スティーブ・ジョブズ Ⅰ

「洗練を突きつめると簡潔になる」

 カラフルなリンゴの模様をつけたコンピュータ”Apple II”、その丸みを帯びたデザインを眼にしたときには、コンピュータの世界に新しい風が吹いてくるような爽やかな感じがしたことを思い出す。1970年代後半から1980年代は、パーソナル・コンピュータの世界に次々と新しいものが生まれ、ぞくぞくするような楽しさを感じさせてくれる時代だった。
 アップル、マッキントッシュ、リサ、Nextといったコンピュータを次々とプロデュースしたスティーブ・ジョブズ。徹底してデザインにこだわり、シリコン・バレーの風雲児として周囲に良くも悪くも多大な影響を与えた人物。
 その生い立ちから、時代を駆け抜けた生涯を、膨大なインタビューを元に描き出す評伝「スティーブ・ジョブズ」。
 ヴィヴィッドなパーソナル・コンピュータの黎明・勃興期とも重なる前半生は、鮮烈な面白さに満ちている。

スティーブ・ジョブズ I
ウォルター・アイザックソン 井口 耕二
4062171260

「美の巨人たち」音楽集

 「美の巨人たち」放送500回を記念して作られた音楽集。土曜の午後、ふわりと非日常に誘うテーマ曲を初め、小粋な曲がそろっている。しゃれた趣のアルバム。

放送500回記念アルバム「美の巨人たち」音楽集
オムニバス
B003GC5W8Y

ポーの一族

 萩尾望都の「ポーの一族」は、永遠の生を受けた人々の哀切な物語。連作短編の形で、散文詩のように語られる。深遠なテーマが華やかな絵によって織りなされる、少女漫画史に残る名作。

ポーの一族 (1) (小学館文庫)
萩尾 望都
4091912516

ウルトラセブン Vol.11

 ウルトラセブンのDVD第11巻は、どれも名編。第42話「ノンマルトの使者」は、ウルトラ警備隊の行為を通して正義を問いかける。第43話「第四惑星の悪夢」は、実相寺昭雄監督による作品で、SF映画のようである。第44話「恐怖の超猿人」は、ホラーテイストで、猿の惑星とフランケンシュタインを合わせた雰囲気が味わえる。第45話「円盤が来た」は、昭和映画を思わせる人情ものと、実相寺昭雄監督独自の幻想世界が和した不思議な世界観。
 どの作品も、作り手のこだわりと社会風刺があり、怪獣映画の枠を超えた広がりと深みがある。

ウルトラセブン Vol.11 [DVD]
B001G0QKK2

王妃の紋章

 チャン・イーモウ監督による映画「王妃の紋章」は、中国の五代十国時代を背景にした歴史劇。金をふんだんに使った絢爛豪華な映像と、壮大な戦闘シーンには目を見張る。

王妃の紋章[DVD]
B001CPPUNE

DROP 小林賢太郎

 小林賢太郎の一人芝居、”DROP”。パントマイム、言葉遊び、マジック、映像表現など、様々な要素を駆使して展開される緻密なソロ・パフォーマンスは圧巻。

Kentaro Kobayashi Solo Performance Live Potsunen 2008 『DROP』 [DVD]
B002DXU5JI

レイアウト基礎講座

 雑誌の記事やチラシでは、レイアウトの善し悪しが印象を大きく変える。そのレイアウトの基礎を、豊富な事例で解説した書。
 「図版率」、「ジャンプ率」、「群化」、「版面線」など、様式と造形の両面から基本を解説している。ヴィジュアルに紙面が展開されているので、見ているだけでも楽しめる。
 配布物のアピール度をアップするために、効果的な広報を行うために、押さえておきたいポイントをヴィヴィッドに示した一冊。

7日間でマスターするレイアウト基礎講座 (DESIGN BEGINNER SERIES)
視覚デザイン研究所
4881081438

小林賢太郎『POTSUNEN』『○ ~maru~』

 ラーメンズの小林賢太郎による『POTSUNEN』『○ ~maru~』 の2舞台を収録したDVD。
 パントマイム、マジック、映像表現など、シンプルな空間でアーティスティックな一人芝居が演じられる。
 図形を切っていろいろな形を生み出す「タングラム」が多く用いられているが、その見事さに何度も感嘆の声をあげた。
 また、「ひつじたちのちんもく(羊たちの沈黙)」を「ちじんたちのくつひも(知人たちの靴紐)」と入れ替える「アナグラム」の発想の豊かさに自然と笑みが溢れる。
 映像と動機をさせて演じるパントマイムの驚くほど同期のとれた演技と意外な展開に魅了される。
 これは、もはや「お笑い」の枠を超え、芸術ショーである。
 極上のひとときを与えてくれるアートと笑いの詰まった作品。

KENTARO KOBAYASHI LIVE『POTSUNEN』& KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2006『○ ~maru~』 [DVD]
B000JVS5B6

Rahmens presents 『GOLDEN BALLS LIVE』

 ラーメンズの小林賢太郎、片桐仁の他に、久ヶ沢徹、西田征史、野間口徹が参加したコント・ライヴ。変な舞台で不思議な空気感のあるコントが繰り広げられる。ラーメンズ単独での密度の濃さはあまり感じられず、ややゆるい雰囲気であるが、それゆえに気軽に楽しめるお笑いとなっている。

Rahmens presents 『GOLDEN BALLS LIVE』 NAMIKIBASHI Satellite mix [DVD]
B0011Z628C

中之条ビエンナーレ

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 群馬県北部で開催されるアート・イベント「中之条ビエンナーレ 2011」を見に行く。2007年から隔年で行われ、今年は3回目とのこと。緑深い自然に恵まれ、多数の温泉を有する中之条町の風景を楽しみながらの小旅行。

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 暮坂峠で昼食をとる。峠の最高点には、旅を愛した歌人、若山牧水の碑が建てられている。

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 暮坂高原「花楽の里」に寄る。多くの花々が栽培されている中に、アート作品が融和するように置かれている。最初は施設の一部かと思ったほど、アートはその場になじんでいた。

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 四万温泉エリアに行く。コバルトブルーの奥四万湖を一週した後、歩いて四万温泉街をめぐる。

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 ジブリ作品「千と千尋の神隠し」のモチーフにもなった宿がある場所でもあり、清流にそって静かな佇まいをみせる建物には趣がある。

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 坂道を上り、旧第三小学校の校舎に行く。2004年に廃校になり、校舎内には当時の展示物や生徒作品などがそのまま残されている。各教室に、アーティストたちの作品が飾られ、独自の空間が作られている。

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 時を止めた学校とアートが一体となり、幻想的な世界が広がる。

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 四万温泉「清流の湯」に入る。町営の温泉であり、独特の色合いをもった清流を眺めながらの湯につかる露天風呂もある。

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 夕暮れ時、向かい側にある宿に灯がともり、情緒を醸し出す。

 自然、温泉、アートを満喫する初秋の1日であった。

中之条ビエンナーレ

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