アヴリルと奇妙な世界
フランスの長編アニメーション「アヴリルと奇妙な世界」。
科学者たちが次々と謎の失踪を遂げ、技術は1870年から停滞し、長らく蒸気機関のままの世界となっていた。連れ去られた科学者を父母に持つ孤児、アヴリルは科学の研究を続けるが、彼女自身も謎の組織に狙われることになる。
フランスアニメ特有の繊細な色彩・造形を背景とし、物語はアイロニーをたたえつつジブリアニメばりの冒険活劇が展開される稀有の映画。
フランスの長編アニメーション「アヴリルと奇妙な世界」。
科学者たちが次々と謎の失踪を遂げ、技術は1870年から停滞し、長らく蒸気機関のままの世界となっていた。連れ去られた科学者を父母に持つ孤児、アヴリルは科学の研究を続けるが、彼女自身も謎の組織に狙われることになる。
フランスアニメ特有の繊細な色彩・造形を背景とし、物語はアイロニーをたたえつつジブリアニメばりの冒険活劇が展開される稀有の映画。
劇場版名探偵コナン第3作「世紀末の魔術師」。コナンの宿敵「怪盗キッド」が劇場版として初めて登場する。
今回はコナンの行動範囲が広く、大阪、豪華客船、古城と舞台が移っていく。これまでの作品同様、背景美術に優れており、旅をしている雰囲気にひたることもできる。
秘宝をねらう怪盗、ロマノフ王朝の遺産、鬱蒼とした古城など、古典的ミステリーの趣をふんだんに取り入れた冒険活劇。
9世紀、アイルランドの修道院で暮らす少年ブレンダンを主人公とする長編アニメーション「ブレンダンとケルズの秘密」。
修道院はヴァインキングからの襲撃を守るために砦が築かれつつあった。伯父である院長からは砦より外に出ることを禁じられていたが、ブレンダンは本を書くためのインクの実を採取しに、森へと出かける。そこで、不思議な少女アシュリンと出会い、運命の歯車が回り始める。
中世絵画風の背景の中で、少年が生き生きとした動きを見せる。どのシーンも一幅の絵画のような趣があるが、とりわけ「ケルズの書」の描写はあまりに見事。複雑に交錯したケルト文様が一斉に動く様は圧巻。
緻密な様式美に彩られた鮮やかなアニメーション。
エヴァンゲリオンの完結編となる映画。
庵野秀明の思い入れがつまった映像表現で、スタッフや声優たちの戸惑いもすべて飲み込んで一つの作品となっている。
川島雄三監督の幕末太陽傳が思い起こされた。
細田守監督の長編アニメーション「未来のミライ」。4歳の男児くんちゃんとその家族、未来からやってきた彼の妹ミライとの物語。
凝った作りの家や、都市の情景など、いつもながら背景の描写が素晴らしい。特に、駅の表現には力が入っている。
子どもの心象をとおして、ファンタジックなアニメーションの可能性をさぐった柔らかな空気をまとった作品。
身寄りの無い女子学生花は、大学で男性と知り合い恋をする。相手がオオカミであると知りつつ二人の子をなす。男性を失った後、花は田舎の古民家で二人の子どもを育てるが…。
花のけなげな姿に心うたれる。自然描写があまりに美しく、この作品を何度も見たいと思わせてくれる。
細田守監督畢生の、魂のこもったアニメーション。
ロアルド・ダールの児童文学を原作とする映画「ファンタスティック Mr.FOX」。キツネの父親と農場主との対決を軸に、多くの動物たちとの交流を描く。
ロアルド・ダールのスパイスが効いたユーモアと、ストップモーション・アニメーションの独特な動きが奏功し、たいへん楽しめる作品になっている。
それぞれのキャラクターの個性が生き、群像劇としても秀逸。それにしても、これだけ多数のキャラクターを操るストップモーション・アニメには、気が遠くなるような手間がかかっているのではないか。
独特の世界に引き込まれる快作。
司馬遼太郎が1992年に行った講演「建築に観る日本文化」のCDを聴く。古代から現代までの建築史をなぞりながら、様々な視点から日本と建築について語られる。
建築家を目指した夏目漱石、一級の建築デザイナーであった織田信長など、深い洞察に溢れた話が泉のように滾々と湧き出で、心を潤す。
1994年に公開された劇場用アニメーション「三国志」第三部の完結編は、「遥かなる大地」。
天下三分の計をなした後、英傑たちの最後の戦いが描かれる。
水攻め、火攻めなど戦闘シーンも変化に富み、惜しみない労力が注ぎ込まれている。
山口崇が声を演じる諸葛孔明が素晴らしく、いままで見てきた映画やドラマの中でも、出色の孔明像であった。
美術的に優れた、世界に誇れるアニメーション。
1993年に公開された劇場用アニメーション「三国志」第二部は「長江燃ゆ!」。関羽千里行や三顧の礼、クライマックスともいえる赤壁の戦いまでが描かれる。
関羽と曹操との関わりを軸に据え、物語はよくまとめられている。戦闘シーンにおいて一人一人の兵士をよく動かしており、気の遠くなるような労力がかかっていると感じる。
些細な動きによる心理描写から戦闘のダイナイズムまで実に丁寧に作られたアニメーション。
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