を見越した設計が素晴しい。
 これだけの快挙が、なぜもっとテレビ等で放送されないのであろうか。日本の誇るべき技術を、もっと広く伝えてもいいように思うのだが。サッカーワールドカップの番組ばかりで、はやぶさがあえて隅に押しやられている印象を受ける。
 大気圏に突入し、試料カプセルを切り離して燃え尽きる映像はあまりに美しかった。最後にはやぶさが撮影した地球の姿が神々しい。
 次期ミッションの実現に期待したい。

JAXA 小惑星探査機「はやぶさ」

龍馬伝 24

 NHK大河ドラマ第24回は「愛の蛍」。武市半平太と冨との夫婦愛をしっとりと描いた回。伏見の船着き場の情景が素晴しい。物語には大きな変化が無く、その分美術をじっくり味わえた。間奏曲的な回。

NHK大河ドラマ「龍馬伝」

石の扉

 「陰に陽に世界のあらゆるものに影響を及ぼしている」秘密結社フリーメーソン。「石の扉」は、広範な取材と資料により、世界中に四百万人の会員がいるという巨大な結社の実像に迫るノンフィクション。
 古代の巨大建築を生業とする石工の組織として発足し、十字軍のテンプル騎士団を経て現在に至る歴史はたいへん興味深い。
 また、著者は、多くの事実を挙げて明治維新の立役者がフリーメーソンであったことを力説している。この部分は、やや強引な感もあるが、グラバー等の熱意は伝わってくる。
 「兄弟愛・救済・真実」の章は、共感できる点が多かった。

石の扉―フリーメーソンで読み解く世界 (新潮文庫)
4101266417

巻頭句の女

 松本清張の「巻頭句の女」を市原悦子が朗読したCDを聴く。俳句を投稿する女性の背後に隠されたミステリー。市原悦子の静かな語りが、徐々に真相をあぶりだす話にマッチし、引き込まれる。
 松本清張の小説は、タイトルからすでにミステリアスな雰囲気を醸しており、日常から非日常に誘い込む。

巻頭句の女 (新潮CD)
松本 清張
410830148X

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