13階段
秋の夜長にミステリー。日本の最近の作品から、引き込まれるサスペンス・ミステリー「13階段」。ちょっと重いが、余韻の残る作品。
13階段
高野 和明 
秋の夜長にミステリー。マイ・ベストはなんといってもアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」
推理小説の傑作中の傑作。10人の互いに知らない人々が孤島に招かれ、マザーグースの歌に従って一人一人殺されていく。閉じられた空間での犯罪、”クローズド・サークル・ミステリー”の代表作。ページをめくる手が震えるほどの恐怖と感銘を受けた希有のミステリー。
そして誰もいなくなった
アガサ クリスティー 清水 俊二 
太陽の黙示録第5巻からは、大震災に見舞われた日本がよりリアルに描かれる。
ビルが倒壊し、水没する東京、アメリカ主導で南の首都となる福岡、スラムと化す神戸、新興宗教の根城となる大阪梅田のスカイタワー、旧東京都庁グレイシティーと、舞台はめまぐるしく変わり、日本の変貌を緻密に描写する。
震災で崩壊し、北と南に分断された後の日本で生きる人々を通し、国家とは何かを突きつけてくる。
かわぐちかいじという人は、本当に頭のいい人だと思う。これほどのスケールと、緻密な構成、ダイナミックなストーリーで漫画を書ける人がいることに、日本の漫画文化の厚みを感じる。
太陽の黙示録 vol.5
かわぐち かいじ 
ドラゴン桜第10巻を読む。「円周率が3.05よりも大きいことを証明せよ。」という東大の数学入試問題が取り上げられた。さらに、余弦定理を用いた答案も示された。これほど数学がきちんと書かれている漫画は初めて見た。
受験産業の広告塔に傾斜してきているのが少々気になるが…。
ドラゴン桜 10 (10)
三田 紀房 
韓国ドラマ「チャングムの誓い」がNHK総合でも放映され始めた。宮廷料理人の女官を描く作品で、料理対決がドラマを盛り上げるようだ。
料理対決がある作品といえば、日本のコミックでも、「美味んぼ」「一本包丁満太郎」「ミスター味っ子」など、実に沢山あるが、そのルーツは1973年から少年ジャンプに連載された「包丁人味平」ではないか。
頑固な親父の反対を押し切ってコックになる味平に、次々と試練が訪れる。包丁試し、魚料理の対決、カレー勝負、ラーメンの全国マッチなど、今溢れている料理漫画の様々な原型がある。ストーリーも起伏があり、味平の苦悩がよく表現され、凡百の料理漫画よりよほど面白い。
「釘師サブやん」と共に、求道を描く漫画の新境地を開拓した作品でもある。
包丁人味平 (1)
牛 次郎 ビッグ錠 
今日、30名ほどの人々に基礎的なデータ処理の話をする。標準偏差、相関係数、正規分布、推定、検定などの内容について、Excelとプリントを利用しながら、2時間半でエッセンスを伝える。
話の最後に紹介したJavaScript-STARには、簡便に結果が出るため、特に皆が関心を持ってくれたようだ。JavaScript-STARは、特別な数式を使うことなく、枠に数字を入力するだけで検定結果が出る優れたフリーソフト。Web上からも入力でき、結果がすぐに返ってくる。
「クイック・データアナリシス」はJavaScript-STARの様々な活用例が載っている。ユニークな例題とノリのいい文体で、楽しくラクにデータ解析が体験できるポップな統計書。
クイック・データアナリシス―10秒でできる実践データ解析法
田中 敏 中野 博幸 
大村平氏の数学の本は、本当に分かりやすい。様々なたとえを用いて、丁寧に数学の考え方を語りかけてくれる。
この「統計のはなし」は、やや難解な統計の手法をも、ユーモアとこなれた言葉でナットクさせ、至芸といってもいい名調子。
実験計画法や品質管理など、著者の専門を背景に語られる箇所もあり、親しみやすい割に内容は濃い。
ごく一般的な統計の本を読んで、どうもよく分からないという箇所が、この本で氷解した部分もある。分かりにくいところをどう教えるかを、著者は相当深く考えたに違いない。幅広い教養と深い体験、そして教育への情熱があって初めて著しえる本だと思った。
統計を学び始めた人はもちろん、統計を教える人も、必ず参考になるだろう。
統計のはなし―基礎・応用・娯楽
大村 平 
昭和の時代に買った本で、全体が茶色くなっていた。データ処理の講義のために紐解いてみると、本当によく書けている本だ。「パン屋のインチキをあばく話」「ショウジョウバエが酒を鑑定する話」「美人コンテストの審査員の話」など、興味深い話題から具体的に推計の手法を解説している。
昭和43年初版であり、講談社ブルーバックスの古典といってもいい本であるが、今なお推計学の基礎をこれほど分かりやすく書いてある本は少なく、統計関係の良書と言える。
推計学のすすめ―決定と計画の科学
佐藤 信 
こちら葛飾区亀有公園前派出所、通称「こち亀」のキャラクターが登場する学習漫画シリーズのひとつ。
息子は1日で目を通したようだが、読んでみると結構中身が濃いではないか。小中学校で習う人体のしくみについては、一通り触れている。漫画も解説事項と直接の関係は薄いものの、なかなか面白い。
息子は本の説明を見ながら、自分の手を動かしたりして、力こぶはこうやってできるんだよなどと弟に説明していた。学習の動機づけにはとてもよい本だと感じた。
『数十分のテストで成績を付ける。
数ヶ月のお付きあいで結婚を決意する。
おかみさんは、味噌汁を作るとき、よくかき混ぜてから、ほんの一口の味見で、味噌汁の味を決めています。このように、
一部から全体を推し測る
こと、これこそが、統計学の任務なのです。』
平治親分の語りはホントうまいなあと、感心してしまう(著者の小寺平治氏は、自分で愛称平治親分と言っている)。具体例を基に、数式もきちんと入れて統計処理の考え方と技法を語っている。そう、天下り的な説明ではなく、「語り」に近いのだ。理論と思想をきちんと踏まえた上で、具体的な例から語れる人は、数学では本当に貴重だと思う。それができる教育者を増やすことが、今の日本ではとても大事な課題だ。
ゼロから学ぶ統計解析
小寺 平治 ![]()
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