御家人斬九郎
柴田錬三郎の時代小説「御家人斬九郎」のCDを聴く。シリーズ第六篇「青い肌に謎があるぜ」を中村梅雀が朗読したもの。緻密に構成されテンポ良く進むストーリーと、中村梅雀の柔らかみのある名調子により、粋と諧謔のある世界に浸ることができた。
御家人斬九郎 (新潮CD)
柴田 錬三郎
柴田錬三郎の時代小説「御家人斬九郎」のCDを聴く。シリーズ第六篇「青い肌に謎があるぜ」を中村梅雀が朗読したもの。緻密に構成されテンポ良く進むストーリーと、中村梅雀の柔らかみのある名調子により、粋と諧謔のある世界に浸ることができた。
御家人斬九郎 (新潮CD)
柴田 錬三郎
誰でも、いい学校に子どもたちを通わせたいと思う。では、いい学校とは、どんな学校なのだろうか。また、子どもたちが通っている学校では、何を目指してどんな教育が行われているのだろうか。
学校評価は、学校の目指す姿と、それに向かうための具体的な方法、実施した結果を公表するものである。それにより、教職員だけでなく、保護者や地域の人々と学校の目指すものを共有し、学校の改善につなげるためにある。
従来、学校教育は「評価」になじまないとされてきた。人格の形成には時間がかかる、教育の成果は一朝一夕には表れないという、「あいまい」な理由で評価を避けてきた面が少なからずある。
しかし、昨今の教育改革で、多様な学校の形が広がり、また、地域が学校を支える様々な取り組みがなされるようになった。皆で学校を作っていくとなると、やはり目指すべき姿を共有することが重要となる。そして、改善の方向を協議する場と、取り組みの結果を振り返る指標が必要となる。
本書は、「評価」を全面に出し、学校を良くするための情報共有プロセスをデザインする重要性を訴えている。イギリスやアメリカの「ハード」な学校評価を紹介しており、日本の学校評価を考える上でも示唆に富む。また、具体的な評価ツールを紹介し、学校評価がシステムとしてうまく機能する方策を提示している。
「学校をよくしよう」という思いを実現するために、保護者・地域と学校をつなぐ「学校評価」の役割が実際的に記述された良書。
学校評価―情報共有のデザインとツール
金子 郁容
子どもに「杜子春」「トロッコ」「魔術」など芥川龍之介の作品を朗読させる。音読を聴くと、目で追った時とは違った感慨がある。繊細な表現と豊かなリズムを持った文章を親子で味わうことができた。
芥川龍之介の「地獄変」を熊倉一雄が朗読したCDを聴く。「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌でおなじみの、あの声である。芥川の芸術至上主義を結晶させた名作「地獄変」の朗読は、読み手によっては、どっぷりと暗くなるだろう。
熊倉一雄の暖かみのある声により、ユーモアすら感じる不思議な趣のある作品として味わうことができた。
地獄変,六の宮の姫君 (新潮CD)
芥川 龍之介
祝言前の男女を繊細に描く藤沢周平の「虹の空」。樫山文枝のふくらみのある声により、心の機微が細やかに表わされる。
七色の声を持つ中学生とロボットマニアの青年コンビが繰り広げる現代劇、黒田硫黄の漫画「セクシーボイスアンドロボ」。
名前から、オタク好みの漫画に思えるが、どうしてなかなか趣がある。人生の哀歓を、大胆な構図と心の襞に触れるストーリーで描く作品。黒田硫黄の人生観が集約された、ペーソスとこだわりが同居した不思議な世界観がある。
2002年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門受賞作品。
シャーロック・ホームズが活躍する短編のうち最初に発表された作品である「ボヘミアの醜聞」のCDを聴く。ホームズが「あの人」と呼ぶ、アイリーン・アドラーをめぐる話で、ファンからの人気が高い作品。
永井一郎、小川真司、銀河万丈、戸田恵子といった豪華な声優陣が演じており、味わいのある語りに聞き惚れる。
大手百貨店でお客様相談室を担当していた著者が、苦情対応の方法を示した書。実際にあったクレーマーとの攻防が生々しく、興味深い。1300件以上の苦情対応から導かれたポイントには、説得力がある。
やる気のない部下を、半年間で最高の成績を上げるまでに成長させたアメリカ海軍の艦長による実践記録「即戦力の人心術」。
軍隊の厳しい規律の中、著者は従来の艦長が行わなかった様々な方法で部下のやる気を引き出していく。ビジョンを明確に示し、メンバーを信じ、適性を見抜いて仕事をまかせ、達成感により誇りを持たせる。また、仕事をしやすい環境を作り上げることを徹底して行っていく。本書には、あらゆる組織で応用できる具体的な方法が満載されている。
一面、学園ドラマのノリのような場面もあるが、皆で何かを成し遂げ、ハッピーな気分になることが、組織にとって大きなプラスとなることが実感できる。
爽やかな感動をよぶビジネス書。
即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ
Michael Abrashoff 吉越 浩一郎
ナポレオンの生涯を、息子による伝記の音読でたどる。
「わたしの辞書に不可能という言葉はない。」という台詞で象徴される、独裁者というイメージが強いが、フランス革命後の混乱を収拾した努力と勇敢さが基盤にあることがじっくりと描かれている。
政治や文化に対しても大きな功績を残している。エジプト遠征の折には多くの学者や技師、画家を引き連れて古代文明の調査に寄与した。また、「ナポレオン法典」により、民衆の側に立った社会改革のしくみを取り入れた法律を整備し、教育制度を整え、度量衡の単位を統一し、国道や運河の建設で交通の便を良くするなど、社会的な貢献も大きい。
いまなお世界中にその名を知られているのは、戦争の功罪という面だけでは語れない様々な要素を後世に残しているからだということが分かった。リーダーの条件を、子どもと共に語り合うきっかけとなる本であった。
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