電脳コイル

 NHKで2007年に放送されたSFアニメ「電脳コイル」。磯光雄監督、全26話。
 電脳メガネという端末により、数々の情報にアクセスできる近未来、小学生たちが様々な経験をするドラマ。
 前半は1話完結のエピソードであるが、後半はあるテーマに向かって話が進んで行く。
 北陸の都市をおもわせる背景の美術が素晴らしい。神社などが街角に普通にある町で、小学生たちは電脳のテクノロジーを駆使して互いに交流や反目を繰り返す。この古い面影を残す街と、細かい設定がなされたテクノロジーが混じり合った世界観が独特で、心地よさと違和感が絶妙なバランスをもっている。
 小学生たちもそれぞれの背景が丁寧に描写され、表面的な学校ドラマに終わらない深みをもっている。
 磯光雄の緻密なSF設定と動画技術が融和した、イマジネーション豊かなアニメーション。  

電脳コイル Blu-ray Disc Box

心と耳にのこるCMのうた Vol.2

 「ウィスキーが、お好きでしょ」「こんこん昆布つゆ」「レナウンワンサカ娘」「人生デ★ラックス」など、CMで使われた歌の数々がフルバージョンで収録されている。
 雰囲気のある曲、元気で勢いのある曲が多く、BGMにも良い。任天堂のゲーム「ピクミン」の「愛のうた」は、妙に印象に残る曲。

心と耳にのこるCMのうた Vol.2

白洲次郎

 太平洋戦争前後の政治に深く関わった白洲次郎。その波乱の生涯を、陰影のある美しい映像で描いたNHKのドラマ。
 近衛文麿、吉田茂のブレーンとして活躍した白洲次郎を、伊勢谷友介が気骨あるジェントルマンとして見事に演じる。この上なくスタイリッシュで背広が似合い、自然な英語で英米の人々と対等に論を闘わせる。この人なくしては、この作品はできなかったであろう。
 白洲正子を中谷美紀が娘時代から晩年までを演じる。美の求道者としての晩年のシーンは、心にしみいる清冽さがある。
 近衛文麿を岸部一徳、吉田茂を原田芳雄が演じているが、戦争シーンがほとんどないにも関わらず、国を預かる彼らの台詞や表情が時代の雰囲気を如実に表していた。
 白洲夫妻が共にこだわり抜いた自らの生き様に、スタッフが共感し徹底的に製作のこだわりを見せた作品。
  

白洲次郎 (新価格) [DVD]

麒麟がくる

 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第二十二回は、「京よりの使者」。桶狭間の戦いから4年後、光秀は越前で質素な暮らしをしていた。そこに、将軍足利義輝に仕える細川藤孝が訪れ、三好長慶に権力を掌握された京の実状を語り、光秀に将軍と謁見してほしい旨を伝える。
 6月7日以来、新型コロナウィルスにより撮影が中断し、ほぼ3ヶ月ぶりの放送となった。久しぶりに聴くオープニング、登場人物に、懐かしさすら感じる。
 その後の様子が、知的な脚本で丁寧に描かれ、この大河の良さがじわりと伝わるよい再スタートであった。

麒麟がくる 後編 (2) (NHK大河ドラマ・ガイド)

サンダーバード音楽集

 サンダーバードの偉大な音楽が、クリアな演奏で蘇る!オリジナル・スコアにより、勇壮なテーマ曲、ファイアーフラッシュ着陸時のスリリングな音楽、火星ロケット輸送車の重厚な曲が次々と流れてくる。
 世界的な指揮者で、自らもサンダーバードのファンである広上淳一氏がタクトをとり、緊迫感のある演奏を繰り広げる。
 サンダーバードの音楽がいかに素晴らしかったかを再認識させてくれる、感涙の1枚。

サンダーバード音楽集
広上淳一指揮 東京ガーデン・オーケストラ

オーイシマサヨシ「仮歌」

 「ようこそジャパリパークへ」「ブラッドタイプ☆ハートビート」「不可侵領域デストロイヤー」など、大石昌良が作詞・作曲した作品のセルフ・カバー・アルバム。「浪漫飛行」のように編曲を手がけた作品のカバーも含む。
 自らアクティブに楽しそうに歌っており、聴いている方もウキウキしてくる。
 リリックやライムがはじける才気溢れるアルバム。 

カバーアルバム「仮歌」

約束のネバーランド 1

 ある目的で壁に囲まれた孤児院で暮らす子どもたちが、脱出を試みる物語。一種のホラーであるが、智と智の闘いがストーリーに起伏を与える。
 個々のキャラクターもよく描き分けられ、動きの軽快さが救いとなっている。美術的にも優れたアニメ。

約束のネバーランド 1(完全生産限定版) [Blu-ray]

Eve~Songs For Sweet Memories

 M(プリンセスプリンセス)、PRIDE(今井美樹)、DEPARTURE(globe)、恋しさと せつなさと 心強さと(篠原涼子)、TOMORROW(岡本真夜)など、女性ボーカル曲を集めたCD。テレビ、映画などでヒットをとげた名曲がそろっている。
 今なお魅力を放つ曲が収められたアルバム。

Eve~Songs For Sweet Memories

天皇の料理番 12

 ドラマ「天皇の料理番」最終回。敗戦国となった日本はGHQの統治を受ける。篤蔵は、天皇陛下の料理番として、GHQとの関わりを模索する。
 敗戦直後の様々なエピソードを織り交ぜながら、料理人の生き様を多くの人々との関わりの内に描く。
 明治、大正、昭和と移りゆく時代の中を、精一杯走り抜ける主人公の姿が魅力的であった。それを支える多くの人々との関わりがじっくりと描かれ、胸に迫るシーンも多かった。
 料理や背景、小道具に至るまで実に丁寧に作られ、それぞれの時代の雰囲気を醸していた。近代日本の姿を再現したという意味でも貴重な作品ではないか。
 俳優の名演とスタッフの熱意が結実した、真にまごころがこもったドラマであった。 

episode12 完結~料理番の人生敗戦の料理番がGHQに起こした愛の結末

天皇の料理番 11

 ドラマ「天皇の料理番」第十話は「皇居編~最愛の人と最後の晩餐」。主人公と家族との関わりをじっくりと描く。黒木華演じる俊子の楚々とした佇まいが素晴らしい。
 支え合う家族の姿が、説得力をもって表現された回。

episode11 皇居編~最愛の人と最後の晩餐

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