映画 クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~
クレヨンしんちゃん映画第23作「オラの引越し物語」。ひろしの異動により、メキシコに引っ越すことになった野原一家を巻き込む事件を描く。
メキシコの街並みがよく描かれ、現地のキャラクターもよく立っている。
海外を舞台としながらも、しんちゃんはマイペース。「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」のフーテンの寅さんを思わせる。
いろいろな要素がつまっており、最初から最後まで楽しませてくれる快作。
クレヨンしんちゃん映画第23作「オラの引越し物語」。ひろしの異動により、メキシコに引っ越すことになった野原一家を巻き込む事件を描く。
メキシコの街並みがよく描かれ、現地のキャラクターもよく立っている。
海外を舞台としながらも、しんちゃんはマイペース。「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」のフーテンの寅さんを思わせる。
いろいろな要素がつまっており、最初から最後まで楽しませてくれる快作。
ペットたちの活躍を描くCGアニメ「ペット2」。「ペット」の続編で、動物の描写や表情がより細やかになっている。桜が咲き誇るニューヨークから始まる。背景描写が素晴らしい。
気軽に家族で見られる映画。
最も感動した映画、何度思い出しても感動する映画を挙げるとすれば、ためらうことなく原恵一監督の「映画クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」を挙げる。この作品は別格である。
1970年の大阪万博のシーンから始まり、昭和のノスタルジーを漂わせながら、今を生きることをじっくりと考えさせてくれる。お笑いの要素を散りばめつつ、心底感動させる脚本は、奇跡的。こどもの日に家族で見て、その感をいっそう強くした。
全ての世代が楽しめ、見る人の心を暖め、家族や自分の人生を大切にしようと自然に思わせてくれる。日本映画の傑作中の傑作。
太平洋戦争前後の広島・呉を舞台とし、市井の人々の姿を描く「この世界の片隅に」。こうの史代による漫画を原作とし、片渕須直がアニメーション映画化した。
主人公すずは、広島から呉に嫁ぎ、戦時下の困窮する暮らしの中でも工夫を凝らし生活に潤いをうみだす。
一貫して日常的な視点で人々が描かれ、ほのぼのとした絵柄で温かみを感じる。それゆえに戦争の悲惨さが際立つ。
諄々と心に染みる至高のアニメーション。
ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を漫画化した作品。1860年代、農奴解放令が出されて間もないロシアを舞台に、地主フョードルの家族をめぐる物語。純真な心根をもち、神に仕える三男アリョーシャ、冷徹なインテリの次男イワン、奔放で一本気な元軍人の長男ミーチャの三兄弟を軸に、様々な人物がからむ群像劇。その言動の内に、人々の生きる意味や神の存在が問いかけられる。
長大な原作は、大学のときに読みかなりの期間、おそらく2ヶ月以上がかかった。しかし、漫画ではほんのわずかな時間で読めてしまう。しかし、読後感はそれほど変わらないように感じた。エッセンスがうまく詰め込まれているからであろう。
新進気鋭の漫画家、岩下博美が、原作をじっくりと読み込み、物語を焦点化し、見事な画力で絵にしている。怒濤の展開が当時の空気感を伴って劇画化され、極めて密度の濃い作品となっている。
カラマーゾフの世界を圧巻の迫力で活写する力作。
ドストエフスキー『罪と罰』を原作とする漫画。1865年、帝政ロシアの首都で暮らす学生、ラスコーリニコフは、自らの理論に基づき、老婆を襲い金品を奪うことを決意する。
岩下博美氏は、原作を咀嚼し、物語のエッセンスを趣のある絵柄で描いている。登場人物の個性も良く表出され、人間関係や心理がスリリングな展開をもって迫ってくる。背景となるサンクトペテルブルクの描写も良く、当時の雰囲気を彷彿とさせる。
原作の本質に肉薄した力作。
罪と罰 (まんが学術文庫)
岩下博美
ショーペンハウアーの「幸福について」を基にした漫画。しかし、アフォリズムに満ちた書を単に表現しただけでなく、ショーペンハウアーの生い立ちをもストーリーに盛り込み、極めて興味深く読める。気がついたら、書の中に引き込まれていた。
単に書に内容を羅列するのではなく、登場人物のホンネをはさみながら描かれているので、説得力がある。背景の絵も素晴らしく、当時のドイツの雰囲気が伝わってくる。漫画というのはすごいメディアだとあらためて感じさせてくれる。
哲学への扉をひらく、見事な構成の漫画。
幸福について (まんが学術文庫)
ショーペンハウアー 伊佐義勇
ファンタジーというと、日本では剣と魔法の世界という、画一的なイメージがあるかもしれない。しかし、ルネ・ラルー監督の1973年に公開された映画「ファンタスティック・プラネット」は、甘っちょろいファンタジーのイメージを払拭する、鮮烈なアニメーション。巨人が支配する惑星で、ペットのように扱われる人間を描く作品。
奔放なイマジネーションの飛翔に圧倒される。
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第八回は、「同盟のゆくえ」。光秀は、海辺で信長と出会う。自ら海で釣った魚を漁村の人々に手ずから切って売る信長を見て、光秀は不思議な印象をもつ。
美濃に戻り、光秀は帰蝶に「尾張にお行きなされませ」と信長への嫁入りの背中を押す。
微妙な心理劇が続いている。光秀と帰蝶、駒との関係もはっきりと描かないがゆえに物語にひきつけられ、見入ってしまう。光秀の鈍感だか演技だか定かでない微妙な立ち位置が、本作の複雑な味わいを生んでいる。
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第七回は、「帰蝶の願い」。織田信秀は、美濃の斎藤道三と和議を結ぶことを決める。道三の娘、帰蝶は、織田信長に嫁ぐことを妻になることを求められる。帰蝶は、明智光秀に輿入れをやめてほしいと頼む。一方、道三は光秀に帰蝶の説得を依頼する。狭間に立たされた光秀は、信長その人を見ようと尾張に出かけるが…。
信長への輿入れをめぐり、道三、帰蝶双方から難題をもちかけられる光秀を、長谷川博己が好演。台詞のない部分が多く、顔芸が随分うまくなった。俳優の力量がためされる含蓄のある脚本。心理劇を楽しんでいる間に、今日もあっという間にドラマが終わってしまった。ああ、先が見たいと思わせる巧みな回。
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