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水滸伝 十七 朱雀の章

 北方謙三の「水滸伝」第十七巻、朱雀の章。童貫元帥が梁山泊を猛攻する。拠点を電光石火の如く落とされ梁山泊が危局を迎える。
 驚異的な強さをもつ童貫に、梁山泊の面々があらゆる手を尽くして対峙する。難敵を迎え、次々と星になる漢たちの最後の光芒が輝く。

水滸伝 17 朱雀の章 (集英社文庫)

水滸伝 十六 馳驟の章

 北方謙三の「水滸伝」第十六巻、馳驟の章。暗殺者の手が再び梁山泊に忍び寄る。梁山泊の致死軍は、宋の裏組織、青蓮寺を急襲する。
 大規模な戦闘の合間に、双方の暗闘が描かれる。かと思うと、いきなりコミカルなエピソードが挟み込まれる。心を大きな振れ幅で揺らす巻である。
 暗殺者とそれを追う者との会話がなぜか胸にしみいる。死と向かい合い続けてきた筆者にしか描けない場面であった。

水滸伝 16 馳驟の章 (集英社文庫)

水滸伝 十五 折戟の章

 北方謙三の「水滸伝」第十五巻、折戟の章。梁山泊の拠点は猛攻を受け、幾多の男たちが命をおとす。追い詰められ後のない梁山泊で、軍師宣賛はある奇策を敢行する。
 前半危急の展開。後半には様々なエピソードが連なる。とりわけ、扈三娘についての話は興をそそられる。
 緩急が巧まざる巧みを生み出す巻。

水滸伝 15 折戟の章(集英社文庫)

水滸伝 十四 爪牙の章

 北方謙三の「水滸伝」第十四巻、爪牙の章。二十万を超える官軍が梁山泊の各拠点を包囲し、攻撃を加える。各所で激烈な戦闘が行われる。一方、梁山泊とは異なる叛乱が勃発する。魯達らはそれらの切り崩しにかかる。
 舞台が多岐にわたり、様々な人物がそれぞれの場所で奮闘する。そんな中、張横、張平父子のエピソードが胸にしみる。
 まとめるのが難儀であろう苛烈な章であり、書き手にとっても心の癒しが必要であったのではないか。
 王進のいる子午山は、筆者にとっても読者にとっても安寧の地であるように思える。

水滸伝 14 爪牙の章 (集英社文庫)

水滸伝 十三 白虎の章

 北方謙三の「水滸伝」第十三巻、白虎の章。官軍が梁山泊へ大軍で進攻を開始した。流花寨には智将趙安が攻めかかる。同時に、董万の軍が展開される。
 流花寨を舞台として水軍の記述が多くなり、興味深い。陸と水上両面での闘いが勢いのある筆で描かれる。最期を迎える男たちも増えていく。
 戦は益々激しくなるが、それゆえに武松と李逵の場面によりいっそう心を癒される。

水滸伝 13 白虎の章 (集英社文庫 き 3-56)

水滸伝 十二 炳乎の章

 北方謙三の「水滸伝」第十二巻、炳乎の章。梁山泊の資金源である塩の道を、宋側の青蓮寺は必死で探索する。ついに要人である盧俊義が捕縛される。燕青は盧俊義を救出するため、北京大名府に急ぐ。時を同じくして北から梁山泊に関勝将軍が迫っていた。
 祝家荘戦、呼延灼軍との激闘を経て、登場人物も大幅に増えた。にもかかわらず、一人一人が命を吹き込まれ、それぞれの人生に読み手は感じ入る。英傑のひとりを失い、人々を描く筆はますます冴え渡る。まるで、筆者が登場人物に書かされているかのようである。それは、真に良い作品の特徴である。

水滸伝 12 炳乎の章

水滸伝 十一 天地の章

 北方謙三の「水滸伝」第十一巻、天地の章。樊瑞の動きをとおし、梁山泊の影の舞台、致死軍の動きが克明に描かれる。一方、宋の青蓮寺は、暗殺者史文恭を送り込む。
 女性の騎兵隊長、扈三娘が物語に彩りを添える。史文恭の描写が秀逸であり、それゆえ明暗の対比が一層際立つ。
 光と影が交錯する、書き手の懊悩すら感じさせられる深い奥行きをもった巻。

水滸伝 11 天地の章

水滸伝 十 濁流の章

 北方謙三の「水滸伝」第十巻、濁流の章。官軍の呼延灼将軍は代州より呼び寄せられ、着々と梁山泊攻撃の準備を進める。梁山泊の晁蓋は万全の布陣で呼延灼軍と対峙するが…。
 原野にて官軍と梁山泊軍の熾烈な戦闘。呼延灼、晁蓋、両雄の激突がダイナミックに展開される。
 武松と李逵のコンビが、戦の前にゆたっりとした感興を添える。円熟の緩急が物語に味わいを与えている。
 クレッシェンドが効く風雲渦巻く第十巻。

水滸伝 10 濁流の章

水滸伝 九 嵐翠の章

 北方謙三の「水滸伝」第九巻、嵐翠の章。林沖は妻が生きているとの情報を得て戦線を離脱し救出に向かうが…。
 祝家荘後の様々な動きが描かれる。流花寨の建設、扈三娘や聞煥章のその後など、興味深いエピソードを散りばめる。
 紫進らを救出するための鄧飛は、いかにも北方謙三らしい漢の姿を示す。 

水滸伝 9 嵐翠の章

水滸伝 八 青龍の章

 北方謙三の「水滸伝」第八巻、青龍の章。梁山泊の喉元に刃を突きつけるように、官軍は密かに独竜岡に拠点を気付きつつあった。地元の漁師である解珍・解宝の父子は異変に気付くが…。
 梁山泊と官軍との初の総力戦が幕をあける。智略と軍略両面での戦闘が読み手を惹き付ける。
 宋側の智謀者、李富のエピソードは鮮烈で、物語の転換点を印象づける。

水滸伝 8 青龍の章

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