歴史人 2012年 01月号
NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」第3部が佳境に入っている。雑誌「歴史人」2012年1月号は、「日清・日露戦争の真実」を特集に掲げ、ビジュアルに解説がしてあり興味深い。三笠の内部や、日本海海戦の詳細など、長男も関心をもち眺めていた。
NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」第3部が佳境に入っている。雑誌「歴史人」2012年1月号は、「日清・日露戦争の真実」を特集に掲げ、ビジュアルに解説がしてあり興味深い。三笠の内部や、日本海海戦の詳細など、長男も関心をもち眺めていた。
NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」第11回は「二〇三高地」。乃木希典の悲壮感を奥に秘めた演技と、児玉源太郎の明晰な判断が対比をなし、友情以上の感情で指揮を交代する様が胸に迫る。
覚悟をもった映像表現に圧倒された90分であった。
いよいよ、1年間待ちに待った「坂の上の雲」第3部が放送された。明治という時代の特質を語るオープニングのナレーションを聴いただけで、胸に熱いものがこみ上げてきた。
旅順攻略では、日本とロシアとの圧倒的な兵力差を見事に描いていた。そのリアリティには息をのむほどの力があった。
どの俳優も気迫のこもった熱演であったが、特に児玉源太郎を演じる高橋英樹の入魂の演技が素晴らしい。乃木希典の悲壮感を柄本明がにじみ出るように演じ、合理主義を貫く児玉源太郎との対照により、古からの日本と近代化とのせめぎ合いを悠然としたスケールでじっくりと表出していた。
仏教の開祖、仏陀の生涯を描いた手塚治虫の漫画「ブッダ」。幾多の登場人物を縦横に活躍させ、巧みなストーリー・テリングにより一気に読ませる。
仏典にはない人物も多数登場し、フィクションの要素も多いが、苦悩する人々の生き様からは多くのことを考えさせる。
深みとエンターテイメント性を兼ね備えた、漫画の名作中の名作。
ブッダ全12巻漫画文庫
手塚 治虫
鈴木大拙が1960年に行った講演のCDを聴く。90歳であるが、実に矍鑠としており、声に張りがある。
東西思想の対比から、分かりやすい喩えを用いながら自由をもたらす世界観を語る。
禅と科学 (新潮CD 講演)
鈴木 大拙
池井戸潤原作の「空飛ぶタイヤ」を、WOWWOWが全5話でドラマ化。実際にあった自動車会社のリコール隠しをモチーフとした作品だけに、スポンサーの影響を受けない有料放送でドラマ制作が実現した。
主役の運送会社社長を仲村トオルが熱演する。運送会社側、自動車会社側、被害者、警察、マスコミ、銀行と多くの人々が登場するが、キャスティングも脚本も見事で、ぐいぐいとドラマに引き込まれる。
原作に比較的忠実であるがゆえに、その力が生かされている。また、どの俳優もいい演技をしており、心に迫る。
ひたむきに生きる人々をじっくりと描いた、勇気を与えてくれるドラマ。
運転中にトラックのタイヤが外れ、当たった母子が死傷する。原因はトラックの整備不良と断定されるが、運送会社の社長はその結果に納得がいかず、大企業を相手に孤独な闘いを挑む。しかし、行く手には次々と苦難が襲いかかる。
テンポの良い展開と描写のリアルさに圧倒される。あまりの迫力にページをめくる手がとまらず、下巻は仕事帰りに買ってその日の夜に読み終えてしまった。
骨太の企業小説であるが、市井の人々への暖かい眼に裏打ちされ読後感は良い。
大企業の倫理を問う、渾身の力作。
空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)
池井戸 潤
空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)
池井戸 潤
「マネージャーには根本的な資質が必要である。真摯さである。」
ドラッカーの「マネジメント」は、単に企業経営についてのみでなく、あらゆる組織が見つめ直すべき観点が深い洞察に基づいた言葉で語られる。
「社会や経済は、いかなる企業をも一夜にして消滅させる力を持つ。」
「市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適である。」
「波に乗っているだけの企業は、波とともに衰退する。」
など、短い警句で本質をずばりと突く鋭さには幾度となくはっとさせられた。
組織における自らの仕事についての方向を確認したいとき、自然とひもときたくなる本である。
名著のみがもつ凛質を備えた書。
マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則
P・F. ドラッカー 上田 惇生
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