水滸伝 七 烈火の章
北方謙三の「水滸伝」第七巻、烈火の章。宋江一行5名は、山の中腹にある洞穴にこもる。周囲を宋軍1万六千が包囲するが…。
前半の籠城戦が極めて面白い。少数精鋭対大軍のスリリングな攻防に時を忘れて没頭させられた。
敵の実力をまざまざと知った宋は、全力をあげて梁山泊側と対峙することになる。そのための組織改革が、新たな参謀、聞煥章を迎えて強引に進められる。
動乱の発火点を迎えた急迫の第七巻。
« 2020年11月 | メイン | 2021年1月 »
北方謙三の「水滸伝」第七巻、烈火の章。宋江一行5名は、山の中腹にある洞穴にこもる。周囲を宋軍1万六千が包囲するが…。
前半の籠城戦が極めて面白い。少数精鋭対大軍のスリリングな攻防に時を忘れて没頭させられた。
敵の実力をまざまざと知った宋は、全力をあげて梁山泊側と対峙することになる。そのための組織改革が、新たな参謀、聞煥章を迎えて強引に進められる。
動乱の発火点を迎えた急迫の第七巻。
北方謙三の「水滸伝」第六巻、風塵の章。冒頭から極めて面白い。宋江一行は旅先であるときは盗賊に出くわし、あるときは持て成しを受ける。その過程で仲間が増える様はRPGのようである。
見どころが多く、宋江と王進との会話、宋の将軍泰明と梁山泊の魯達との会見などは深みをたたえた名場面。
心にしみいる場面と緊迫の状況が交錯する巻。
北方謙三の水滸伝第五巻「玄武の章」。作者の筆は冴え渡る。官軍二万に包囲された宋江側の攻防、北の地に捕縛された魯智深の救出劇。文字通り死力を尽くす男たちの生き様が活写される。
そして、英傑の最期。ここに至り筆は神気を帯びたかのようである。慟哭が深々と伝わってくる。
圧巻の密度と魂の発露で迫る渾身の第五巻。
北方謙三の「水滸伝」第四巻、道蛇の章。殺人の罪をきせられた宋江は武松と共に旅にでる。
第四巻では、梁山泊の組織も充実しより多層的な物語になっていく。武器などを作る職人、湯隆の描写がことによい。
宋江が旅の途中で出会う李逵のエピソードが素晴らしい。北方水滸はどの登場人物も輝きを放つ。
北方謙三「水滸伝」第三巻「輪舞の章」。国側の闇の組織「青蓮寺」は梁山泊に危機感を募らせ、経済的な要である「塩の道」を断とうとする。梁山泊側の闇組織・致死軍が動きをみせる。
政府側の青蓮寺を生み出すことで、北方水滸は梁山泊を客観的に描写する視点を得て、物語の奥行きが広がりをみせている。
希代の英傑、楊志など幾多の魅力的な人物が活躍し、ダイナミックなうねりが始まる第三巻。
北方謙三の「水滸伝」第二巻「替天の章」。晁蓋、林沖らは、湖に巣くう盗賊を滅ぼし拠点を打ち立てる。「梁山泊」に「替天行道」の旗が掲げられる。
武松のエピソードが胸にしみる。幾多の登場人物それぞれに血が通い、思いが伝わってくる熱き物語。
中国の北宋末期、民に重税を強いる暴政が横行していた。その腐敗した政府を倒し時代を変えるため、立ち上がった男たちの物語。
北方謙三の小説「水滸伝」は、中国の古典を大胆に再編し、一人一人の生き様を鮮烈に活写する。第一巻からその世界に引き込まれ、次を読まずにはいられなくなる。
圧巻の筆力で読み手に迫る壮大な物語の幕開け。
最近のコメント