沈まぬ太陽 5
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第5話。恩地は、パキスタン・カラチに2年に赴任の約束を取り付けていたが、守られずイランのテヘラン支店に就航準備のために異動となる。
異例の転任にやるかたない思いを抱くが、上司の島津の姿勢に感服し、信頼を寄せる。
中東の商習慣を含め、ビジネスの厳しさを描く回。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第5話。恩地は、パキスタン・カラチに2年に赴任の約束を取り付けていたが、守られずイランのテヘラン支店に就航準備のために異動となる。
異例の転任にやるかたない思いを抱くが、上司の島津の姿勢に感服し、信頼を寄せる。
中東の商習慣を含め、ビジネスの厳しさを描く回。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第4話。
パキスタン・カラチ支店での勤務となった恩地は、現地職員から白い目を向けられる。家族を呼び寄せるも、習慣の違いに戸惑いをみせる。
一方、労働組合副委員長であった行天は、恩地と対照的ロサンゼルスへの栄転が決まる。
海外ロケにより、リアルな中東勤務の様が描写される。組織の苛烈な力学をまざまざと浮き上がらせる。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第3話。
労働組合委員長としてストライキを断行した恩地に、パキスタンのカラチへの転勤が内示される。報復人事であるとして組合側は断固阻止のビラを配るが、恩地の立場はますます悪くなる。
一方、副委員長として恩地と行動を共にしていた行天であるが、周囲からの圧力で委員会活動から身を引く。
同士に見送られ、恩地は任地に趣くが…。
恩地と行天が袂を分かつ様が原作以上に丁寧に描かれていた。いよいよ海外に舞台が移り、物語は新たな展開へと向かう。
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山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWドラマ第2話。
主人公恩地は、1年限りで引き受けた労働委員長を、もう一期やむなくつとめることになる。冷徹な取締役堂本を前に、交渉は糸口が見いだせない。恩地は奇策にうって出ることにするが…。
航空会社という、公共性をもった組織の中で奮闘する労働委員長を、上川隆也が好演。経営側も、古谷一行、國村隼がはまり役。
山崎豊子の原作を実に丁寧に映像化しており、今後の展開が楽しみ。
山崎豊子原作「沈まぬ太陽」のWOWWOWによるドラマ化作品。
第1話、1961年、国民航空に勤務する恩地元は、不本意ながら労働組合の委員長を引き受ける。持ち前の正義感から、職員の待遇改善と空の安全確保のため、会社側との対決姿勢を強める。そんな矢先、整備士の人員不足により、事故が発生する。
恩地を演じる上川隆也をはじめ、実力派の俳優が結集し見応えのドラマとなっている。
冒頭の御巣鷹山の事故に繋がるシーンから、目が離せなくなる。
航空会社を舞台に、組織と人の関係を鋭く浮き彫りにするドラマ。
「沈まぬ太陽」を強く意識するようになったのは、1999年の群馬交響楽団定期演奏会で、「ヴェルディのレクイエム」を歌った日であった。300人を超す合唱団員の一人として舞台に立ったが、幸運なことに、ソリストのすぐ後ろ、指揮者高関健氏の真ん前で歌うことができた。日本を代表するソリストの歌唱を手が届くほど間近で聴き、音楽に和すことができたのは、この上ない幸せであった。
本番が終わった後には、合唱団員が舞台に再度集まり、指揮者やソリスト、合唱指導者などが講評を行うセレモニーがある。このとき、メゾソプラノの永井和子さんが、こんなことをおっしゃった。
「山崎豊子の『沈まぬ太陽 第3巻』をちょうど読み終えたところで、この地の近くである御巣鷹の尾根で飛行機事故により亡くなった人々の冥福を祈りながら歌いました。」
捧げる対象があることで、音楽の真価が表れることを深く感じさせられた日であった。
ジャンボ機墜落事故を軸に、航空会社を描く大作「沈まぬ太陽」は、極めて密度の濃い、充実した読後感のある作品。元日航社員の小倉寛太郎氏、鐘紡会長の伊藤淳二氏など、実在の人物や事柄がモデルになっている。それらの人々の真摯な生き様と、利権を守ろうとする魑魅魍魎の対比が見事な筆致で活写されている。
中核をなす御巣鷹山の惨事とそれをめぐる家族の描写は、涙なくしては読めない。作家生活40年で培われた卓越した語り口に魅惑され、テーマに向かう気迫に圧倒された。
2005年の5月4日に、群馬県立自然史博物館の特別展「アフリカの風~小倉寛太郎サファリ3000日」を見に行く。小倉寛太郎氏は、山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」のモデルになった人である。氏がアフリカでハンティングをした剥製や、アフリカの動物や自然を写した雄大な写真が多く展示されていた。
印象的だったのは、小倉氏の自宅に集う人々の写真で、中には渥美清や八千草薫なども写っていた。氏を通してアフリカの魅力にとりつかれた著名人は多いようだ。
横山秀夫原作「クライマーズ・ハイ」は、1985年8月12日の日航機123便墜落事故をめぐる、新聞社の動きを描いた小説。当時、その近くに住んでいた者として、格別の思いを感じさせられた作品である。
その原作を映像化した作品として、原田眞人監督、堤真一主演の映画と、NHKで放映された佐藤浩市主演のドラマがある。どちらも個性的な俳優を生かして、記事をめぐる熱い闘いを描いていた。
映画では、新聞社編集部を再現した広大なセットを生かして、ダイナミックな演出がなされた。女性記者の活躍を取り入れた独自のストーリーが見られた。
NHK作品では、原作に忠実に、緊迫したドラマが展開された。個人的には、大森寿美男の緊密な脚本による、NHKのドラマに強く心を打たれた。
被害者遺族も多く、覚悟を持って制作された作品であり、重みを感じる。
横山秀夫原作のNHKドラマ「クライマーズ・ハイ」の後編。
主演の佐藤浩市は谷川岳の衝立岩に自ら挑み、体を張って望んだ。
御巣鷹の尾根で命を落とした人々を背負った作品である。中途半端なものは作れないというスタッフの意気込みが感じられた。
「覚悟を持って」望んだドラマは、横山秀夫の原作の緊迫感と重みを見事に表現していた。
NHKで放映された「クライマーズ・ハイ」前編。横山秀夫の原作に忠実で、日航機墜落を追う新聞社の動きが、緊迫感をもって描かれている。主人公を佐藤浩市をはじめ、新聞記事に携わる人々を、存在感のある俳優たちが競演し、見応えのある人間ドラマとなっている。ニュース映像や、記者の表現から1985年の日航ジャンボ機123便墜落の大惨事がまざまざと思い出された。
報道というテーマを軸に据え、様々な人間関係が縦横に描かれる実に密度の濃いドラマ。
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