沈まぬ太陽 15
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第15話。国見会長は労働組合の統合に意を用いるが、組織の壁は厚く思い通りに進まない。一方、恩地は生協の不正をさぐるが…。
航空機のコックピットに乗ってまで職員の現状を知ろうとする国見会長。原作でもこの部分は印象に残る箇所であった。しかし、巨大化した組織は様々な不正の温床を生み出す。国見会長のトップダウンの姿勢は、魑魅魍魎の抵抗をあおりたてることになる。
組織の難しさを徹底したリアリズムの内に描く回。百鬼夜行より不気味。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第15話。国見会長は労働組合の統合に意を用いるが、組織の壁は厚く思い通りに進まない。一方、恩地は生協の不正をさぐるが…。
航空機のコックピットに乗ってまで職員の現状を知ろうとする国見会長。原作でもこの部分は印象に残る箇所であった。しかし、巨大化した組織は様々な不正の温床を生み出す。国見会長のトップダウンの姿勢は、魑魅魍魎の抵抗をあおりたてることになる。
組織の難しさを徹底したリアリズムの内に描く回。百鬼夜行より不気味。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第14話。国見会長は、会長室を発足させ恩地を抜擢する。利権をむさぼる子会社の社長など新体制に抗う勢力が蠢く。恩地は、その利権の調査の任に就く。
経営のトップリーダーとしての姿勢を示す国見会長を、長塚京三が好演している。一筋縄ではいかない会社経営の難しさを描いた濃密な回。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第13話。首相の意を受け、国民航空の会長に紡績会社の国見会長が就任する。現場を見て問題点を洗い出し、具体的な指示を出し方向性を示す。
恩地は大阪で遺族交渉に尽力していたが、国見会長から直々に呼び出しを受け、会長室での勤務の命を受ける。
組織の改革に乗り出した経営者の姿を丁寧に描き、極めて示唆に富む回。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第12話。墜落事故により520名の犠牲を出した国民航空は、身元不明遺体の出棺式を行う。その場を機に、遺族会が発足する。
国民航空を建て直すトップの人材として、総理の参謀龍崎は紡績会社の国見会長に白羽の矢を立てる。会長国見は固持するが…。
今回も遺族の苦しみが描かれる。シベリア抑留を11年経験した総理参謀龍崎(橋爪功)と、紡績会社を建て直した経営者国見(長塚京三)との対話のシーンが印象に残る。
深みのある場面が散りばめられた、濃密な回。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第11話。恩地は大阪に転勤となり、航空機事故の遺族との補償交渉にあたる。逆境にめげず、何とか遺族の気持ちに寄り添おうとする恩地であったが、元委員長の肩書きは十数年たった今なお職場での軋轢を生み出す。
遺族との補償交渉という、命をお金で提示する担当者の辛い現実をまざまざと描く。原作の深みをあらためて思い起こさせてくれる回であった。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第10話。520人の犠牲を出す未曾有の大事故に、総理も危機感を募らせる。恩地は遺族の世話係として身を粉にして対応するが、心労で体調をくずす。
事故後の対応、搭乗者家族の心痛、原因究明など様々な要素が多層的に描かれる。とりわけ遺族の怒りや悲しみが心に迫る。覚悟をもって制作するスタッフの思いも伝わってくる。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第9話。第2部は、1985年8月12日の航空機墜落から始まる。
この日、航空会社はパーティを開いていたが、航空管制のレーダーから機影が消えた報が入り、経営陣は色めき立つ。ほどなく、群馬の山中に墜落したことがわかる。
恩地は救助のために登山の装備をし、現地に向かおうとするが、加害者である会社の社員は入山を差し止められる。恩地は搭乗者の家族の世話係をつとめることになる。それは、家族の悲嘆が直につたわる過酷な場であった。
1985年8月12日、忘れもしない日である。自分は日航機の墜落現場にほど近い万場町に職を得て一年目であった。その日は夜間にもかかわらずヘリコプターが飛行する音が聞こえ、ひっきりなしに救急車のサイレンが鳴っていた。翌朝、上野村の人から事実を知らされた。
ドラマは、当時の様子を極めて丁寧に再現している。緊迫した機内、搭乗者家族の様子応など、やや抑えめの表現であるがゆえにより胸にしみる。
圧巻のリアルさをもつ慟哭の回。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第8話。国民航空機の事故が連続して起こり、ナイロビ営業所の恩地も周囲から非難を浴びる。恩地はやるせなさに苛まれる。
アフリカの大地は人の孤独をより浮き上がらせる。海外勤務が10年近くに及ぶ主人公の苦悩と家族の心痛が伝わってくる。
国会で航空会社の安全問題が追究され、外部からの力で事態はようやく動き始める。
現代の流刑をとおし、組織の残酷さをリアルに描いた第1部。その歪んだ意識は、第2部の大惨事に繋がっていく。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第7話。アフリカ・ナイロビに左遷となった恩地は、ハンティングで気を紛らわしていた。孤独に精神を疲弊させた恩地と、久しぶりに訪れた家族との間には溝が深まるばかりであった。そんな折、国民航空の旅客機が事故を起こしはじめる。
アフリカの大地の広やかさと、心のゆとりをなくしていく主人公の対比が胸に迫る。組織としての欠陥を抱えたままの会社が、問題を表面化させていく様が実に説得力をもって描かれている。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第6話。中東への勤務が5年に及んだ恩地に、本部より労働組合と関わらないことを条件に日本への帰国が持ちかけられる。しかし恩地は、閑職においやられた組合委員を想い帰国を断る。恩地に内示が出た先はアフリカ・ナイロビであった。
恩地演じる上川隆也、妻を演じる夏川結衣がその苦悩を色濃く表現し、胸に迫る回。
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