光触媒が未来をつくる

Hikari_mirai  光触媒の第一人者、藤島昭氏の講演「科学も感動から」で長男が質問をし、サイン入りの著書「光触媒が未来をつくる」をいただき、大事にしている。
 藤嶋氏が書き下ろしたこの岩波ジュニア新書は、中高生でも分かるように記述されているが、中身は濃い。

 触媒を、自分では変わらずに周りの人間模様を変えていくフーテンの寅さんにたとえるなど、独特のユーモアも含まれ、藤嶋氏のお人柄が感じられる。
 科学における研究を、どのように応用につなげていくかを具体的に示しており、たいへん興味深い。科学技術の未来を指し示し、理科を学ぶ子どもたちに希望を与えてくれる良書。

光触媒が未来をつくる――環境・エネルギーをクリーンに (岩波ジュニア新書 〈知の航海〉シリーズ)
藤嶋 昭
4005007058

竜の卵

 「竜の卵」は、上質のSF小説。中性子星の生物と人類の邂逅という、とてつもないスケールの話を、淡々とした筆致で描く。SFの価値をイマジネーションの豊かさに求めるのであれば、これは紛れもない傑作である。

竜の卵 (ハヤカワ文庫 SF 468)
ロバート L.フォワード 山高 昭
4150104689

未来の二つの顔

 人工知能をテーマにしたジェイムズ・P・ホーガンのSF。前半は、研究をめぐる話であり、緻密な科学的叙述が秀逸。後半は、実際に宇宙で実験を行うダイナミックな展開。読後にはカタルシスを感じた。ハードSFの良作。

未来の二つの顔 (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン 山高 昭
4488663052

藤嶋昭氏講演「科学も感動から」

 光触媒の発見者である、藤嶋昭氏の講演「科学も感動から」が群馬県生涯学習センターで行われる。
 2週間前に群馬県総合教育センターにおいても藤嶋氏の講演があった。東京理科大学の学長であり、現在も精力的に研究活動を続けていらっしゃるのに、1ヶ月に2回も群馬県に来てくださるその熱心さには頭が下がる思いである。

Fujisima02  今回は理科の指導者も大勢参加されていたため、光触媒の性質に関する話も多かった。光触媒で半分をコーティングした鏡を蒸気にあてる実験もなされ、興味をずっと引きつける講演であった。

Fujisima03  最後には質問をする人々の列ができた。中学2年生の長男は先頭に並び、「光触媒となる物質は酸化チタンのほかにどんなものがあるのですか。」と質問をした。「いい質問ですね。」藤嶋氏にほめられ、長男はとても喜んだ。

Fujisima04  そして、藤嶋氏のサイン入りの新書 「光触媒が未来をつくる」を手にした。自らの力で得た著者のサインと印のある本は、ずっと大事にされることであろう。本から刺激を与えられ、科学に対する思いを抱き続けることであろう。

 藤嶋氏は、小学生向けの講演でも、質問した児童に本を手渡しているという。子どもたちの身近に置かれた本は、科学への関心と意欲を永く育んでゆくことであろう。

科学も感動から 光触媒を例にして
藤嶋 昭
4487804701

時代を変えた科学者の名言
藤嶋 昭
4487805317

光触媒が未来をつくる――環境・エネルギーをクリーンに (岩波ジュニア新書 〈知の航海〉シリーズ)
藤嶋 昭
4005007058

養老猛司「話が通じない人の思考」

 養老孟司が2003年12月16日に慶應丸の内シティキャンパス定例講演会で行った講演のCDを聴く。終戦の体験から、確実なものは目の前の事実であることを思い知らされ、解剖学の道に進んだことなどが語られる。ざっくばらんな口調ながら、時代に左右されない確固としたものを求める姿勢を感じさせられる。
 「教養とは人の心がわかること」という教育への提言には考えさせられる。

養老猛司「話が通じない人の思考」[CD]
4903478637

ぐんま教育フェスタ

Festa23_01  平成24年2月4日、群馬県総合教育センターで、教育研修員の研究発表を中心としたイベント「ぐんま教育フェスタ」が開催された。長期研修員は、1年間センターで取り組んだ研究の成果をパネル等を使って発表した。長期社会体験研修員は、企業で1年間研修した内容と、そこから得たものについて発表を行った。

Festa23_02  多くの来場者に発表することで、研修員は研究の精度を高め、表現のスキルを学んでいった。そのことは、研修員が学校に戻って子どもたちに教える中で、思考力・判断力・表現力を培う教育にも生きてくるであろう。

 午後には、東京理科大学学長 藤嶋昭氏を講師に招き、「これからの理数科教育に求められる学校教育」という題で講演が行われた。光触媒効果の発見者でもある藤嶋氏の話は、豊富な事例が次々と語られ、学問と教育への情熱に満ちあふれたものであった。
 最後に質問の時間をとり、質問者には、サイン入りの自著が手渡された。密度が濃く、充実感のある講演であった。

ぐんま教育フェスタ

絵でみる 光触媒ビジネスのしくみ

 光をあてるだけでキレイな状態が保たれるテントや壁など、多くの製品に応用されている「光触媒」。その仕組みとビジネスへの展開を、豊富な事例で解説した書。
 光触媒は、酸化チタンが光を吸収するときの反応により、有機物を強力に分解する「酸化分解力」と、水になじみやすい「超親水性」を有している。この性質により、塗るだけで表面をキレイにする、セルフクリーニング機能を発揮する。塗料、抗菌タイル、空気洗浄器など、幅広い応用がなされている。
 安定性、無毒などの性質から、建築素材はもとより、家電製品、医療など、今後も様々な分野への拡大が期待される性質である。踏み込んだ記述もあるが、分かりやすい図が理解を助けてくれる。
 日本発の「光触媒」が、多くの技術に影響を及ぼし、「環境にやさしい」メリットを生かして様々な産業へ広がっていくことを展望できる良書。

絵でみる 光触媒ビジネスのしくみ (絵でみるシリーズ)
藤嶋 昭 村上 武利 西本 俊介 中田 一弥 野村 知生
4820745204

開高 健 パニック

 開高健の小説「パニック」を、橋爪功が朗読したCD。原作は、野ネズミの大量発生と対峙する役人の姿を描いた開高健のデビュー作。自然の鮮烈な描写と行政に対するシニカルな表現が対比をなし、卓越した文体で人間のさがを浮き上がらせる。
 橋爪功が人物を見事に語り分け、濃密な物語に奥行きを与えている。

パニック (新潮CD)
開高 健
4108300882

Newton別冊 E=mc2

 E=mc2、シンプルでありながら、何と奥深い式であろうか。

 科学雑誌「Nweton」の別冊「アインシュタインの世界一有名な式E=mc2」では、エネルギーと質量を結ぶこの式の成り立ちと、導かれる過程、特殊相対性理論、核融合と核分裂などを美しい図と共に解説している。
 物理学の根本に関わる「質量」や「素粒子」について解説しており、興味深い。さらに、本書では宇宙の「暗黒物質」までにも話題は広がる。
 2011年12月に、実験によって垣間見られたことが話題になったヒッグス粒子にも触れられている。
 E=mc2 に関わる驚異的な事実と謎をビジュアルに示し、知的好奇心を刺激する魅力的な書。

 2012年、科学のロマンが、希望を与える光を投げかける年になってほしいと切に願う。 

アインシュタインの世界一有名な式E=mc2―特殊相対論からみちびかれた (ニュートンムック Newton別冊)
4315519189

時代を変えた科学者の名言

 東京理科大学学長、藤嶋昭氏編著による、「時代を変えた科学者の名言」。
 108人の科学者の名言が、歴史順に記されている。それぞれの言葉は、時代を経て生きてきたものであり、たいへん味わいがある。
 各科学者の略歴もあり、科学史をざっと概観するのにも良い。紙面にスペースがあり、たいへん読みやすい。
 挿入されている藤嶋学長のエッセイからは、学長のお人柄と教育に対する熱意が伝わってくる。
 中高生が科学史を学ぶ端緒としても好適な1冊。

時代を変えた科学者の名言
藤嶋 昭
4487805317

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