飢餓海峡
青函連絡船の転覆事故を背景にした強盗殺人犯とそれを追う刑事の姿を通し、戦後日本を描いた内田吐夢監督による映画「飢餓海峡」。16ミリフィルムで撮影され、独特の映像表現は見るものの心理に訴える。
三國連太郎、伴淳三郎、左幸子の味わい深い演技は、重厚なストーリーと共に印象に残る。人間の業を描いた名作。
青函連絡船の転覆事故を背景にした強盗殺人犯とそれを追う刑事の姿を通し、戦後日本を描いた内田吐夢監督による映画「飢餓海峡」。16ミリフィルムで撮影され、独特の映像表現は見るものの心理に訴える。
三國連太郎、伴淳三郎、左幸子の味わい深い演技は、重厚なストーリーと共に印象に残る。人間の業を描いた名作。
究極のユーモアとでも言うのであろうか。すましこんで殺人を犯す紳士。チャップリンの凄みを感じ、慄然とした。チャップリンがアメリカを追われるきっかけともなった映画。
スターリン死後の権力闘争を描いた映画「スターリンの葬送狂騒曲」。イギリス・フランス合作による2017年公開作品。
俳優は皆大まじめに演じているが、コメディである。恐怖がユーモアになる点がこわい。
最も感動した映画、何度思い出しても感動する映画を挙げるとすれば、ためらうことなく原恵一監督の「映画クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」を挙げる。この作品は別格である。
1970年の大阪万博のシーンから始まり、昭和のノスタルジーを漂わせながら、今を生きることをじっくりと考えさせてくれる。お笑いの要素を散りばめつつ、心底感動させる脚本は、奇跡的。こどもの日に家族で見て、その感をいっそう強くした。
全ての世代が楽しめ、見る人の心を暖め、家族や自分の人生を大切にしようと自然に思わせてくれる。日本映画の傑作中の傑作。
太平洋戦争前後の広島・呉を舞台とし、市井の人々の姿を描く「この世界の片隅に」。こうの史代による漫画を原作とし、片渕須直がアニメーション映画化した。
主人公すずは、広島から呉に嫁ぎ、戦時下の困窮する暮らしの中でも工夫を凝らし生活に潤いをうみだす。
一貫して日常的な視点で人々が描かれ、ほのぼのとした絵柄で温かみを感じる。それゆえに戦争の悲惨さが際立つ。
諄々と心に染みる至高のアニメーション。
地方の遊園地に配属された新入社員を描く映画「オズランド」。波瑠主演、波多野貴文監督による2018年公開作品。
テーマパークを支える人々が丁寧に描かれ興味深い。西島秀俊、柄本明が味のある演技をみせる。テンポ良く進む脚本ですっと見られる。
家族で気軽に楽しめる青春映画。
映画音楽をモチーフとするドキュメンタリー。様々な作曲家の様子が、実際の制作場面と共に描かれている。名作映画のカットも次々と登場し、映画音楽がいかに多様で工夫されているかが分かる。
ジョン・ウィリアムズの現場でのシーンもあり、インスピレーションに満ちた音楽がいかに生み出されているかを伝える貴重な映像であった。
音楽の意義を如実に伝え、豊かな時を与えてくれるドキュメンタリー映画。
渥美清主演の「男はつらいよ」シリーズ第41作「寅次郎心の旅路」では、フーテンの寅さんがヨーロッパに行ってしまう。
マドンナはシリーズ出場三作目となる竹下景子。
寅さんは、ウィーンでもマイペース。そこに良さがある。
黒柳徹子と渥美清は、「泣いてたまるか」第3話「ビフテキ子守唄」で共演している。
「泣いてたまるか」は、渥美清が様々なシチュエーションを演じる人情劇。毎回脚本家や監督が異なり、バラエティに富んだシリーズであった。山田洋次が脚本を担当した回もあり、後の「フーテンの寅さん」につながってゆく。
「ビフテキ子守唄」では、渥美清がタクシーの運転手を演じる。1960年代当時の日本の様子が伝わり興味深い。
トットてれび最終回は、黒柳徹子と森繁久彌との交流を軸に描かれる。最後は、黒柳徹子本人も出演して「ザ・ベストテン」が再現され、祝祭的な終わり方。
満島ひかりの演技が素晴らしく、キュートなファッションと共に楽しませていただいた。テレビを手がける人々の苦労が表現された作品ということもあり、制作スタッフの意気軒昂さが伝わってきた。
良質のドラマは、幸せな時を与えてくれる。
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