統計のはなし

 大村平氏の数学の本は、本当に分かりやすい。様々なたとえを用いて、丁寧に数学の考え方を語りかけてくれる。
 この「統計のはなし」は、やや難解な統計の手法をも、ユーモアとこなれた言葉でナットクさせ、至芸といってもいい名調子。
 実験計画法や品質管理など、著者の専門を背景に語られる箇所もあり、親しみやすい割に内容は濃い。
 ごく一般的な統計の本を読んで、どうもよく分からないという箇所が、この本で氷解した部分もある。分かりにくいところをどう教えるかを、著者は相当深く考えたに違いない。幅広い教養と深い体験、そして教育への情熱があって初めて著しえる本だと思った。
 統計を学び始めた人はもちろん、統計を教える人も、必ず参考になるだろう。

統計のはなし―基礎・応用・娯楽
大村 平
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ゼロから学ぶ統計解析

 『数十分のテストで成績を付ける。
  数ヶ月のお付きあいで結婚を決意する。
 おかみさんは、味噌汁を作るとき、よくかき混ぜてから、ほんの一口の味見で、味噌汁の味を決めています。このように、
     一部から全体を推し測る
こと、これこそが、統計学の任務なのです。』

 平治親分の語りはホントうまいなあと、感心してしまう(著者の小寺平治氏は、自分で愛称平治親分と言っている)。具体例を基に、数式もきちんと入れて統計処理の考え方と技法を語っている。そう、天下り的な説明ではなく、「語り」に近いのだ。理論と思想をきちんと踏まえた上で、具体的な例から語れる人は、数学では本当に貴重だと思う。それができる教育者を増やすことが、今の日本ではとても大事な課題だ。

ゼロから学ぶ統計解析
小寺 平治
4061546562

3日でわかる確率・統計

 3日でわかるかどうかは別にして、確率・統計の考え方が具体的によくまとめられている。2ページを基本として、ポイントを押さえてかみ砕いて説明されている。
 著者の小林道正氏は、大学の先生だが、分かりやすい本を多方面にわたり数多く書いており、文章もこなれていて読みやすい。
 数学と社会を結ぶ実例として、また、実際に身につけるべき内容として、確率・統計はもっと学校教育でも比重を増すべきだ。

 3日でわかる確率・統計
小林 道正
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算数ドリル

 昨日、小2の息子がようやく小学4年生計算ドリルをやり終える。

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 今日から小学校5年生の算数ドリルに取り組ませる。100マス計算1ページと割り算50問をさせた後、整数についてふれる。

Seisu01  偶数と奇数についての問題があったが、大事な箇所である。
 偶数と奇数に分けることで、数学の「集合」の概念を話すことができる。また、整数を割り算の余りによって分類することは、「剰余類」と呼ばれる代数の基本的な考え方のひとつである。さらに、「偶数+偶数=偶数」、「奇数+奇数=偶数」 についは、集合が演算について閉じているか否かという、代数における基本を見据えさせる問題である。小学校5年生の内容といえども、すぐ背後に現代数学への扉が開かれている。

新課程学力ドリル算数 (小学5年生)
影浦 邦子
4883133125

初めて学ぶ統計学

 データ処理を理解してもらうための本を探したが、なかなかこれという本が見つからなかった。統計についての本は、数式が多く難しい割に具体例が少ないか、逆にコンピュータでExcelなど表計算ソフトに数値を入力してインスタントに結果を得る方法が説明してあるが、数学の裏付けにあまり触れていないかの、どちらかに偏っていることが多い。

 書店の本棚にあった統計学の本を手当たり次第にめくっているうちに、一冊、いい本に巡り会えた。書名は、現代数学社の「初めて学ぶ統計学」。

 数式を掲げた後に、それを用いた具体例が載っており、バランスのとれた本である。考え方やポイントがよくまとまっており、学習者への配慮がよくなされている。データ処理の基本を学ぶには、好適な一冊。

初めて学ぶ統計学

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かけわり算

 4年生算数ドリルの終わり間際に、「かけわり算」という難関があった。Kakewari_1 ある数字に2,3,4,5,6,7,8,9を順に掛け算をし、次にその結果を逆に2,3,4,5,6,7,8,9で割っていくという計算問題。例えば、

 74×2×3×4×5×6×7×8×9 = 26853120

 26853120÷2÷3÷4÷5÷6÷7÷8÷9 = 74

のように、元の数にもどれば計算は合っていることになる。息子に計算させたところ、掛け算は10分でできたが、割り算は30分もかかった。息子はドリルに取り組んでいる間は正座をしているので、40分間の計算を終えた後は、さすがに足がしびれたようで、しきりに足をはたいていた。それでも、充足感のある表情をしていた。

算数ドリル

 息子が1年生の夏休みに、少しでも学習に興味を持たせようと思い、成就感の得やすい算数のドリルを買って取り組ませてみた。比較的やさしめで、飽きないように多様な形で問題が出されている計算ドリルを選んだ。80ページの問題集だが、内容が易しいので、8月1日に始めて8月30日には終えることが出来た。終わったときは、本人も嬉しそうだった。

 2学期に入ってから、100マス学力研プリント (小学1年生)をやらせるが、これも2ヶ月で終えることができた。このマス計算のドリルでは、着実に計算力がついたことを、本人も周りも実感できた。

 1年生の11月から1月にかけて、小学2年生の計算ドリル をさせ、掛け算九九は間違いなく出来るようになった。1年生の2月から、2年生の4月の3ヶ月間で小学3年生の計算ドリルを終えることができた。3桁×3桁の掛け算などがあり、骨があった。

 現在、前述の小学4年生計算ドリル小学3年生の文章題の問題集を並行してやっている。さすがに4年生の割り算の筆算は習熟に時間がかかり、5ヶ月以上かかっている。

学力ドリル計算
(小学2年生)

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学力ドリル計算
(小学3年生)

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学力ドリル 算数文章題
小学3年生

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割り算

 今、小学校2年生の息子に4年生の算数ドリルをさせている。やはり、4年生の算数は、小学校での大きなポイントとなる。warizan001

 特に、「2桁で割る割り算」が大きな意味を持っている。筆算の過程で足し算、引き算、掛け算と、今まで習った全ての計算を使う。889÷28 の筆算を例にとると、まず 88÷28 を考えるのだが、ここで、8÷2の経験から、4を立てて進めると引き算が出来なくなるので、3を立てる。28×3=84 を88から引いた4の横に、889の9をおろし、49÷28を行う。このように、「立てる→掛ける→引く→おろす」という、いままでより複雑な手順を踏むことと、機械的に答えるのみでなく試行錯誤が必要となることが、同時に出てくる場面である。ここを乗り越えることで、総合的な計算力が身につくと共に、自信を持つことができる。逆に、ここでつまずく可能性も大いにあるのだ。

 他にも、このドリルでは、100マス計算、商と余りの計算(1ページに50問)、3桁×3桁の計算、4桁÷2桁の割り算、小数の計算、何兆何億という大きな数の扱いなど、多彩な内容がある。本当にやり甲斐のあるドリルだが、なんとかゴールが見えたところだ。

新課程学力ドリル計算 (小学4年生)
前田 昌彦
4883133257

ドラゴン桜 (1)

 「教えてやる!東大は簡単だ!!」

 倒産の危機にある高校を建て直すために、債権整理にやってきた弁護士が、東大合格者の輩出を目指すコミック。

 強烈に面白い。一晩で1巻から4巻までを読んだが、次から次に受験のテクニックが、インパクトのある描写で披露される。受験生の葛藤、教師の在り方など、様々な視点が盛り込まれており、ストーリーに引込まれた。

 とにかく勉強することを前向きに捉えている点が素晴らしい。そう、高校生は、勉強に真剣に取り組んでいる自分を、もっと誇りに思っていいのだ。

ドラゴン桜(1) (モーニング KC)
4063289095

ドナルドのさんすうマジック

 ディズニーのおなじみキャラクター、ドナルド・ダックが数学の不思議を紹介する短編映画「ドナルドのさんすうマジック」。黄金比が、建築物や音楽、自然界に溢れていることを紹介する部分は、アニメーションのプロの技をもってすると、数学がこんなに生き生きと描かれるのかと感嘆した。

 数学というと、一般には、なんだか構えてしまう雰囲気がある。もっと自然に、数学が社会とかわっていることが様々な場面で示されるといいのだが。

とっておきの物語 / ドナルドのさんすうマジック

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