ゲゲゲの女房 3

 「ゲゲゲの女房」、これほど毎回楽しく見られた連続ドラマはない。26週130話、ずっと続いて欲しいと思うほど、素晴らしい内容であった。山本むつみの優れた脚本に支えられ、俳優、スタッフが大事にこの作品に関わっていることがひしひしと伝わる。
 終盤、有名になったがため家族に生じる距離感や、今なお残る戦争の爪痕などが自然な形で描かれる。ドラマは丁寧に布をたたむように終わりを迎えていく。
 水木しげるの作品の根源ともいえる、「見えんけどおる」という日本人の根っこにあるものが底流にずっとあるため、一見軽妙なドラマではあるが自然な深みをたたえていた。
 まさに、心に残る名作。

ゲゲゲの女房 完全版 DVD-BOX3(完)
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ゲゲゲの女房  2

 「ゲゲゲの女房」では、貸本漫画の執筆に打ち込む水木しげるを、貧しい中でも温かく支える妻布美枝を中心に描く。
 それにしても、中盤、貧しい時代が長く続く。高度経済成長の中、紙芝居は廃業に追い込まれ、貸本漫画はすたれていく。貸本漫画をわずかな報酬でも書き続けなければならず、時代に取り残されていく夫婦の姿は、極貧の中でも明るく輝いて見える。売れ残りのバナナを買って夫婦で食べるシーンはことに印象に残る。
 松坂慶子演じる貸本屋の女主人、村上弘明 演じる漫画に夢を託す弱小出版社社長など、関わる人々も個性豊かで素晴らしい。
 「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」などが世に認め始められるまでの長く苦しい時代は、良質な脚本であるからこそ見る者の心にしみいってくる。

ゲゲゲの女房 完全版 DVD - BOX 2
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ゲゲゲの女房 1

 2010年、NHK朝の連続テレビ小説で放送された「ゲゲゲの女房」。貸本漫画家水木しげるに嫁ぐことになった女性を、 松下奈緒がおおらかに演じる。
 少女時代から、見合いをして一週間たらずで挙式、東京に上京する間はテンポよく進み、ユーモア溢れる雰囲気と温かさが心地良く、ずっと見入ってしまう。

ゲゲゲの女房 完全版 DVD-BOX1
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八重の桜 50

 NHK大河ドラマ「八重の桜」最終回は、「いつの日も花は咲く」。
 このドラマの1年を振り返ると、会津の人々を中心に据え、幕末の苦悩を描いた前半部分は大変に素晴らしい出来で、人々の矜持と歴史のうねりに巻き込まれる人々の緊迫感を伝える見事な映像であった。
 それが、明治になってからいきなり薄くなり、ホームドラマ風に流れてしまった。いったいこの変化はどうしてしまったのであろうか。
 前半ではあまり目立たなかった綾瀬はるか演じる八重が、後半では俄然中心となり、鬱々とした表情をたたえたり、大きな声を出す場面が増えた。このような感情の起伏をそのまま前面に出すステレオタイプのドラマになってから、質は一気に落ちた感がある。西南戦争、自由民権運動、内閣制度発足、日清戦争など歴史的な出来事も描かれるが、物語として消化しきれておらず、散発的に紹介される一コマに終始していた。
 山川浩、山川健次郎、大山捨松といった、山川家の人々のエピソードも挟まれていたが、前半の流れを引き継ぐには会津藩の人々の生き様をより丁寧に盛り込んで流れをつくれば、見応えもあったように思う。
 縦横の糸がきれいに綾なされていた織物が、途中から横糸がなくなり、ばらばらと縦糸がなびく端布になったような印象である。
 ドラマは脚本できまる。引き締まった構成感があり、最後まで見る側を惹き付ける大河ドラマを期待したい。

NHK大河ドラマ「八重の桜」

八重の桜 完結編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
4149233640

『アラビアンナイト』 (100分de名著)

 NHK100分de名著『アラビアンナイト』。当時の国際都市バグダッドを中心とした話が、幾層もの構造をもっていることを知り、その複雑さと多彩さに驚く。現代の多くの物語の種がここにある。
 番組では、「背中にコブのある男」の切り絵風アニメーションに感銘を受ける。

NHK 100分 de 名著 『アラビアンナイト』 2013年 11月 [雑誌] (NHKテキスト)
NHK出版 日本放送協会
B00G3OHSDY

『古事記』(100分 de 名著)

 NHKの番組、100分 de 名著『古事記』では、軽妙なトークと雰囲気のあるアニメーションで日本神話のエッセンスが語られる。
 物語によって森羅万象を象徴させる巧みさ、話の力強さを知り、語り告がれ残されるだけの価値があったことを実感させられる。 

『古事記』 2013年9月 (100分 de 名著)
三浦 佑之
4142230301

トルストイ『戦争と平和』 (100分 de 名著)

 トルストイの「戦争と平和」を、当時の政治、文学の状況をふまえ解説している。
 ロシアへのナポレオン侵攻に向き合う人々を通し、幸福とは何かというテーマを重層的に描いた作品の魅力を簡明に伝えるテキスト。

トルストイ『戦争と平和』 2013年6月 (100分 de 名著)
川端 香男里
4142230271

『般若心経』 (100分 de 名著)

 わずか262文字の経典「般若心経」。その凝縮された言葉に込められた意味を、私たちの日常に照らし合わせて分かりやすく語られる。番組第一回の説明映像は、凝りすぎて「世にも奇妙な物語」のようになっていたが、神秘の扉をひらく動機付けとして面白く見られた。
 テキストはコンパクトにまとまっており、しかも著者の伝えたいという思いが随所に感じられ、中身の濃い本となっている。

『般若心経』 2013年1月 (100分 de 名著)
佐々木 閑
4142230220

八重の桜 49

 NHK大河ドラマ「八重の桜」第49回は、「再び戦を学ばず」。
 日清戦争へと向かう政情の中、山本覚馬、松平容保が息を引き取る。その最期に思いを語る場面には、凛然とした気が漂う。幕末編の引き締まった映像を挟み込みながら散文詩的な、格調のある回となっていた。

NHK大河ドラマ「八重の桜」

八重の桜 完結編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
4149233640

八重の桜 48

 NHK大河ドラマ「八重の桜」第48回は、「グッバイ、また会わん」。
 八重と新島襄との別れをじっくりと描く。秋月悌次郎を登場させるなど、風呂敷をたたむように会津の人々にひとつづつ区切りをつけていき、いよいよドラマの終わりが近いことを実感させられる。
 新島襄の葬儀のシーンは格調があった。続く日本赤十字社篤志看護婦人会発足のシーンでは、大山捨松を中心として一転、華やかな雰囲気になる。
 今回は密度の濃さと場面転換の妙があり、本来の大河ドラマらしさが久しぶりに戻った感があった。

NHK大河ドラマ「八重の桜」

八重の桜 完結編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
4149233640

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