釈迦
病み衰えた体で最後の旅に出るブッダ。それを支えるアーナンダとの語りや、浮かび上がる過去を通してブッダの思いが自然に綴られる瀬戸内寂聴の「釈迦」。
静かな筆運びであるが、鮮烈な物語が織り込まれ、豊かなシンフォニーのようなまとまりがある。ブッダの涅槃に至るまでを丁寧に描いた円熟の小説。
病み衰えた体で最後の旅に出るブッダ。それを支えるアーナンダとの語りや、浮かび上がる過去を通してブッダの思いが自然に綴られる瀬戸内寂聴の「釈迦」。
静かな筆運びであるが、鮮烈な物語が織り込まれ、豊かなシンフォニーのようなまとまりがある。ブッダの涅槃に至るまでを丁寧に描いた円熟の小説。
コンピュータ、量子力学、ゲーム理論、天気予報など、現代社会を支える理論を数多く構築した天才フォン・ノイマン。本書は、その生涯と関わった人々を描きながら、ノイマンの思想の根底に迫っている。
ノイマンの圧巻の才能に驚かされるが、関わった数学者や物理学者の略歴も紹介され、実に興味深い。ノイマンは多くの分野に関わったため、現代数学や科学を概観する内容にもなっている。
特に、第二次世界大戦と科学者たちとの関わりは、原子爆弾開発の史実とあいまって重みをもって読み手にせまってくる。
1900年代にいかに科学が多様な広がりをもち、実社会への応用がなされた時代であるかを如実に伝えるとともに、私生活が絶妙のタイミングで記載され独特のユーモアをも放ち読み手を飽きさせない。
真の天才の生涯を通し、現代科学の礎を俯瞰する密度の濃い良書。
二十世紀を代表する三人の天才フォン・ノイマン、クルト・ゲーデル、アラン・チューリングの三人について、代表的な講演・論文とその生涯・思想について触れた書。ノイマンの講演「数学者」、ゲーデルの講演「数学基礎論における幾つかの基本的定理とその帰結」、ノイマンの論文「計算機と知性」の全訳が各章の冒頭に記されている。
三名の言葉もそれぞれ独特の個性を表出しているが、偉業を成し遂げたその生涯も実に興味深い。特に、結婚にまつわるエピソードが人生を象徴している感がある。各人の最期の姿には、天才の栄光と苦悩が凝縮されている。
コンピュータや論理学の礎を築いた天才たちの息吹にふれることができる著。
後漢の始祖、光武帝を描く宮城谷昌光の小説「草原の風」。下巻では、天下統一のうねりが、真の叡智をもった人物によってなされる様が鮮やかに活写される。
吹き抜ける風のように爽やかな気を与えてくれる歴史ロマン。
王莽の政治は混迷を極め、各地で反乱が勃発する。劉秀、後の光武帝は兄と共に決起し、戦いを重ねていく。
後漢王朝の始祖、光武帝を描く宮城谷昌光の小説「草原の風」。中巻では、劉秀の叡智に惹かれて多くの人々が集まってくる様が、戦国のダイナミズムの中で情感豊に描写される。
草原の風(中) (中公文庫)
宮城谷 昌光
後漢王朝を打ち立てた光武帝の生涯を描く、宮城谷昌光の小説「草原の風」。上巻では、若き日の光武帝・劉秀の学ぶ姿と、後に関わる人々との出会いが活き活きと描写されている。
草原の風(上) (中公文庫)
宮城谷 昌光
燎原の火の如く中国全土に広がった戦は、国土と人心を荒廃させた。斉の国も奔流にのまれ、蹂躙されていく。この混乱の中で、義を貫き、不撓不屈の精神を示した武将田横の生き様が鮮やかに描かれる。
清澄な境地へと読者を導く最終巻。
香乱記〈4〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
中国の統一をはたした秦も、苛烈な政治への反発が全土に広がり、終焉を迎える。名将が綺羅星のごとく生まれ、武力と智力の限りを尽くした戦が繰り広げられる。歴史の変わり目を怒濤の勢いで活写する第三巻。
香乱記〈3〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
秦の末期、陳勝・呉広が反乱を起こし、その波は中国全土に拡大する。項羽・劉邦も頭角を現す。大きなうねりを記す第二巻。
香乱記〈2〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
秦の始皇帝の圧政下、人々は苦しみ、反乱の胎動が中国全土で起こり始めた。斉王の末裔である田横は、様々な試練に合い、故郷斉の地を後にして幾多の人々と運命の出会いをする。
項羽・劉邦の争いを主軸とした動乱の中で、信義を貫いた武人の姿を描く歴史大作。波乱に満ちた第一巻。
香乱記〈1〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
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