ムーンレイカー
高校生の時、人の良い英語の先生に、生徒たちが「先生、発表会をやりましょう。」といって、授業時間に休みの日にあったことを前に出て言うことが何度か行われた。今では考えられない事であるが、当時はのんびりしていたものだ。確かに今ほど進学実績は上がっていなかったが、気骨のある生徒たちが多かったように思う。
その「発表会」で私がなぜか指名され、気の弱い自分は恥ずかしい思いをしながら、その前の日に見た映画「ムーンレイカー」の冒頭が素晴らしかったことを、”Enjoy, your flight!”という台詞と共に演技しながら話した。ついでに、シャーリー・バッシーが熱唱した主題歌を歌った。貴重な授業の時間をとってしまい申し訳ないことをしたと今にして思う。
007シリーズの第11作目「ムーンレイカー」は、007がついに宇宙に出てしまう映画。行くところまで行ってしまった感がある。「ロシアより愛をこめて」の格調や、「ゴールドフィンガー」の緊迫感には欠けるが、次々とたたみかけるアクションの連続とサービス精神の旺盛さがあり、娯楽大作としてはよく出来ている。突き抜けた魅力とでもいうのであろうか。
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