ドラマ 下町ロケット 3
TBS「下町ロケット」第3話。町工場、佃製作所が大企業、帝国重工と対峙する。大企業の思惑、会社内での対立、家庭での不協和音と、阿部寛演じる社長に次々と難問が襲いかかる。
夢を追い続けるエンジニアの気概と現実とがぶつかり、リアルな緊迫感がドラマを盛り上げる。
下町ロケット (小学館文庫)
池井戸 潤
TBS「下町ロケット」第3話。町工場、佃製作所が大企業、帝国重工と対峙する。大企業の思惑、会社内での対立、家庭での不協和音と、阿部寛演じる社長に次々と難問が襲いかかる。
夢を追い続けるエンジニアの気概と現実とがぶつかり、リアルな緊迫感がドラマを盛り上げる。
下町ロケット (小学館文庫)
池井戸 潤
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第44回は、「運命の糸つなげて」。
群馬県令楫取素彦の元に、神奈川県令となった松下村塾の塾生、野村靖が訪れ、吉田松陰の留魂録を手渡す。
悲しいかな、西南戦争が一瞬で終わってしまった。歴史の重大事件は、なるべく簡単に済ませるというのが、この大河ドラマの一貫した姿勢で、その割り切り方は堂に入ったものである。
隆慶一郎の小説「一夢庵風流記」。時代小説でカタルシスが得られる本といえば、真っ先にこれを推したい。
戦国末期、天下の傾奇者(かぶきもの)として知られた前田慶次郎の一代記である。その生き様は自由闊達、苛烈にして粋、ほれぼれするほど見事である。
慶次郎は剛毅な戦びとと風流な雅人の両面を備え、付け狙う殺し屋すらもその魅力に屈してしまうほどである。主人公はもちろん、とりまく人々の造形描写と物語への配し方が巧みで、どのエピソードも、こころにぐっと迫ってくる。
何より、緩急自在の文章が素晴らしい。武人を描いているのに、爽やかさの残るユーモアを感じるのは、フランス文学に造詣が深い著者ならではの味わいか。
奔放にして優雅、痛快無比の歴史小説。
一夢庵風流記 (集英社文庫)
隆 慶一郎
TBS「下町ロケット」第2話。下町の工場、佃製作所が特許を巡る裁判で争う。原作にない場面を丁寧に加え、ドラマを盛り上げる。特に、ものづくりへの夢と気概をぶつける阿部寛演じる社長の裁判でのスピーチは素晴らしかった。久しぶりにカタルシスの得られるドラマであった
下町ロケット (小学館文庫)
池井戸 潤
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第43回は、「萩の乱に誓う」。
群馬の教育振興に力を尽くす楫取素彦と美和の姿と、萩の乱が描かれる。萩の乱の責任をとって自害する玉木文之進の姿が、唯一大河ドラマらしい場面であった。
奥田瑛二演じる玉木文之進の気迫は、第一話では素晴らしかったが、中盤に脚本家のぶれによって情けないことになってしまった。しかし、最期は名優の力によって大河の雰囲気を感じることができた。
貴志祐介の小説「悪の教典」を、三池崇史監督が映画化。上下二巻にわたる原作をざっくりとまとめ、テンポ良い作品に仕上げている。
後半の惨劇シーンは、三池監督ならではの描写。しかし、こだわりは暴力シーンのみでなく、2羽のカラスになぞらえた映像など、原作への思い入れが感じられる絵作りが随所になされている。
貴志祐介の小説は、話が進むほどに面白さが増していく。「悪の教典」も、後半の疾駆感が半端ではない。非情な殺人鬼を描いて余すところのないサイコ・サスペンス。
悪の教典〈下〉 (文春文庫)
貴志 祐介
貴志祐介が学園を舞台にして描くピカレスク・ロマン「悪の教典」。教師の描き方はロクでもないが、主人公蓮見聖司の人物設定には感心した。
悪の教典〈上〉 (文春文庫)
貴志 祐介
池井戸潤の直木賞受賞作品「下町ロケット」が、TBS日曜劇場でドラマ化された。
下町の工場、佃製作所が、特許を巡る裁判、大手企業との確執などにさらされながら、物づくりへのプライドをかけて闘う物語。この中小企業の社長を阿部寛が演じる。
ドラマは、シリアスな場面とユーモアを織り交ぜながらテンポよく進む。第1回は2時間スペシャルであったが、あっという間に見終わってしまったという印象。実に面白い。
とにかく、俳優のキャラクターが立っている。佃製作所の技術開発部長に安田顕、銀行からの出向である経理部長に立川談春がいい役をしている。特許侵害で訴訟を起こす会社ナカシマ工業に橋下さとし、弁護士が池畑慎之介、メインバンクだが融資をしぶる担当に春風亭昇太、支店長に東国原英夫。立ちはだかる大手企業、帝国重工の社長に杉良太郎、交渉にあたる部長に吉川晃司。これらの面々が、阿部寛と丁々発止のやりとりを繰り広げる。とりわけ、佃製作所を支える弁護士役の恵俊彰の演技には感心する。
帝国重工のミーティング場面は、スターウォーズのダース・ベイダーが帝国軍の兵士を率いるシーンのようである。この派手な舞台設置とにくいほど巧みな台詞が、ドラマを盛り上げる。
なにより、ものづくりへの気概が台詞の端々に現れ、心をゆさぶる。 夢とプライドを形にした、鮮やかなドラマ。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第42回は、「世界に賭ける糸」。
大沢たかお演じる楫取素彦が、県令として群馬に赴く。しかし、待ち受けていたのは圧倒的な影響力をもつ地元名士の勧業課長の阿久沢権蔵とその一派であった。
富岡製糸場など製糸の様子や新井領一郎が渡米する際のエピソードをはさみつつ、群馬の地での苦難を描く。中盤のだれた雰囲気よりはドラマの進行がしまってきた感がある。
最近のコメント