未来少年コナン 6
「未来少年コナン」第6話は「ダイスの反乱」。ラナを助け出したコナンは、インダストリアからの脱出を図る。三角塔の中で二人が目にしたのは、巨大な蛾のような飛行艇であった。
コナンの超人的な活躍がめざましい。演出を嬉々としておこなっている様が伝わってくる。
爆撃機「ギガント」が存在感を示す。その巨大な車輪の下で交わされる二人の会話はインダストリアの本質に関わるものであった。
演出が冴え渡る驚異的な密度をもつ回。
「未来少年コナン」第6話は「ダイスの反乱」。ラナを助け出したコナンは、インダストリアからの脱出を図る。三角塔の中で二人が目にしたのは、巨大な蛾のような飛行艇であった。
コナンの超人的な活躍がめざましい。演出を嬉々としておこなっている様が伝わってくる。
爆撃機「ギガント」が存在感を示す。その巨大な車輪の下で交わされる二人の会話はインダストリアの本質に関わるものであった。
演出が冴え渡る驚異的な密度をもつ回。
「未来少年コナン」第5話は「インダストリア」。 ロール・プレイング・ゲームでも、新しい土地に着いた時はワクワクする。コナンがインダストリアにたどり着いたこの回は、なにものにも代え難い高揚感がある。
核戦争で荒廃した世界に、これほどの都市があること自体に驚く。太陽エネルギーを用いる三角塔の存在感が素晴らしい。コナンがラナの所在を突き止める過程で、その土地の階層社会を自然と伝える手法が実に見事である。何より、インダストリアの細かい造形が丁寧に描かれ、世界観を確かなものにしている。
このあまりに密度が濃い1話にそそいだエネルギーはどれほどのものだろうか。作り手の執念に感服する。
宮崎駿の徹底したこだわりが横溢する、まさしく神回。
「未来少年コナン」第4話は「バラクーダ号」。コナンとジムシィは船内に侵入するも、ジムシィが料理を食べてしまい、追われる身に。捕らわれ、バラクーダ号で酷使されることになる。
船の造形をうまく利用した回。コナンとジムシィの絆が深まる様が限定された空間で巧みに描かれている。
「未来少年コナン」第3話は「はじめての仲間」。荒波を乗り越え、コナンは島にたどりつく。廃墟をさまようコナンの背後に、人影が動く。
コナンが終始活発に動き回り、作り手もたいへんだったのではないか。「ルパン三世 カリオストロの城」の冒頭やカーチェースを彷彿させる動きが多く見られる。一瞬、コナンがルパンに見えてしまうほどであった。
「未来少年コナン」第2話は「旅立ち」。ラナを連れ去られ、おじいさんの悲運に接し、コナンは旅立ちを決意する。
飛行艇に取りつき、素手で立ち向かうコナンの勇姿が素晴らしい。岩を次々と割るシーンにも、思いが込められている。何より、おじいがコナンに聞かせる、絶海の孤島に不時着してからコナンが誕生するまでの話には感動した。
人々の営みが丁寧に描写されていることがこの作品の魅力であることを再認識させられた。
NHK初のテレビアニメシリーズ「未来少年コナン」。1978年に放送され、宮崎駿が実質的な監督をつとめていた。核戦争後に多くの土地が海面下に没した世界に残された人々の物語。
第1話は「のこされ島」。おじいさんとコナンが暮らす島に、ひとりの少女が流れ着く。島の平穏な日々は、その追っ手によって破られることになる。
少年コナンは超人的に元気な活躍をするが、これを作ったスタッフも超人的な仕事であったのではないか。1話の密度からして半端ではない。コナンがサメを追う海中のシーンをとおして、海に沈んだ世界の様子が自然と描かれる、その前半から感銘を受けた。
何度か見た作品ではあったが、第1話を見るともう次回が気になりしかたがない。やわらかな絵柄であるが、演出の見事さとともにその世界に引き込まれてしまう。
宮崎駿の魂がこもった、冒険活劇アニメーションの傑作中の傑作。
「肉になるのに、みんな素直だな。」
「駒場さんとこは、仔牛の頃から一頭一頭丁寧に面倒みてるから、人間を信用しているんだよ。」
離農した酪農家が、多くの牛を他に引き渡すときに主人公が見送るときの会話。
アニメ「銀の匙」は、農業の現実を描き、単なる青春グラフィティに終わらない深いテーマを提示している。制作スタッフも、その思いを大事にして作っていることが伝わってくる。
農業と食に携わる人々の思いと現実を、軽妙さを失わずにかつ真剣に描いたアニメーション。日本が誇るアニメの本質がこの作品に結実している。
ルパン三世「カリオストロの城」は、宮崎駿の映画初監督作品。湖に屹立する城を舞台に、大冒険活劇が繰り広げられる。
寸分の隙もない練り込まれた脚本、心に迫る美術、個性豊かなキャラクターと繊細な心理描写、一人一人の動きを丁寧に描き分ける群衆シーン、遊び心に満ちた演出、どれもが見事ですべてのシーンが印象に残る。
何度見ても素晴らしい長編アニメーション映画の大傑作。
ルパン三世 カリオストロの城 [DVD]
宮崎駿 山田康雄
「ベイマックス」はディズニー映画だが、子ども向けとあなどることなかれ。オタッキーの心をくすぐる、かなりマニアックなCGアニメーションである。日本の特撮やアニメへのオマージュも至る所に散りばめられている。
美術的には、都市の情景が素晴らしい。東京とサンフランシスコを混ぜ合わせたような描写には、相当力が入っている。
何より、科学技術への明るい志向がいい。未来を切り開くのは科学だという、素直な割り切りが良い。
とことん作り込まれた動きと、マニアックな設定、ちょっぴりハート・ウォーミングなディズニーの野心作。
「希望はもたぬことだ。心が壊れたら 残るのは狂気だけだ。」
砂漠化し、荒廃した世界で、主人公マックスは巨大な砦に連行される。そこは、潤沢な水をもつ好戦的な集団が支配する城であった。
逃亡を企てた女性たちを、軍団が追跡するが…
一見、アウトローが跋扈するヒャッハーなノリに終始するかと思ったが、意外にヒューマンな面をもったストーリーであった。
ひたすら圧巻のスペクタクルに身を委ねられるアクション映画。
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