ニーチェ『ツァラトゥストラ』 (100分 de 名著)
2011年4月から始まった、NHKの番組「100分de名著」。その初回に取り上げられたのが、ニーチェの「ツァラトゥストラ」であった。「ルサンチマン」「永劫回帰」などの語句とその背景が分かりやすく解説された。
テキストを振り返り、改めてこの4回が密度の濃い番組であったことを感じさせられる。
2011年4月から始まった、NHKの番組「100分de名著」。その初回に取り上げられたのが、ニーチェの「ツァラトゥストラ」であった。「ルサンチマン」「永劫回帰」などの語句とその背景が分かりやすく解説された。
テキストを振り返り、改めてこの4回が密度の濃い番組であったことを感じさせられる。
下町の中小企業が困難に立ち向かう姿を描く池井戸潤の小説「下町ロケット」。エンジン部品を作る町工場に、大手企業からの取引停止、資金繰りの悪化、特許侵害の訴訟など、次々と危機が訪れる。
「半沢直樹」シリーズの作者が、圧巻のリアリティと巧みなストーリーテリングで一気呵成に読ませる。高い技術力を武器に、自らの夢と矜持をかけて問題に向き合う人々の姿に励まされ、読後感もたいへんによい。直木賞受賞作品。
下町ロケット (小学館文庫)
池井戸 潤
製薬業界の内幕を描いた、アーサー・ヘイリーの小説「ストロング・メディスン」。
販売員から製薬会社の幹部に登りつめていく女性を通し、薬品と医療との関わり、薬品開発の熾烈さなどが描かれる。
巧みなストーリー・テリングの内に薬害、倫理の問題を織り込み、読み手を惹き付ける。1984年の作品であるが、今なお色あせない。
ストロング・メディスン
アーサー・ヘイリー 永井 淳
「世界で自分のことをいちばん理解しているのは、家族でも恋人でもなく、そして自分自身でもなく、実はグーグルであることがよくわかる。」
世界の情報をのみこみ、成長をし続けるGoogleのビジネスを分かりやすく示した書。
Googleの正体 (マイコミ新書)
牧野 武文
「黒い家」は、ホラー小説の傑作。生命保険の査定にあたる若き社員に、底知れぬ恐怖が襲いかかる。保険会社の内情がリアルに描写されている。心理学の知見も加わり社会の暗部をあぶり出し、超常現象に頼るホラーとは一線を画し、作品に厚みを与えている。
ストーリーテリングの巧みさが光り、読み始めたら最後まで一気に作品世界に引きずり込む。
第4回日本ホラー小説大賞受賞作。
黒い家 (角川ホラー文庫)
貴志 祐介
TBSのドラマ「半沢直樹」第10話。いよいよ最終回である。視聴率は42.2%と歴代最高。銀行を舞台にした劇画調ドラマも一区切り。しかし、明らかに続編を意識したラストであり、半沢の活躍がまだ見られるという余韻を残す。
思い切りのいい演出が小気味よいドラマであった。
オレたち花のバブル組 (文春文庫)
池井戸 潤
TBSのドラマ「半沢直樹」第8話では、金融庁検査の「模擬検査」が行われる。山田純大が演じるタブレット端末を常に操作する融資部社員が相手。敵役としては、ちょっと迫力に欠けたか。
いつもながら、半沢のキレのイイ啖呵が冴える。
オレたち花のバブル組 (文春文庫)
池井戸 潤
TBSのドラマ「半沢直樹」第7話では、金融庁検査とホテル再建に挑む半沢の姿が描かれる。
お家騒動、黒幕、啖呵を切る主人公と、銀行を舞台にした時代劇の趣で、明快な様式の上で進んでいるドラマだから安心して見られるのかもしれない。
オレたち花のバブル組 (文春文庫)
池井戸 潤
TBSのドラマ「半沢直樹」第6話では、東京中央銀行本部に栄転した半沢に、資金の運用失敗で120億の損失を出した伊勢島ホテルの再建が命じられる。
伊勢島ホテル編の第1回目だが、25分拡大版とはいえ、随分と話が進んだ。京橋支店の貝瀬、古里といった登場人物がスーツを着ながら、いかにも魑魅魍魎という風貌で思わず笑ってしまった。モーツァルトを気取るタミヤ電気社長、老獪な雰囲気を漂わせる羽根専務、清廉な湯浅社長など、キャラクターの特徴を際立たせ役柄を見ているだけで楽しめる。今後、一見不可能と思えるミッションに、主人公がどう立ち向かうか見物。
半沢の胸のすく活躍もさることながら、同期社員で精神的に壊れそうになった近藤の再起から勇気を与えられた。
オレたち花のバブル組 (文春文庫)
池井戸 潤
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