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ポーラー・エクスプレス

 クリスマスの夜に訪れる機関車に乗った子どもたちの冒険を描く、ファンタジー・アドベンチャー。
 コンピュータによる映像であるが、トム・ハンクスなど、俳優の動きや表情を精細にレンダリングしたグラフィックスが極めてリアルに表現されている。

ポーラー・エクスプレス [DVD]
B003EVW5DW

ゲゲゲの女房 オリジナル・サウンドトラック2

 「見えんけどおる」
NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」のサウンドトラック第2集。朝の連ドラで、第2集のCDが出ること自体すごい。いかに音楽に力を入れていたかが伺える。
 窪田ミナは、英国王立音楽院を卒業した俊英で、現代音楽の素養をもちつつ、生み出される音楽は懐かしさにあふれている。ファイナルファンタジー9のゲーム音楽のような曲もあるが、どちらもケルト音楽をベースにしているからであろう。民族音楽のもつ原初的なリズムや旋律が、ドラマの底を流れる「見えんけどおる」というテーマと呼応していた。
 CDの解説にある次の一文が印象に残る。

  「ゲゲゲの女房」は、音楽という精霊によって守られた幸福なドラマなのだから。

NHK連続テレビ小説 ゲゲゲの女房 オリジナル・サウンドトラック2
窪田ミナ TVサントラ
B003WSSMVQ

「ゲゲゲの女房」オリジナル・サウンドトラック

 NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」のオリジナル・サウンドトラック。脚本が見事な作品であったが、サウンドトラックを聴くと、いかに音楽も素晴らしく、ドラマを支えていたかがわかる。素朴ですっと心にはいってくるしとやかな旋律に、心が癒される思いである。

NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」オリジナル・サウンドトラック
窪田ミナ TVサントラ
B003I8WZ4A

ゲゲゲの女房 3

 「ゲゲゲの女房」、これほど毎回楽しく見られた連続ドラマはない。26週130話、ずっと続いて欲しいと思うほど、素晴らしい内容であった。山本むつみの優れた脚本に支えられ、俳優、スタッフが大事にこの作品に関わっていることがひしひしと伝わる。
 終盤、有名になったがため家族に生じる距離感や、今なお残る戦争の爪痕などが自然な形で描かれる。ドラマは丁寧に布をたたむように終わりを迎えていく。
 水木しげるの作品の根源ともいえる、「見えんけどおる」という日本人の根っこにあるものが底流にずっとあるため、一見軽妙なドラマではあるが自然な深みをたたえていた。
 まさに、心に残る名作。

ゲゲゲの女房 完全版 DVD-BOX3(完)
B003Y6ENQY

ゲゲゲの女房  2

 「ゲゲゲの女房」では、貸本漫画の執筆に打ち込む水木しげるを、貧しい中でも温かく支える妻布美枝を中心に描く。
 それにしても、中盤、貧しい時代が長く続く。高度経済成長の中、紙芝居は廃業に追い込まれ、貸本漫画はすたれていく。貸本漫画をわずかな報酬でも書き続けなければならず、時代に取り残されていく夫婦の姿は、極貧の中でも明るく輝いて見える。売れ残りのバナナを買って夫婦で食べるシーンはことに印象に残る。
 松坂慶子演じる貸本屋の女主人、村上弘明 演じる漫画に夢を託す弱小出版社社長など、関わる人々も個性豊かで素晴らしい。
 「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」などが世に認め始められるまでの長く苦しい時代は、良質な脚本であるからこそ見る者の心にしみいってくる。

ゲゲゲの女房 完全版 DVD - BOX 2
B003W7WGQY

ゲゲゲの女房 1

 2010年、NHK朝の連続テレビ小説で放送された「ゲゲゲの女房」。貸本漫画家水木しげるに嫁ぐことになった女性を、 松下奈緒がおおらかに演じる。
 少女時代から、見合いをして一週間たらずで挙式、東京に上京する間はテンポよく進み、ユーモア溢れる雰囲気と温かさが心地良く、ずっと見入ってしまう。

ゲゲゲの女房 完全版 DVD-BOX1
B003NDGC8U

八重の桜 50

 NHK大河ドラマ「八重の桜」最終回は、「いつの日も花は咲く」。
 このドラマの1年を振り返ると、会津の人々を中心に据え、幕末の苦悩を描いた前半部分は大変に素晴らしい出来で、人々の矜持と歴史のうねりに巻き込まれる人々の緊迫感を伝える見事な映像であった。
 それが、明治になってからいきなり薄くなり、ホームドラマ風に流れてしまった。いったいこの変化はどうしてしまったのであろうか。
 前半ではあまり目立たなかった綾瀬はるか演じる八重が、後半では俄然中心となり、鬱々とした表情をたたえたり、大きな声を出す場面が増えた。このような感情の起伏をそのまま前面に出すステレオタイプのドラマになってから、質は一気に落ちた感がある。西南戦争、自由民権運動、内閣制度発足、日清戦争など歴史的な出来事も描かれるが、物語として消化しきれておらず、散発的に紹介される一コマに終始していた。
 山川浩、山川健次郎、大山捨松といった、山川家の人々のエピソードも挟まれていたが、前半の流れを引き継ぐには会津藩の人々の生き様をより丁寧に盛り込んで流れをつくれば、見応えもあったように思う。
 縦横の糸がきれいに綾なされていた織物が、途中から横糸がなくなり、ばらばらと縦糸がなびく端布になったような印象である。
 ドラマは脚本できまる。引き締まった構成感があり、最後まで見る側を惹き付ける大河ドラマを期待したい。

NHK大河ドラマ「八重の桜」

八重の桜 完結編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
4149233640

『アラビアンナイト』 (100分de名著)

 NHK100分de名著『アラビアンナイト』。当時の国際都市バグダッドを中心とした話が、幾層もの構造をもっていることを知り、その複雑さと多彩さに驚く。現代の多くの物語の種がここにある。
 番組では、「背中にコブのある男」の切り絵風アニメーションに感銘を受ける。

NHK 100分 de 名著 『アラビアンナイト』 2013年 11月 [雑誌] (NHKテキスト)
NHK出版 日本放送協会
B00G3OHSDY

『古事記』(100分 de 名著)

 NHKの番組、100分 de 名著『古事記』では、軽妙なトークと雰囲気のあるアニメーションで日本神話のエッセンスが語られる。
 物語によって森羅万象を象徴させる巧みさ、話の力強さを知り、語り告がれ残されるだけの価値があったことを実感させられる。 

『古事記』 2013年9月 (100分 de 名著)
三浦 佑之
4142230301

トルストイ『戦争と平和』 (100分 de 名著)

 トルストイの「戦争と平和」を、当時の政治、文学の状況をふまえ解説している。
 ロシアへのナポレオン侵攻に向き合う人々を通し、幸福とは何かというテーマを重層的に描いた作品の魅力を簡明に伝えるテキスト。

トルストイ『戦争と平和』 2013年6月 (100分 de 名著)
川端 香男里
4142230271

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