ゼニの人間学
「ナニワ金融道」の作者がホンネで熱く語るゼニをめぐるエッセイ。「ナニワ金融道」の原点は、ドストエフスキーの「罪と罰」だった!「ナニワ金融道」は街の金融業者を舞台にしたコテコテの漫画だが、この本はコテコテの資本論や!
ゼニの人間学
青木 雄二 ![]()
「ナニワ金融道」の作者がホンネで熱く語るゼニをめぐるエッセイ。「ナニワ金融道」の原点は、ドストエフスキーの「罪と罰」だった!「ナニワ金融道」は街の金融業者を舞台にしたコテコテの漫画だが、この本はコテコテの資本論や!
ゼニの人間学
青木 雄二 ![]()
カメラのお客様相談室、サービスセンターに20年以上かかわり、クレームを処理してきた著者の体験と、クレームの分析が記されている。
第2章のクレームの分類が興味深い。「ごね得型」「プライド回復型」「新興宗教型」「自己実現型」「愉快犯型」など様々なタイプにクレーマーを分け、その処方が書かれている。その最後に、「泣き寝入り型」があった。ここの記述に一番感心した。
『お客様が何も言わないからといって、放っておいたら、どんどんそのメーカーから離れていってしまいます。こうしたことは、結果がすぐ目に見えて表れないだけに、最も注意を要する問題であり、言い換えれば最も厳しいクレームと言わざるを得ません。(中略)聞こえてこないクレームを聞き取るようにしていかなければ、クレーム処理をやっているとは言えません。』
宝島社文庫「社長をだせ!」
川田 茂雄 ![]()
20歳で社長につき、ベンチャー企業の経営者として通産大臣賞まで受賞した著者の体験記。
技術はあるのだろうが、どうも誠実さがいまひとつ感じられない。プレゼンテーションはたいへん得意だったようだが、社員との本当のコミュニケーションがなされていなかったように感じた。
ベンチャーわれ倒産す―昔、大臣賞。今、自己破産。広田弘毅-東京裁判で死刑判決を受けたA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元総理、外務大臣。その生き様を、戦争に突入する世相の中で描く城山三郎の小説。
広田は軍部の台頭による戦争の拡大を阻止しようと外務大臣として努めたが、結果は、その首謀者たる軍人たちと共に絞首刑となった。
広田の実直な生き様には、自然と襟を正す思いであった。吉田茂、幣原喜重郎、松岡洋右など、他の外相の姿勢も興味深い。
何より巣鴨拘置所での広田の様子と東京裁判の進行が交互に描かれる終盤は、胸に迫るものがあった。史実を積み重ねる淡々とした筆致だが、それゆえにこそ、作者の思いがじっくりと伝わってくる。静かな感銘が、読後も長く続いている。
落日燃ゆ (新潮文庫)
城山 三郎
1985年8月12日- 20年前のこの日、群馬県立万場高等学校で、就職希望者を対象にパソコン講座が開かれた。当時、まだ学校にコンピュータはそれほど普及しておらず、山懐に抱かれた普通科の高校で、生徒ひとりひとりがコンピュータに触れる機会はなかった。そこで、主に事務系を希望する3年生の生徒さんにコンピュータを体験させたいという思いで、企業からパソコンを借りて、6日間の日程で実習を行った。
講座初日のこの日、自作したテキストに沿って生徒が夢中で取り組んでいる姿を見て、いい滑り出しになったことにたいへん気分を良くした。近くの教員宿舎に帰り、お酒を飲んでいると、サイレンの音やヘリコプターの飛ぶ音がやけに響き始めた。当時、教員となって1年目でテレビはおろかラジオすらもっていなかった。
翌日、パソコン講座の会場にいくと、上野村からきている女子生徒さんたちが、昨日はたいへんだったねなどと話していた。「何がたいへんだったの?」と聞くと、「先生知らないの?昨日は飛行機が近くに落ちたので、お父さんたちもみんな山に行ったんだよ。」あわてて新聞を見て、墜落した航空機が524人を乗せていたことを知った。宿直室のテレビをつけると、一面緑の山中にできた傷痕、木々がなぎ倒され茶色い土と焦げた地面が見え、白煙のあがる墜落現場-御巣鷹の尾根が映しだされていた。
この事故を新聞記者の立場で描いた「クライマーズ・ハイ」は、当時の世相や地元の様子を盛り込んでいることもあり、たいへん興味を持って読み進むことができた。
新聞記事をめぐり、社内の確執が大小様々な形で起こる。しかも、新聞には「締切り」という、決断を下す刻限が毎日ある。そのため、独特の緊迫感を持った展開になっている。
群馬県は、県境の半分が屹立した山である。自分にとって、山は身近なものであると同時に、憧れと安心、また時に畏怖の念を抱かせてくれ、乗り越えるべき対象の存在を象徴していた。クライマーズ・ハイは、そんな心象としての山も描かれており、救いのある読後感であった。
「沈まぬ太陽」を強く意識するようになったのは、1999年の群馬交響楽団定期演奏会で、「ヴェルディのレクイエム」を歌った日であった。300人を超す合唱団員の一人として舞台に立ったが、幸運なことに、ソリストのすぐ後ろ、指揮者高関健氏の真ん前で歌うことができた。日本を代表するソリストの歌唱を手が届くほど間近で聴き、音楽に和すことができたのは、この上ない幸せであった。
本番が終わった後には、合唱団員が舞台に再度集まり、指揮者やソリスト、合唱指導者などが講評を行うセレモニーがある。このとき、メゾソプラノの永井和子さんが、こんなことをおっしゃった。
「山崎豊子の『沈まぬ太陽 第3巻』をちょうど読み終えたところで、この地の近くである御巣鷹の尾根で飛行機事故により亡くなった人々の冥福を祈りながら歌いました。」
捧げる対象があることで、音楽の真価が表れることを深く感じさせられた日であった。
ジャンボ機墜落事故を軸に、航空会社を描く大作「沈まぬ太陽」は、極めて密度の濃い、充実した読後感のある作品。元日航社員の小倉寛太郎氏、鐘紡会長の伊藤淳二氏など、実在の人物や事柄がモデルになっている。それらの人々の真摯な生き様と、利権を守ろうとする魑魅魍魎の対比が見事な筆致で活写されている。
中核をなす御巣鷹山の惨事とそれをめぐる家族の描写は、涙なくしては読めない。作家生活40年で培われた卓越した語り口に魅惑され、テーマに向かう気迫に圧倒された。
2005年の5月4日に、群馬県立自然史博物館の特別展「アフリカの風~小倉寛太郎サファリ3000日」を見に行く。小倉寛太郎氏は、山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」のモデルになった人である。氏がアフリカでハンティングをした剥製や、アフリカの動物や自然を写した雄大な写真が多く展示されていた。
印象的だったのは、小倉氏の自宅に集う人々の写真で、中には渥美清や八千草薫なども写っていた。氏を通してアフリカの魅力にとりつかれた著名人は多いようだ。
フーテンの寅さん「男はつらいよ」シリーズで知られる山田洋次監督の著作。渥美清主演の「男はつらいよ」は、1969年から1995年まで、48作続いた。この本で語られている山田洋次監督の映画づくりの背景や思いに、長く愛される理由があるように感じた。
本書は、「男はつらいよ」「家族」「幸福の黄色いハンカチ」などの制作の経緯や苦労などが書かれている。
「自分の国を、自分の民族を、その生活を誠実にみつめることによってはじめて、その映画は国や民族を越えて国際的なものになる」
「いい仕事をしてきた俳優には、演出家ならびにスタッフを信頼する態度がある」等、示唆に富む文が多い。
誠実に仕事をしてきた人の文章にふれると、清々しい気分になれる。
映画をつくる
山田 洋次![]()
ジェフリー・アーチャー作のサスペンス。CIAエージェントに課された密命を軸に、大統領とCAIの確執、ロシア・マフィアの暗躍などが描かれている。
スリリングな展開、伏線の妙、ウィットに富んだ文体が味わえる。
十一番目の戒律
ジェフリー アーチャー Jeffrey Archer 永井 淳![]()
MuPAD について最初に知ったのは、土基善文氏の「xのx乗のはなし」という本であった。現代数学社の「理系への数学」誌に書評を載せるために読んだのだが、その中にMuPADの図が描かれていた。教育関係であればフリーに使えるということに惹かれた。自分は、Mathematicaを10万円以上出して買ったため、同様の機能があってフリーというのは、いろんな意味でたいへんなことであった。
MuPADは、優れた数式処理システムであり、フリーのLight版は、インターフェースこそ貧弱であるが充分利用価値のあるソフトである。
MuPADを解説した日本語の書籍は、1年前までは赤間世紀氏の「はじめてのMuPAD―MuPAD Pro2.0 for Windows」しかなかったが、昨年末に、生越茂樹氏の「基礎からのMuPAD
」が出版された。同氏のサイト「高校生のためのMuPAD」が基になっている。例題も豊富で、数学に興味を持つ高校生にとっても、刺激を受ける部分が多いと思う。プログラミングは、おそらくスペースの関係で掲載できなかったのであろうが、その入り口でも触れてあれば、よりベターかと感じた。
数式処理を手だてとして、数学で様々な表現を試みる環境ができ、数学に関心を持つ層が厚くなっていくことを切望している。
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基礎からのMuPAD 生越 茂樹 |
| xのx乗のはなし 土基 善文 |
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