ダギーへの手紙
エリザベス・キューブラー・ロスが、脳腫瘍を患っていた少年にあてた手紙をもとに作られた絵本。精神科医であり、ターミナル・ケアのパイオニアとして死について生涯向き合ったエリザベス博士が命の尊さを静かに語りかける。
はらだ たけひでの暖かい絵と共に、深い優しさに包み込まれる絵本。
ダギーへの手紙―死と弧独、小児ガンに立ち向かった子どもへ
E. キューブラー・ロス はらだ たけひで
エリザベス・キューブラー・ロスが、脳腫瘍を患っていた少年にあてた手紙をもとに作られた絵本。精神科医であり、ターミナル・ケアのパイオニアとして死について生涯向き合ったエリザベス博士が命の尊さを静かに語りかける。
はらだ たけひでの暖かい絵と共に、深い優しさに包み込まれる絵本。
ダギーへの手紙―死と弧独、小児ガンに立ち向かった子どもへ
E. キューブラー・ロス はらだ たけひで
「山々に感応する者の心身は、……大なり小なり傍目には分からない隠微な暗い底を持っているのだろうか。それとも、圧倒的な自然と対峙したとき、脆弱な人間の心身は避けがたく危機に瀕するのだろうか…」
山で起きた殺人を発端に、捜査に関わる人々を実に緻密に描いている。犯人側と追う側が交互に描かれ、そのサスペンスフルな展開に心底引き込まれる。圧倒的にリアルな警察の描写と、画然とした心象や情景の表現が相まって独特の緊張感をつくりあげている。
様々な魅力に満ちた重層的ミステリー。第109回直木賞受賞作品。
公民の内容をギャグマンガで描いた本。学研が作成しただけあり、ポイントはよく押さえられている。ギャグが激しいだけに、印象に残るものも多い。1日でも読めてしまうが、公民の概略をつかむ本としては、ばかにできないものがある。
TBS「運命の人」最終回では、主人公が沖縄の人々と向き合う姿を通し、沖縄の過去や現実がじっくりと描かれる。TBSが覚悟をもって制作した重みを感じさせられた。どの俳優の演技も良く、久々に見応えのあるドラマであった。
運命の人(四) (文春文庫)
山崎 豊子
「竜の卵」は、上質のSF小説。中性子星の生物と人類の邂逅という、とてつもないスケールの話を、淡々とした筆致で描く。SFの価値をイマジネーションの豊かさに求めるのであれば、これは紛れもない傑作である。
竜の卵 (ハヤカワ文庫 SF 468)
ロバート L.フォワード 山高 昭
萩尾望都の「ポーの一族」は、永遠の生を受けた人々の哀切な物語。連作短編の形で、散文詩のように語られる。深遠なテーマが華やかな絵によって織りなされる、少女漫画史に残る名作。
ポーの一族 (1) (小学館文庫)
萩尾 望都
人工知能をテーマにしたジェイムズ・P・ホーガンのSF。前半は、研究をめぐる話であり、緻密な科学的叙述が秀逸。後半は、実際に宇宙で実験を行うダイナミックな展開。読後にはカタルシスを感じた。ハードSFの良作。
未来の二つの顔 (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン 山高 昭
ドラマ「運命の人」第9回は、控訴審判決を受けて転変する新聞記者の境遇を軸に、その家族、新聞社、弁護士、政治家など多くの群像が描かれるたいへん密度の濃い回であった。
松たか子と真木よう子の対峙は、二人の抱えているものの相違からくる心理が、絶妙の機微で表現され見応えがあった。
次回はいよいよ最終回。本来のテーマが前面に出てくることが沖縄の鮮やかな空で暗示されており、期待がふくらむ。
運命の人〈3〉 (文春文庫)
山崎 豊子
星新一のショート・ショートを、新進気鋭のクリエーターが映像化したDVDの第2巻、「ダークサイド・エディション」。
「夢と対策」「鏡」「アフターサービス」「よごれている本」「悪夢」など、実写やアニメによる多彩な演出で、ブラックな魅力をもった星新一の作品を描く。
表現の多様さが魅力的だが、それ以上に映像化によって鮮明になる星新一の発想の豊かさには感嘆を禁じ得ない。
ロアルド・ダールの"Matilda"の訳本。理不尽な大人に天才的な頭脳で挑む少女マチルダの物語。無理解な大人を徹底して辛辣に描いている。こなれた翻訳であり、軽快に読み進めることができる。
マチルダは小さな大天才 (ロアルド・ダールコレクション 16)
ロアルド ダール クェンティン ブレイク
最近のコメント