実社会で活用される数学
今年も高校10年目の教員に対して、銀行員の方から「実社会で活用される数学」の講義をしていただく。講義の1年前にはリーマン・ブラザーズの破綻があり、金融機関のリスク管理が一層求められている現状を分かりやすくお話いただいた。高度な数学手法を用いて、リスクの度合いを測る様子を具体的に示していただいた。
理数系人材の必要性を訴え、数学科教員の使命感を高めていただいたことには、たいへん感謝している。
今年も高校10年目の教員に対して、銀行員の方から「実社会で活用される数学」の講義をしていただく。講義の1年前にはリーマン・ブラザーズの破綻があり、金融機関のリスク管理が一層求められている現状を分かりやすくお話いただいた。高度な数学手法を用いて、リスクの度合いを測る様子を具体的に示していただいた。
理数系人材の必要性を訴え、数学科教員の使命感を高めていただいたことには、たいへん感謝している。
漢字を読み、書き、類義語、反意語など、ゲーム感覚で楽しむDS用ソフト「250万人の漢検」。手書き文字の入力の甘さが、逆にサクサク進み心地よさを生んでいる。子どもが漢字を学ぶ上では、きちんとした書取練習が必要だが、漢字や熟語に親しむためには良いソフト。
「赤ひげ」は、黒澤明監督のヒューマニズムあふれる映画。山本周五郎の「赤ひげ診療譚」を原作とし、加山雄三演じる若き医員と三船敏郎演じる小石川養生所の責任者「赤ひげ」との関係を中心に、患者との様々なエピソードが連なる人間賛歌。
名場面に満ちた作品だが、撮影手法の見事さも相まって、女優たちの演技が印象に残る。狂女を演じる香川京子の美しさゆえに鬼気迫るシーン、根岸明美の入魂の語り。桑野みゆきの持つはかなげな雰囲気なくしては、山崎努演じる佐八とのエピソードは成り立たなかったであろう。二木てるみ演じる少女も、後半のテーマを支えている。
小石川養生所の門は、「博愛」を象徴するかのように、十字架を二つ連ねた形に見え、名優の背後で存在感を持つ。
俳優の熱演とスタッフのこだわりとが結実した、日本映画の名作中の名作。
「医術がもっと進めば変ってくるかもしれない、だがそれでも、その個躰のもっている生命力を凌ぐことはできないだろう」
山本周五郎「赤ひげ診療譚」は、江戸小石川養生所を舞台にした長編小説。
貧しい民に診療を施す小石川養生所に不本意ながら配属された若き医員と、横柄な態度をとる医長「赤ひげ」。二人の関係を軸に、体や心を病んだ貧しい人々の様々なエピソードが連なり、物語は進んでいく。どの話も深い人間洞察に裏打ちされた哀歓に溢れ、心底感銘を受ける。
円熟の筆と卓抜した物語で医療や教育の本質をあぶり出す名編。
中学で習う基本的な英単語に、ドラえもんの4コマ漫画がついた辞典。漫画の会話が一部英語で記してあり、例文にもなっている。英語に馴染むのに好適な一冊。
大人の科学マガジン Vol.24は、「4ビットマイコン」。入力はテンキーのみ、出力は一桁の7セグメント表示と8個のLED、単音のスピーカーのみ。しかし、4ビットのCPUで制御することにより、タイマー、自動演奏、ゲームと、様々なことに利用できる。あらかじめ組み込まれたゲームの他に、プログラミングをして楽しめる。
シンプルなだけに、コンピュータの仕組みが理解でき、ソフトウェアの威力が感じられる。1970年代のTK-80、EX-80などのワンボード・マイコン登場に立ち会った人々には、当時のワクワク感が甦ってくるだろう。
小学6年生の長男に誕生日プレゼントとして与えたところ、単純で様々に応用できる世界に惹かれたようだ。言語世界が広がる発達段階にマッチしているかもしれない。
コンピュータの仕組み、2進法の理解、プログラミングの初歩など、情報科学の基礎を学ぶ上できっと役立つ4ビットマイコン。
大人の科学マガジン Vol.24 (4ビットマイコン) (Gakken Mook)
大人の科学マガジン編集部
ミニゲームを遊ぶ、作って楽しむ、交換して分かち合う。「メイドイン俺」は、ゲームを作る喜びを味わえる貴重なソフト。楽しみながら、ゲーム製作の仕組みが体験できる。
そうそう、ちょっとした操作で自分の世界を広げられるプログラミングは、素晴しい世界。日本はソフトウェアが貴重な財産。プログラミングの楽しさを多くの人に知ってもらい、クリエイティブな層が広がることが日本を救うノダ。創造の喜びを体験できる場がもっと広がらなくては、日本の未来はない!
校長としての体験と考えを綴った久保田武氏の著作。元東京都立羽田高等学校(現在、羽田工業高等学校と統合され東京都立つばさ総合高等学校となっている)の校長赴任当時の実践を中心に記されている。
1990年のコース制導入を中心として、どのように改革を推進したかを冷静に示している。幾多の困難に対し、どのように解決を模索し実行に移したかという点が詳細に記され興味深い。
校長としてのリーダーシップが実際的に示されている書。
「Dimensions」は、数学をコンピュータグラフィックスで表現した映像作品。ステレオグラフ射影から始まり、2次元、3次元、4次元と解説が進む。特に、4次元多面体の映像は創造力を刺激する。また、複素数平面、フラクタル図形、ファイブレーションも見事なグラフィックスで示される。数学の美しさを堪能できる素晴しい作品。
http://www.dimensions-math.org/ のサイトで映像を視聴できる。10ユーロでより映像の美しいDVDを購入することもできる。また、東京大学に設けられた下記サイトでは、教育機関を対象とするDVD配布の案内が示されている。
高校生や、数学に興味を持つ多くの人に見てほしい映像作品。
「ゼータ関数の自明でない零点の実数部はすべて1/2である。」
「素数に憑かれた人たち」は、数学における最も重要な未解決問題「リーマン予想」について、その内容と、解決に挑んだ人々の姿を描いた書。奇数章には数学の解説が記され、偶数章には背景となる歴史や伝記的な話題が述べられている。
現代数学においても難問であるリーマン予想を、平易に記述し、伝えようとする工夫が素晴しい。数学教育においても、参考になる点が多い。また、数学者が生きた時代背景やエピソードが興味深い。単なる数学の解説書ではない広がりがあり、読み物としても飽きさせない。近現代における数学者の列伝としての側面も持っている。
歴史の縦糸のひとつとして数学が息づいている様を見事に描いた本。
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