草原の風(上)
後漢王朝を打ち立てた光武帝の生涯を描く、宮城谷昌光の小説「草原の風」。上巻では、若き日の光武帝・劉秀の学ぶ姿と、後に関わる人々との出会いが活き活きと描写されている。
草原の風(上) (中公文庫)
宮城谷 昌光
後漢王朝を打ち立てた光武帝の生涯を描く、宮城谷昌光の小説「草原の風」。上巻では、若き日の光武帝・劉秀の学ぶ姿と、後に関わる人々との出会いが活き活きと描写されている。
草原の風(上) (中公文庫)
宮城谷 昌光
「ルパンの消息」は、「クライマーズ・ハイ」「半落ち」「64」の作者、横山秀夫の処女作。15年前に起きた女性教師の自殺が、殺人であるとの情報から事件は息を吹き返す。
容疑者と警察との心理戦、複数の事件がからみ謎が謎を呼ぶ展開、時刻が設定されたスリリングな緊迫感など、横山秀夫作品の魅力が、処女作にも息づいている。
サントリーミステリー大賞佳作をとった長編を、15年後に著者自らが改稿し円熟味を加えた「幻の傑作」の文庫化。
ルパンの消息 光文社文庫
横山 秀夫
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第21回は、「決行の日」。
タイトルの攘夷決行は、最後の数分に押し縮められ、なぜか文が毛利藩主夫妻に会うことが長く描かれる。歴史を描くことより、こまごまとした些事に時間を費やす脚本はなんとかならないか。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第20回は、「松陰、復活」。
歴史の背景を丁寧に描く努力をせずに進んだため、イギリス公使館焼き討ちが若者の不満をぶつけるだけの行為に見えてしまう。高杉晋作の妻、雅の描き方もあんまり。
NHK土曜ドラマ「64」第5回は、「指」。緊迫感は極限に達する。その後、事件は急速に収束に向かい、いままでの謎や伏線がひとつひとつ回収されていく。原作を読んでいても、その流れは実に見事である。
ドラマを見終わった後で、いろいろなシーンが自然と反芻される。柴田恭兵演じる刑事課長が、捜査車両でピエール瀧演じる広報官に真の捜査内容を告げたときのピエール瀧の驚愕の表情、誘拐された娘の父親を演じる段田安則のひとつひとつのしぐさなどが思い起こされ、胸が熱くなる。
良いドラマはずっと記憶に残るものだが、「64」は自らの中ではリアルタイムで見られた幸せをずっと感じられる作品である。
硬質なエレガンスを体現した、見事な映像作品。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第19回は、「女たち、手を組む」。
歴史の背景を丁寧に描こうとせず、ホームドラマとしてもあんまりな寒い台詞のやりとりで大半の話がすすんでいく。大河ドラマを見ていると思うと苦痛以外のなにものでもない。次回の「64」がひたすら楽しみ。
NHK土曜ドラマ「64」第4回は、「顔」。新たに発生した事件により、主人公三上は記者クラブとの報道協定締結を目指す。記者たちとのリアルなやりとりが圧巻。最終回に向けて緊迫の度が高まる、うねりをもった回。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第18回は、「龍馬!登場」。
脚本家が変わったようだが、2人体制で進むはずが、なぜ3人目?なんだかスタッフのやる気のなさが伝わってくるようである。桜田門外の変は椿の花だけ映して一瞬で終わった。「龍馬!登場」はいいのだが、いきなり文の前に現れて、いったい坂本龍馬は何をしにきたのかよく分からない。
NHK土曜ドラマ「64」第3回は、「首」。
警察庁長官が視察に訪れる真の目的を知り、広報官三上は愕然とする。警務部と刑事部の対立は深まり、事態は急転直下、新たな展開を迎える。
主人公三上は、警察の広報官として、匿名問題をめぐり記者との軋轢が極限にまで達する。そこで三上が記者たちに被害者について述べるくだりは、感動的なシーンであった。上毛新聞の記者をしていた横山秀夫だからこそ描けた名場面で、ドラマでも原作の良さがじっくりと描かれていた。
ドラマの醍醐味を凝縮した、充実の1時間を与えてくれる意欲作。
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