星寄席
星新一のショート・ショートを原作とする落語3席を収録した音源。「戸棚の男」を古今亭志ん朝、「ネチラタ事件」「四で割って」を柳家小三治が語る。
星新一の発想豊かなひねりの利いた話が、落語には良く合う。屈指の落語家2名によって、いやおうなくその世界に引き込まれる。特に、「ネチラタ事件」はまさしく落語にうってつけで、小三治の楽しそうな語りに終始笑いがこみ上げてくる。
星新一のショート・ショートを原作とする落語3席を収録した音源。「戸棚の男」を古今亭志ん朝、「ネチラタ事件」「四で割って」を柳家小三治が語る。
星新一の発想豊かなひねりの利いた話が、落語には良く合う。屈指の落語家2名によって、いやおうなくその世界に引き込まれる。特に、「ネチラタ事件」はまさしく落語にうってつけで、小三治の楽しそうな語りに終始笑いがこみ上げてくる。
じわじわと恐怖がつのる「怪談傑作集(6)」のCD。筒井康隆「熊の木本線」、瀬戸内晴美「虵(くちわな)」の2作を収録。
「熊の木本線」は、まさしく筒井康隆流の人の心理をなでまわすようなホラー。森山周一郎のさびのきいた声で、味わい深い物語になっている。じっくりと朗読に耳を傾けていたい声であり、唐突な効果音はいらないと感じた。
「虵」は、仏像を彫る職人と同居する母娘の相克を描いた作品。人間の業をえぐる話を、田島令子が巧みに語る。これも、変に甘い音楽は無用。語りだけで、いや、抑制された語りだからこそ、怖い余韻が残る。
怪談傑作集(6)熊の木本線/くちなわ
朗読 森山周一郎 田島令子
我孫子武丸による、サスペンス・ミステリー「殺戮にいたる病」。ホラーの要素を色濃くしながら、叙述ミステリーとしても実に巧みな小説。まさしく一気読み必定作品。
殺戮にいたる病 (講談社文庫)
我孫子 武丸
NHK大河ドラマ「真田丸」第29話は、「異変」。秀吉は老いが進むが、まわりのものは諫めるすべはない。政務について、拾の元服まで関白は不在として、家康を中心とした大名による合議制を主立った家臣の前で言い放つ。波乱の幕開けであった。
地震などの史実を積み重ねながら、秀吉老衰による不穏な空気を醸す回。重苦しい話が続くが、歴史を描く大河の一つのあり方を提示している。
NHK大河ドラマ「真田丸」第28話は、「受難」。
秀吉の怒りから逃れるように高野山にこもる秀次。その悲運の娘を救うため、真田信繁は呂宋助左衛門に身柄を預ける。
「黄金の日々」で主役の呂宋助左衛門を演じた松本幸四郎が、再び同じ役で登場。NHK大河ドラマを敬愛する三谷幸喜ならではの演出。
NHK大河ドラマ「真田丸」第27話は、「不信」。
秀吉の一挙手一投足におびえる秀次は、徐々に精神的に追い詰められていく。また、官位を授かることが決まった真田信幸は、弟である信繁の働きにより得た地位だとしり怒りをつのらせる。 いくつもの人間関係を織り込んだ精緻な心理劇に引き込まれ、いつの間にか45分が過ぎていた。
井上ひさしが作家の見方について語ったCD。2005年2月19日、新宿住友ホールで行われた講演。場末の劇場で出会った人々から受けた影響、喜劇作家を目指したいきさつなどが語られる。森川信などの芸をあげ、楽しい話が続く。笑いを生み出す静かな情熱が感じられる講演。
NHK大河ドラマ「真田丸」第26話は、「瓜売」。
秀吉の命による朝鮮出兵時の雰囲気を、戦闘シーンは一切挟まず人々の会話だけで表す。舞台劇の趣きで見せる間奏曲的な回。
真田信繁の祖母とりの最期を看取るシーンで真田家の一同が会するのを見て、真田の地が舞台であった序盤の面白さが思い起こされた。あの時のワクワク感を今後ももっと出してほしい。
日本ビクターが手がけたVHS方式の開発をめぐる映画「陽はまた昇る」。社員を鼓舞するビデオ事業部長を西田敏行が演じる。
ものづくりニッポンの熱い思いを伝える感動作。
陽はまた昇る [DVD]
佐藤正明
奈良の遺跡の奥から、永遠に砂の流れ続ける砂時計が出土される。関係者は、それぞれ数奇な運命をたどることになる。
時空を越えて壮大なスケールで描かれる小松左京の長編小説。1965年に執筆されたことに驚きを感じる。そのイマジネーションの豊かさには圧倒される。読後感も素晴らしい余韻が残る。
日本におけるSFの金字塔。
果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
小松 左京
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