モンスター
百田尚樹の「モンスター」は、美容整形を繰り返し、醜い顔から美女に変貌を遂げた女性の情念を描いた小説。
美醜の差によって生じる現実を痛々しいほどの表現で描いている。テンポ良いストーリーで一気に読ませる物語。
モンスター (幻冬舎文庫)
百田 尚樹
百田尚樹の「モンスター」は、美容整形を繰り返し、醜い顔から美女に変貌を遂げた女性の情念を描いた小説。
美醜の差によって生じる現実を痛々しいほどの表現で描いている。テンポ良いストーリーで一気に読ませる物語。
モンスター (幻冬舎文庫)
百田 尚樹
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第24回は、「帰ってきた軍師」。タイトルでおもわず「帰ってきたウルトラマン」の曲が浮かぶ。中身はひたすらまったりとした45分。
三木城陥落、小寺の敗走と播磨平定の詰めを描くのだが、よくこれだけ味気ない話にできるものだと感心する。
トリックのアイデアそのものよりも、文章の巧みさに感心した。「新奇なものより、時を止めてしまいたい」という登場人物の台詞に、著者の古典ミステリーへ傾倒する姿勢がうかがえる。雰囲気を味わうミステリー。
霧越邸殺人事件 (新潮文庫)
綾辻 行人
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第23回は、「半兵衛の遺言」。
長らく幽閉されていた官兵衛が息子や妻と再開するのだが、盛り上げようとする演出があまりにストレートで、感情移入ができなかった。後遺症に悩むが、半兵衛の形見で復活する官兵衛という展開も、どこか陰影に乏しく、深みが感じられない。分かりやすさを優先させた脚本というのも善し悪しである。
あまりに残酷な話であるが、構成の巧みさにより最後まで話に惹き付けられる。
凄惨この上ないが、ほのかな抒情がかすかな救い。
中学でのいじめを描いた、押切蓮介によるコミック「ミスミソウ」。第1話からショッキングな内容である。いじめを通り越して徐々にホラーの様相を呈してくる。
「模倣の殺意」は、中町信のデビュー作であり、日本の叙述ミステリーの古典。1971年の作品。
本格推理小説が流行った頃のノスタルジーを感じさせられた。
模倣の殺意 (創元推理文庫)
中町 信
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第22回は、「有岡、最後の日」。
竹中半兵衛が退場をし、黒田官兵衛が家来によって有岡城の土牢より救出される。谷原章介演じる半兵衛はドラマを引き締めてただけに、残念な気がする。官兵衛が文字通り日の目を見るのだが、一年牢内で過ごしていきなり空をみて大丈夫なのだろうか。生きて出られた喜びを表す演出なのだろうが、それにしても毛利方や三木城など、まわりの情勢の生体反応がなさすぎる。
戦国時代を舞台にした司馬遼太郎の短編小説集「おれは権現」。福島正則、可児才蔵、花房助兵衛など、7名の武将を描く。
最後の「けろりの道頓」は、武将というよりは地方の名士で、「道頓堀」に名を残す人物を造形していが、たいへん味わい深い。また、「信九郎物語」には、歴史を手堀りする司馬作品の魅力が凝縮されている。
出だしから一気に作品世界に引きずり込み、個性的な生き様を意外な切り口で述べ、読後に余韻を残す。司馬遼太郎のストーリーテリングの見事さがどの作品にも息づいている。
新装版 おれは権現 (講談社文庫)
司馬 遼太郎
NHK100分de名著、夏目漱石の「こころ」を取り上げた回の録画を見る。
「真面目」を体現した姜尚中氏が、真正面から作品に向き合い、掘り下げて解説を行う。
エドガー・アラン・ポーの「ウィリアム・ウィルソン」との類似についての話は興味深かった。
最終回では、ゲストに島田雅彦氏を迎えてのトーク。島田氏のシニカルな視点がこれまでの3話と違った場を作り盛り上げる。
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