重耳(上)
中国の春秋戦国時代初期、晋の国をめぐる人々を描いた宮城谷昌光の歴史小説「重耳」。幾多の国々がせめぎあう中、重耳の祖父、称は徐々に野望を実現していく。
多くの人々が織りなす重層的でなおかつ躍動感に溢れた物語。
中国の春秋戦国時代初期、晋の国をめぐる人々を描いた宮城谷昌光の歴史小説「重耳」。幾多の国々がせめぎあう中、重耳の祖父、称は徐々に野望を実現していく。
多くの人々が織りなす重層的でなおかつ躍動感に溢れた物語。
2012年4月から放送されているアニメ「宇宙兄弟」が、2014年3月で終了した。毎回楽しみに見ていただけに、残念。ストーリーが素晴らしく、特に感情の機微が絶妙に表現され、毎回感心させられた。
作画のクオリティも極めて高く、特に背景が美しい。丁寧な作りのアニメーションで、見る時間はいつも充実していた。宇宙への夢を追い続け、熱い思いを持ち続ける人々の姿には勇気づけられた。エピソードひとつひとつに温かみと前向きさがあり、安心して子どもたちと見ることができた。
素晴らしい作品を生み出したスタッフに感謝したい。
NHK大河ドラマ軍師官兵衛第13回は、「小寺はまだか」。
竹中半兵衛が出てくると、場の雰囲気が締まる。今回も、黒田官兵衛とのやりとりが楽しめた。
橋爪功が朗読する三国志100巻には、「諸葛菜」「後蜀三十年」「魏から-晋まで」が収められている。
最終巻では、篇外余録として、孔明の人となりとその後が記される。特に、孔明の人柄を分析して語る「諸葛菜」は名編で、吉川英治の孔明に対する思いの深さが感じられる。
三国志は幾多の書があるが、吉川英治による劉備・孔明の「義」を柱として描いた構成は完成度が高く、その物語は胸を熱くさせ、深い感銘を与えてくれた。
橋爪功による素晴らしい朗読を聞き終えた後、何を楽しみにしていけばいいのだろうと、しばし虚脱の感を抱いた。
三国志(十) 五丈原の巻 (新潮文庫)
吉川 英治
橋爪功が朗読する三国志99巻には、「銀河の祷り」「秋風五丈原」「死せる孔明、生ける仲達を走らす」「松に古今の色無し」が収められている。
諸葛孔明もついに最期を迎えるが、その遠謀は死後も蜀軍を守り続ける。
吉川英治による長い長い物語も、ここで幕を閉じる。橋爪功の朗読は、まさしく物語に魂を吹き込むものであった。幾多の人物を見事に語り分け、感情の機微を絶妙に表現する様は、名人のみがなせる芸であった。
三国志(十) 五丈原の巻 (新潮文庫)
吉川 英治
2500年前、春秋戦国時代の中国で書かれた「孫子」。兵法の書であるが、経営論、処世術、スポーツ論などとして、様々な立場のリーダーから愛読され続けている。
それは、「孫子」が具体的な戦や武将を論じることなく、軍を動かすエッセンスを記述しているからに他ならない。そのため、読み手がそれぞれの状況に惹き付けて解釈することができる。2500年前に記された思想としての完成度の高さに凄みを感じる。
番組では、伊集院光と武内陶子アナウンサーが日常的なたとえで楽しく語っている姿が印象的であった。
時を越えて水の如く形を変えて受け手に影響を与え続ける名著の魅力が平易に解説されている。
NHK大河ドラマ軍師官兵衛第12回は、「人質松寿丸」。
松寿丸役の若山耀人が凛々しいが、それに頼り過ぎている感もあった。松永久秀のエピソードを、過程もふくめてもっとじっくりと描いてほしかった。
軍師官兵衛 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
NHK大河ドラマ軍師官兵衛第11回は、「命がけの宴」。秀吉が播磨に来ないため、苦悩する官兵衛。
宇喜多直家役の陣内孝則が濃い演技をみせ、高山右近を生田斗真がエキセントリックに演じる。これら個性的な俳優陣によって、あまりひねりのない脚本であるが、楽しんで見ることができた。
軍師官兵衛 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
横山光輝のコミック「三国志」潮漫画文庫第9巻には、「関羽の千里行」を中心とした物語。劉備玄徳と奥方のために、関羽はあえて曹操のもとに身を寄せる。忠義の志を貫く関羽の姿には、原作を読んだときも感銘を受けた。コミックでも、千里行の場面を丁寧に描いている。
巻末の人形美術家、川本喜八郎のエッセイも興味深い。
三国志 (9) (潮漫画文庫)
横山 光輝
2011年4月から始まった、NHKの番組「100分de名著」。その初回に取り上げられたのが、ニーチェの「ツァラトゥストラ」であった。「ルサンチマン」「永劫回帰」などの語句とその背景が分かりやすく解説された。
テキストを振り返り、改めてこの4回が密度の濃い番組であったことを感じさせられる。
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