柳家喬太郎落語集 アナザーサイドVol.4
柳家喬太郎の落語「アナザーサイド」シリーズ第4弾は、小泉八雲の怪談に題をもとめた作品集。
「梅津忠兵衛」は、奇譚ではあるがどこかほのぼのとした味わい。「猫屏風」は、情景描写が見事で、ざわざわとした怖さを感じさせられた。「雉子政談」は、喬太郎のダイナミズムが見事に表現された快作。後半の鬼気迫る演技は、聴いていても鳥肌がたつほど凄みがある。
落語の新たな魅力を放つ鮮やかな三席。
柳家喬太郎の落語「アナザーサイド」シリーズ第4弾は、小泉八雲の怪談に題をもとめた作品集。
「梅津忠兵衛」は、奇譚ではあるがどこかほのぼのとした味わい。「猫屏風」は、情景描写が見事で、ざわざわとした怖さを感じさせられた。「雉子政談」は、喬太郎のダイナミズムが見事に表現された快作。後半の鬼気迫る演技は、聴いていても鳥肌がたつほど凄みがある。
落語の新たな魅力を放つ鮮やかな三席。
トム・クルーズ主演のミッション:インポッシブル3は、J・J・エイブラムスの初映画監督作品。たたみかけるアクションと巧みなストーリーテリングで、魅力あるアクション映画に仕上がっている。特に、バチカンに潜入するシーンは秀逸。
「タクシードライバー」は、マーティン・スコセッシ監督による1976年公開の映画。
元海兵隊員のタクシー運転手の目を通して都会の虚無感や孤独感を描く。徐々に精神の均衡を失っていくロバート・デ・ニーロの演技がすごい。
アメリカン・ニューシネマの最後を飾る名画。
何度も見たい映画というのは、実はそう多くない。「犬神家の一族」は、なぜか何度でも見たくなる作品である。今回、子どもたちも大きくなったので、家族で見た。
随所に日本映画の良さがある。人々の佇まいだけで伝わる独特な雰囲気。情景、家屋の趣きがいい。その舞台で、名優たちがお互いの個性を競いあう。市川崑の凝ったカメラワーク、凝縮された脚本が映画を引き締める。
横溝正史のおどろおどろしいミステリーを、懐かしき風情と人々の所作、そして大野雄二のあまりに美しいテーマ曲が彩る。様々なエッセンスを詰め込んだ、印象に残る日本映画。
宮本武蔵に育てられた青年、松永誠一郎は、誕生間もない吉原を訪れる。待っていたのは、八方から放たれる強烈な殺気であった。
「吉原御免状」は、隆慶一郎が始めて世に送り出した長編小説であるが、その面白さは格別。激しい剣戟、吉原成立の秘話、色里での情感、どれもが巧みな筆で描かれ、読者を包み込む。
独自の発想と創造力で展開される、稀有の知的エンターテイメント。
吉原御免状 (新潮文庫)
隆 慶一郎
南の島に住む子どもティオのまわりに起こる出来事を描いた連作短編集「南の島のティオ」。ユーモアにあふれた筆致で、人々のつつましくも精神的に豊かな暮らしが綴られる。ほっこりと心があたたかくなる本。
南の島のティオ (文春文庫)
池澤 夏樹
三浦しをんの「舟を編む」は、辞書を編集する人々の姿を描く物語。映画では、松田龍平がナイーブな青年を好演している。宮崎あおいの佇まいもいい。
幸せの形を静かに味わえる日本映画。
1995年公開の、押井守監督による映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」。ネットワーク社会を独特の映像で描いた秀作。香港や上海を思わせる、アジアの街の表現が実に見事である。サイボーグを通じて自己と非自己の関係を提示するなど、深いテーマを持っている。
アメリカ中をわかせ、映画「マトリックス」にも影響を与えたアニメーション。
NHK大河ドラマ「真田丸」第1話は、「船出」。ほんとうに待ち遠しかった。
昨年の「花燃ゆ」は、脚本がグダグダで見るのが苦行に近かった。いよいよ三谷幸喜の脚本で大河にふさわしいドラマに出会えるのではという期待に膨らんでいた。
第1話は、すぐにストーリーに引き込まれていった。武田信玄なき後の衰亡ぶりがごく自然に描かれていた。武田勝頼を平岳大が演じ、哀感がにじみ出ており初回の物語に厚みを与えた。
真田の人々や、これから対峙するであろう他国の面々も個性豊かで、これからの展開が楽しみである。久しぶりにわくわくする大河ドラマになりそうである。
その人らしく生きることを支援する医療を実践している諏訪中央病院院長、鎌田實氏の「がんばらない」。
がん患者とそれを支える家族たちの姿を、温かみのある視線で描く。また、地域の人々と共にある医療を実現するために、様々な取組を行う。著者は、チェルノブイリの原発事故で被害にあった子どもたちを救うため現地に向かう。患者に真に寄り添う看護師が育っていく姿も綴られる。
ひとつひとつのエピソードが心にしみる。あたたかい医療を目指す著者の言葉は、教育を考えるうえでも大切な中身をもっている。
がんばらない (集英社文庫)
鎌田 實
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